近刊『発達障害は治りますか?』 | あ~どうしたものか

あ~どうしたものか

社会問題=PTSD現象。

“郷土なくして人生なし”
ということで[複合汚染]時代をサバイバル、平穏死を子々孫々繋いで生きましょう。

神田橋條治ほか(著)『発達障害は治りますか?』
税込2,310円、花風社

が近刊だそうです。親切な方から教えていただきました。

目次
http://www.kafusha.com/kandabashi/kandabashi_mokuji.html
のうち岩永竜一郎氏の執筆分「道しるべとなる出会い」がウェブページ
http://www.kafusha.com/kandabashi/iwanaga_atogaki.html
で読めます。

「治らないという考え方は、治りませんか?」と神田橋先生が仰っているマンガが表紙になるようです。そうそう、社会の偏見も治してほしいもののひとつです。

スクリーニングに引っ掛かるのは将来も変わらないだろうという意味で「治らない」。感覚が平均値からズレているのが将来も変わらないだろうという意味で「治らない」。そういうふうに言うことはできるでしょう。一方、人的物的環境を整えつつ「何とか暮らしていくことができる」ようになったら「あの人も随分よくなったねえ(治った)」と言うのであれば、「治る」と言えましょう。そのように「何とか暮らしていくことができる」人を、kyupin 先生も「彼女のように、30歳を超えるまで普通に働き、生活してきた人のどこが発達障害なんだと言いたい」とお書きでした。

それに触発されて、私も拙ブログのエントリ
『感覚情報処理の個体差』
http://ameblo.jp/aya-quae/entry-10185699797.html
を2008年の年末に書きました。

> 昔は「情緒障害」、今は「情緒」が障害されているわ
> けではないとされて「発達障害」と言われるようにな
> りました。けれでも、発達のしかたに個体差はあるけ
> れども「発達」それ自体はしているような気がするの
> で、「発達」が障害されているわけでもないように思
> います。そういう意味で、「発達障害」というのも変
> です。 kyupin先生曰く「彼女のように、30歳を超え
> るまで普通に働き、生活してきた人のどこが発達障害
> なんだと言いたい」(『パキシルは幻聴に効くの
> か?』
)
http://ameblo.jp/kyupin/entry-10163884431.html


浅見氏(花風社)のブログには新刊を出すことにした経緯が書かれています。
「発達障害は治りますか?」
http://blog.goo.ne.jp/tabby222/e/8fd2b287af2c60eeee51a0e29e5d4f07

そのなかで私が気に入ったくだりは以下の部分です。

> ちゅん平さんの反応も面白かったです。
>
> 「今度会うカリスマ精神科医の先生はね、私が『発達
> 障害は治りますか?』ってきいたら『発達障害者は発
> 達します。だってニキさん発達したでしょ』って答え
> たの」って言ったらぞくっと震えが来るほど感動した
> そうです。そして「やっぱり巨人はいるのかしら」っ
> て思ったそうです。

それはいい! 昨2009年5月、私は以下のように書きました。

拙ブログのエントリ
『「虚構」を選択して実践すること』
http://ameblo.jp/aya-quae/entry-10253195188.html

> 「シナリオのある世界観」は「予定調和説」と似たよ
> うなところがあり、「巨人」は「神」であり、藤家氏
> が「社会を象徴的に把握して内的に変貌させたもの」
> とも捉えることもできます。藤家氏がどのような診断
> を受けているかは別にして、氏を一個の人間として捉
> えたとき、「巨人」のいる「シナリオのある世界観」
> が氏の「症状」であるとは私個人は考えません。むし
> ろ、そういうふうに世界観を構築できたことそれ自体
> は、氏の脳という臓器の健康な部分なのではないかと
> さえ思うのです。
>
> ……(中略)……
>
> 「脳は感覚からの入力を統合し、運動として出力する
> 情報処理装置である」という「虚構」に支えられた概
> 念としての「脳」=自己意識を「虚構」と知りつつ受
> け入れ、「自分なりに状況をコントロールしていこう
> とする——コントロールできるんじゃなくて、コント
> ロールしていこうとするスタンス」に立つことにする
> ということです。この後半は、神田橋先生の講演録か
> ら拝借しました。

要するに、「自分なりに状況をコントロールしていこうとする——コントロールできるんじゃなくて、コントロールしていこうとするスタンスに立つこと」ができれば、ほかの精神疾患と同じように「治った」ということができましょう。

本は、花風社のウェブページ
http://www.kafusha.com/shuppan/order/main.html
購入予約が可能です。予約しておくと、書店販売に先駆けて2010年5月20日頃から順次発送とのことです。


よろしければ、どうぞ。


皆さまも、お大事に。