「よく見ろ」と叱る前に | あ~どうしたものか

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社会問題=PTSD現象。

“郷土なくして人生なし”
ということで[複合汚染]時代をサバイバル、平穏死を子々孫々繋いで生きましょう。

お子さまが何かできなくて「よく見ろ」と叱りたくなる状況であれば、そもそも視覚機能に問題はないのか、チェックしてあげましょう。「見えているはずだ」と思うからこそ、「ちゃんと見ていない」と感じて腹が立つのでしょう。我が家では、夫がそういうことで間違って子どもや私を叱ります。私は別に構いませんが、子どもは嫌がっております。

「普通の人」の夫も何か見落とすことはあるものの、もちろん、私ほどの頻度ではありません。私は自分の経験から「見えているはずだ」とは思い込まず、「あれ?見えていないのかしら?」と本当に見えていないことを疑うため、「よく見ろ」などとは誰に対しても言わず、実際に手で囲ったりしてフォーカスしてほしい対象を提示します。

ちなみに、視力の問題は、私にはありますが、夫(← 老眼鏡が必要になっただけ)や子どもらにはありません。私も眼鏡による矯正視力は 1.0 で、日常生活には支障ありません。

さて、視知覚認知の問題は、実に多様のようです。

長男は本をどういう向きに置いてもすらすら読むことができます(謎)。私は眼を縦方向に動かすのが苦手なので、縦書きのものを読むと一行飛ばしたりして引っかかることも少なくない上に疲れます。それを避けるには私の場合は、本が縦書きでも横倒しにして読むことです。変で、すみません。なお、横書きの本を上下さかさまにしても、私もそこそこ普通に読めますが、長男ほどではありません。横書きが読みやすい話は kyupin 先生のブログにも例があります(横文字文化の話)。

鏡文字が長く残った人は先祖代々、ぼちぼちいます。長男もそうです。私もそうだったので、特殊学級の先生にお世話になりました——って勝手にお世話になっただけで、私は普通学級に入れられていました。そのうち、言語能力が発達してオーバーアチーバーになってしまったので、特殊学級には遊びに行けなくなりました(そんなことを大目に見てくれなくなった)。

それから、写真を見たときに「これは何の写真か?」を問われると、「はて?何の写真でしょう?」と迷います。これは長男の場合、担任の先生が気づいて上手に指導してくださってクリアしました。教科書に載っている写真に対角線を二本とも引かせて、対角線の交叉するところにあるオブジェクトが被写体であると説明されて、非常によく分かったそうです。そういう指導ができなかった親の私は、どう指導していたかというと「キャプションを読め」。キャプションがなければ本当は何が被写体かは不明だと思っていました(笑)。教材や論文、報告書ではキャプションなしで図表が提示されることはほとんどないので、私のような者でも小学校3、4年生くらいから数学と言語運用の能力でカバーしてしまって、「具体的に何ができないか」は観察されないまま成績優秀者になってしまったりします。

長男は b、d、p、q の弁別が曖昧で、欧文では初め読字に問題がありました。実は私もかつては同じ問題があったのを自分で工夫して回避しました。文字を1つずつ見るのをやめ、単語を形態素から構成される一塊として見るようにすれば、その一塊の形態と意味とが対応させられるので、漢字を覚えるのと同じような感じになり、認識するのが楽だし、速読力も増して一石二鳥です。そうやって問題を回避しているだけなので、 b、d、p、q をカードに1文字ずつ書いて、カードを1枚ずつパッと見せて b、d、p、q のどれだったか言わせると結構、間違えます。しかしながら、そのような特殊な——基礎的な能力とはいえ課題としては特殊なことよりも、文章としての速読力のほうが実践においては重要なので、通常は何ら問題ありません。

なお、音読は下手です。初見で音読させると、できないのがバレます。しかしながら、通常、音読は練習するので、声に出さずに読んで理解して覚えてしまったものを、本を持って暗唱すれば、音読しているように見えるので、できないのがバレません。

このように我が家の読字、書字の問題は、ないわけではないものの、現実の問題にはなっておりません。現実には、読字、書字の問題は全く問題のない場合から、我が家のような中途半端にちょっとだけ引っかかるところがある場合もあれば、全然、読めない場合まで、多様なケースがあると推定されます。ケースごとに問題を分析して、対処する必要があるでしょう。

「文字がすらすら読めない、意味が理解できない」話が拝読ブログのエントリ
http://ameblo.jp/autist/entry-10637758560.html
にあり、視知覚認知発達検査のできる機関を紹介しています。そのうちの1つ、
かわばた眼科

ここの先生が監修なさった本
発達障害の子どもの視知覚認識問題への対処法/リサ A カーツ

¥1,470
Amazon.co.jp

翻訳者は同じアメブロの泉流星氏。
初めての翻訳本が届いた
http://ameblo.jp/alien-mind/entry-10542510378.html
折角なので、アマゾンでお買いになる方は、できれば泉流星氏のブログ右側にある同書のアイコンをクリックなさってくださいませ。

第5章「視覚スキルを高める活動」から抜き書き。
「活動はいつでも、楽しく遊び感覚で」
「子どもが夢中になり、一生懸命にやれることが大切」
「子どもがすぐに退屈してしまうような活動は、簡単すぎ」
「逆にいらいらしてしまうような活動は難しすぎるので、子どもの能力がもっと伸びてくるまで行うべきではありません」


ちなみに、p. 73 に掲載された「指の図」(☞ ☝ ☟ ☜ 右、上、下、左の4つの向きをランダムに指す手の絵が並べてある図)を左から右へ1つずつ読む課題、私には難しいものでした。しかも、それを平均台かバランスボードに立たせた子どもにやるように指示するという……。難易度が高い課題です。片方ずつ(身体のバランスを取るか、指の向きを読み取るか一方)でも私はできません。長男は、ときどき右左は間違えますが、身体のバランスは普通にとれます。

こうした上下左右の弁別が苦手というと小学校低学年でバカ扱いされることが少なくないようです。しかしながら、我が家は私もそうですし、長男もそうなので、「バカにされてもバカにはならないから大丈夫」と教えております。


話は戻って、上掲書に例示されている「遊び」は、

発達障害は治りますか?/神田橋 條治

¥2,310
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に出てくるものと共通性があります。比べて、それぞれのお宅にあった遊びを取り入れるとよいと思いました。

「みんなが楽しい修行」で、子どもがいて楽しい暮らしをしましょう。




皆さまも、お大事に。