(注意:長いです!)
「君の名は。」を見ました。
9月上旬の公開2週目なので記憶も少し曖昧なのですが、お伝えしたいところが数点ございまして、数ヶ月ぶりにアメブロを開きました。
あらすじはこちらでどうぞ。(まさかの)
新海監督の作品を全て見ているわけではないけれど、
今回の「君の名は。」は、ヒットすべくしてヒットしたのだろうな!と思います。
ジブリ以外のアニメ作品なのに
同世代やお姉さま方に「君の名は観た?どうだった?」と聞かれることがとても多い。
「小学生の娘分かるかな〜」とか。
色んなレビューで見かけるけれど、
ジブリの宮崎駿
スタジオ地図の細田守(時かけ、サマーウォーズ)
に並んで、(ほぼ)全世代が知るアニメーション監督になったな!メジャーになったな!というのが誇らしくてちょっと寂しい感じ。
ここからは、アニメがそこそこ好きで、新海監督作品もそこそこ観ていたライトなアニメファンの戯言としてお読みください。
新海監督の過去作品についても、少々ネタばれしますので、そのあたり了承いただける方のみ!よろしくお願いします。
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この映画、わたしとっても好きです!!!
『男女の入れ替わり』によるエピソードを中心にした前半。
女になった瀧くんが自分の''胸を揉む''とか、男になった三葉はトイレするのが恥ずかしい、とか。
RADの劇伴バックに、三葉(中身は瀧くん)が、三葉が無い〜と嘆いていた「カフェ」を作ってあげるところとか。胸の揺れが素晴らしいバスケシーンとか。それはそれは、可愛くて心温まるシーンがたくさんあった!
後半からは一転、
三葉は3年前に彗星☄️の衝突で消えた街に住んでいたことが分かるのだけれど、そこからのテンポも絶妙でたまらなかったです。
御神体近くのあの場所で、瀧くんと三葉が実体で会えたときは感動したし、三葉が役場に向かって走ってるときに転けた場面では、間に合え!!!!って、胸の近くで手を合わせて祈ってました。
町民のほとんどが助かった、というモノローグを聞いて力が抜けたし、大きな陸橋みたいなところで(雪だったかな?)傘をさした、赤い組紐を結った女性とすれ違ったときは、思わずガッツポーズしそうになりました。三葉生きてた!!!!東京に出てきてた!!!!!!!!!!って。
この、前半と後半のバランスがとても好み。
たぶん、普通に予告だけ見てたら、前情報はほぼ前半部分だけだから、後半でぐっっっと掴まれると思うんですよね◡̈✧
会社の人に「見た方がいい?難しいんでしょ?」ってよく聞かれるんですけど、
難しくはないと思う。
男女入れ替わりの物語。
時空を超えて町を助ける、男女の恋の物語。
伏線の回収を、理由の説明を、整合性を…
それぞれ正しい回答求めすぎると「ん?」ってなるのかもしれないけど
SF要素が入った作品でそこまでの整合性を求めちゃダメ!!!!ということを、会社のひとに何度も言ってるけど理解してくれない(´Д` )
映画の場合は特に、理由の説明よりもテンポが大事だと思うのです。
瀧くんと三葉が入れ替わる理由は?とか、明確な答えを映画の中に入れてしまったら、もっと本編長くなるよ?くどくど説明するよ?上映時間長くなって面白さ半減するよ?
本来であれば説明が必要であろう根幹の理由を、あえてカットした。
映画の制作と同時進行で作った主題歌は「前前前世」。
こちらに答えを投げられてると思うしかないじゃないですか♪ねー!ということで、わたしもかなちゃん説です。
その他にも、よく考えたら「なんで?」っていうこともあるわけです。
よく目にするのが「携帯使ってるのに、テレビ見てるのに、3年のズレ、曜日のズレに気がつかないのはおかしい」という件。
・・・・そこ考えちゃだめ。笑
入れ替わりは週に2,3日、夢だと思ってるから起きたら忘れる、という設定で、なんとか処理をしてください( ˉ ˡˍˉ )それにさ、御神体のところ行く日に、瀧くん@三葉も間違えて制服に着替えちゃったじゃないですか?曜日の感覚ズレちゃってた…!ってことで。
あとは、「瀧くんは、いつから三葉のことが好きになったの?そこの描写が薄い!」という件。
みなまで言わすな…!笑笑
わたしは、奥寺先輩に「瀧くん、わたしのこと好きだったよね。でも今は別に好きな子がいるでしょ」と言われたときだと思ってる。そこでやっと、自分の気持ちに気付いたんだろうなと。何とも思ってなかった子が、ただの友達が、どこかのタイミングで特別になることが、あるじゃないですか。瀧くんはそれが、奥寺先輩のこの言葉だったんだよきっと・・・(;o;)
(でも、この日を境に入れ替わりが起きなくなるんだよね…)
映画のテーマ、内容、テンポ感も良かったけれど、
個人的に惹かれるのは、たくさんの気になる要素が詰まっていたからだと感じています。うざいくらい、過去作品も交えながらつらつら書いてますのでお時間ある方だけお付き合いください。
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◆主題歌・劇伴 RADWINPS
かなちゃん、私もRADのアルバムひっぱり出してるよ。
劇中歌は、映画に合わせて全部書き下ろし。
作っては送り、新海さんも返し・・・本編の制作と同時進行で、一年以上かけて作ったようですね。
新海監督は、過去に「秒速5センチメートル」で山崎まさよし氏のあの曲を使用しました。
「One more time, One more chance」
なぜこのタイミングでこの曲?って選曲だけど(映画は07年、楽曲自体の発表は96年)
監督自身が「大学生の時によく聴いていた、一番好きな曲」ということらしい。
好きだからこそ、曲調に、映像のカットを合わせて展開するという、これはMVか?っていう事をされたんですね。美しさが絶妙に切なくてたまらないので、ぜひ観てください。
(「秒速〜」は3つの短編からなる作品で、その3つ目ラストがまさにそれです。でも見る際は、ちゃんと1つ目の短編から観てね。時系列になってますから。)
今回も、音楽が入るタイミングがさ!どれも絶妙でたまらんかったです。
新海監督自身がRADのファンだからオファーしたと言っていたし、
加えて「曲がかかるタイミングが映画のピークになるように絵コンテを組んだ」って言ってましたもんね。
だから、まぁーーーぴったりなんですよね!鳥肌案件ですもん。RADの曲が入ったときの盛り上がりといったら。鳥肌感といったら。ぶわわわわわわわっ!と、指先から体に向けて鳥肌が立つ感じ。初めて真っ黒くろすけに出会ったメイみたいな鳥肌がたった。(伝われ)
◆キャラデザ 田中将賀氏
これまでの新海監督作品と違うところ
テーマを変えた、という点もあると思うけど、キャラクターデザインの変更が大きいと思います。
秒速5センチメートル(2007)
星を追う子ども(2011)
言の葉の庭(2013)
そして、君の名は(2016)
キャラデザの勝利でしょう!!!
前作「言の葉の庭」を除いて、それまでの過去作品のキャラデザ特には一般受けするものではないな〜と思ってます。(個人的にも、キャラデザが好きになれなかった。ごめん、新海監督。)
田中将賀さん、というお名前はそこまで有名ではないかもしれないけれど、担当した作品一覧を見ると、ああ、やっぱり!という感じてもらえる…ような。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』
『家庭教師ヒットマン REBORN! 』
『あの夏で待ってる』
『クロス ロード』
『心が叫びたがってるんだ。』
(※下記Amazonサイトの内容紹介より)
田中将賀アニメーション画集 4,320円 Amazon |
『クロス ロード』とは、あれです!
一昨年かな?話題になった、Z会の120秒動画。
これも、監督・新海誠×アニメーション・田中将賀のコンビ。
いいですよねーーー。これも、田舎の女の子×都会の男の子、っていう「君の名は。」と同じ構図^ ^
\メガネっ子、最高!/
最近また見るようになった、大成建設のアニメCMも新海監督です。
「君の名は。」公開に合わせて、またCM打ってきました。大成建設ナイス判断!
◆そして圧倒的な、背景美
これまでの作品も美しかったけど、なんかこれはレベルが違うな、という感じ。
クレジットの「制作協力」の部分見ました?
たくさんのアニメ制作会社が並んでましたよね。
Production I.G. 、マッドハウス、京アニ、シャフト、ゴンゾ・・・錚々たる並びだったわけですよ。どういう制作協力なのか、よく分かりませんが(分からんのかい)、「なんだこれは!!!!!」案件だったわけです。
◆過去作品との繋がり
過去作品を見ていて良かった!!!!!心からそう思いました。
これネタバレ記事だから、いいですよね?
過去作品のネタバレもします。ネタバレNGの方は全力でお逃げください!
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冒頭に、古文の先生出てくるでしょ?
若い女性でボブの先生。
前作「言の葉の庭」のメインキャストの雪野先生(CV花澤香菜)だと思います。
「あれ???この声!花澤香菜??ユキちゃん先生だよね????」って、まず第1回目の鳥肌タイム。
帰宅してから、よーーーーく考えると、何やら時間軸と世界軸がおかしいのかもしれない…と思ったけれど、これも新海監督のサービスサービス!深くは考えない。
だってクレジットに
「ユキちゃん先生 花澤香菜」って書いてあったもん!!
サービスありがとう新海さん!!!
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◆過去作品を彷彿とさせる仕掛けがいっぱい
レビューによっては、「新海監督は、過去作品でのテーマを否定している」とか言っているものもあります。
過去作品は、「届かない想い」みたいなものがテーマになっている作品が多かったです。単なるハッピーエンドじゃない、そこが新海オタクが好んでいたところなのでしょうね。そこが変わったもんだから、批判も多くて。えーやん、と思うわけですけど。
前出の件もそうだけど、
浴衣を着た三葉が彗星を見上げている構図とか、瀧くんと三葉が出会ったところとか、御神体に口噛み酒をお供えに行くところとか、雨のシーンとか、随所に、新海作品の空気感を感じました。
(決して、否定しているわけではありません)
一番感じたのは、瀧くんが三葉のところに電車で行くところ。
某作品で、高校生の主人公が、一人で好きな子のところに電車で行くんだけど大雪で動かなくなって遅延して…この世の終わりみたいな重い時間が続くシーンがありましてね。
「時間ははっきりとした悪意を持って、僕の上をゆっくりと流れていった」というモノローグが入る名シーンです。そこを思い出した。
ああ、瀧くんには仲間がいるんだね!まさみと何とかくんがいるんだね!一人じゃないんだね!心強いね!って、なんだか泣きそうになって。
その映画の主人公と、瀧くんは全く関係ないんだけど、「好きな子に電車に乗って会いに行く」という行動が同じで、でも、その内容が違っていて・・・・なんていうか、見てるからこそ、の楽しみ方も多かったように思います。
◆ひとつ残念だったのが…………
アニメっぽいオープニングがありましたよね?あれがちょっと残念です。
高校生の瀧くん、三葉から、、その後髪切った三葉、そして大人になった2人が出てきましたよね…あれがなかったらもっと…大人になって再会するところで感動できたのになぁ、と思ってしまうわけです。
オープニングがいらないと言っている訳ではない、大人の姿はカットして欲しかった。ただそれだけです(ノ_-。)
ストーリー読めちゃうよ…涙涙涙涙
◆本作品でメジャーになった新海監督
早くも、次回作どうなるんだろう?!?!って思ってすみません。
「星を追う子どもたち」は、監督自ら「ジブリに寄せた」と発言していましたが、それ以外は、大人が楽しむような作品が多かったのです。
10代でも楽しめるのだろうけど、大人の方が、
「届かない想い」を経験したことのある、吸いも甘いも経験した年代の方が感情移入できる作品と感じることが多かった。
「君の名は。」で100億もすごい勢いで突破して、一躍メジャーな監督の1人になった新海監督はの次回作は、まぁ期待されてしまいますよね。
どんな作品を作ったとしても賛否は必ずあるものだし、否が応でも「前作」と比較されてしまうだろうけど…楽しみにしてるから!!!!!!!!!!がんばれよ!!!!!!!!(愛情込めて言ってます)
◆わたしの鳥肌ポイント
・ユキちゃん先生の登場
・RADの曲調との親和性
・「糸守はなくなったよ、3年前に」
・犠牲者一覧に、三葉の名前を見つけたとき
・手のひらの「すきだ」←ズルい(ノ_-。)
ひとつ、くだらないこと言ってもいいですか?
初めてタイトルを聞いたとき……
\真知子!!!!/
(伝われ)
(高校の時、なぜか「真知子巻き」が流行った)
神木くんも上手かったけど、私は上白石萌音(かみしらいし・もね)ちゃんの三葉にやられた。めっちゃ上手くないですか!!!!!!!
萌音ちゃんは、だーすー(菅田将暉くん)と小松菜奈ちゃん主演、WESTのエース・重岡大毅もいい役で出演する「溺れるナイフ」にも出演してます!!!!(宣伝)
監督は、山戸結希(やまと・ゆうき)監督。
以前トークショーを聞きに言ったことがあるのだけれど、繊細な女の子を儚く描く事に定評のある、すっごく映画オタクで、『アイドル』の存在が大好きな(notドルオタ)監督です。
そのトークショーで、大学時代の処女作品について語ってもらったら本当に止まらなくて、なんだこの面白い監督はwwwと思った。それが多分2014年。そこから東京女子流の映画を撮った後、なんと!あの乃木坂のMVを撮ったかと思えば!!!!!「溺れるナイフ」だもん。すげーな、山戸結希監督。ちなみに平成生まれ。
あれ、なんの話だったっけ。
「シン・ゴジラ」も書きたいけど、たぶん書けない。
おっしまい。