ジール再生計画.今回はエンジン不調の原因です.
キャブレターをオーバーホールし,燃調,同調を終えたエンジンは絶好調でした.私もやるなと.
いざ,走らせてみました.
フィーン!
ボボボボ,プスッ.
キュルキュルキュル,プスッ.
あれれれれ?前言撤回です.
エンジンは再始動するものの,アリドリング状態では止まってしまいます.アクセルを開けてもついてきません.回転数が上がりません.チョークを開けても同様でした.
走らせてすぐに止まってしまったので,クラッチかと思いましたが,結論から言うとクラッチは関係ありませんでした.
色々と原因を考えてみましたが,シロウトの私ではわかりません.
ですが,シロウトなりに考えてみました.
要は燃料が正しく送られていないから,アクセルを操作しても回転数に変化がない.キャブレター内で「つまり」が発生しているのではないか?
その答えを確認するために,キャブレターをまたまた分解,清掃してみることにしました.再々オーバーホールです.
フロート内はとても汚れています.燃調,同調するために1時間ほどかけていただけでこの汚れです.再オーバーホールした時と同様です.分解して清掃しました.
外側のパイプが根本で折れていました.何回も分解.清掃を繰り返していましたから,パイプに手が掛かって折れてしまったのでしょう.諸先輩のブログにも散見されていました.
キャブレターは触れないほど高温になるので,耐久温度の高いものを探しました.そこで,耐熱温度1,100度の耐火パテを選びました.
このパテはゴム状ではなく,セメントのような材質で,固まった状態は正にセメントのようでした.ガソリンが漏れないか心配で,しかも耐ガソリンなのか調べてみてもわかりませんでした.
よく考えたら,キャブレター用の液体パッキンで条件は揃っていたことを後で気づきました.
パイプの周りを包み込むようにパテを盛りました.念のため,反対側の根本も盛りました.
エンジン始動後は漏れは確認されなかったので,あとは耐久性の問題です.
清掃している間に,ここでひとつの疑問が浮かびました.なぜこんなに汚れるのだろうか?送られてくる燃料に問題があるのではないか?
燃料コック出口のフィルタを確認すると,そこにヒントがありました.
5リットルに満たない燃料を送っただけで,こんなに汚れていました.フィルタ下部に何かが溜まっています.下の写真は燃料を取付直後の状態です.
写真はとり忘れましたが,キャブレター大元のフィルタも同様に汚れていました.
キャブレターを組み直し,燃料の供給元である,燃料タンクを確認してみました.
まず,燃料を抜きます.
これはオイルではありません.ガソリンです.色が明らかに違います.そして,抜いたトレーの下に何かのカスが沈んでいます.
次に燃料コックを外します.リザーブ吸入口の根本にもカスが溜まっています.
コック内部にも溜まっています.
これで答えが出ました.
燃料タンク内が汚れている.
燃料タンクのサビ取りがうまくいかなかったということです.
燃料コック吸入口,燃料フィルタ,キャブレター入口の3重のフィルタををすり抜け,もっと細かいカスが通過していたということです.仮にフィルタで完全にろ過されたとしても,そのうちに詰まっていたでしょう.
今回は燃料をあまり入れなかったため,燃料コックを「リザーブ」の位置で燃料を送っていました.リザーブの吸入口は燃料タンクの最下部にあるため,沈澱していたカスと一緒にキャブレターに燃料を送っていたと思われます。そのため、エンジン不調になる時期が早まったと思われます.
もし,「ON」の位置で燃料を送っていたら,上澄みを吸い込むので,リザーブの時より症状が遅れて出てきたかもしれません.早く症状が出て良かったです.
ロングツーリング中にリザーブに切り替えていたら...考えるだけでぞっとします.
これでエンジン不調の原因はわかりました.
次回は燃料タンクの清掃です.