裸で抱き合っていて、初めて一緒になる前に、


「ねぇ、いつかBが私に『付き合って』ってコクってくれる日ってくるの?」


って。



「どう思う?」と笑いながら、


そう言った口唇を、僕の口唇で塞いでしまった。




ヌクモリ


最近感じていなかったものを目一杯抱きしめて


僕は幸せだった。




でも、それは当たり前だけど、


恋愛ではなく


次の日、バイバイすると、まるで夢のようで


誰もいない隣が、余計寂しくなった。




「私に彼氏できたら、B寂しい?」


「会えなくなったら、そりゃ寂しいよ。」


「うーん、彼氏できてもBとは会うけど。」




正直、付き合ってもいいかな、って思った。


可愛くて話も合って社交的で明るくて。


でも僕の心には「君」がこびりついている。



目の前の、誰かさんのように屈託のない笑顔を見ると、


心の中に「君」を残したまま


付き合おう、なんて卑怯なことは言えなかった。



「今ね、猛アタックを受けてるの」と言った。


それは別に僕と駆け引きをしようというのではなく、本当だろう。


君は可愛いし一緒にいて本当に楽しいし、


実際に僕といる間にメールや電話も沢山きていたし。



まぁそいつと遊ぶ約束をすっぽかして、僕と一晩いてくれたわけだけれども。



いつかその「猛アタックの彼」と付き合ってしまうのだろうか?


このままだといつか付き合ってしまうのだろう。




だけども


「僕と付き合って欲しい」と言えない僕に


「他の奴と付き合わないで欲しい」と言う権利はない。




僕は、何をしているのだろう。





恋愛したい


そう思うとできないね



いつもそうだ


彼女がいるとき

恋愛する気がないとき


のほうがモテる(苦笑)



ねー A


Aはいつでもモテるかわんわん

Aも落ち着いてきたみたいだし


二人で冬の街に繰りだそうかな



もう君と作ったクリスマスツリーも捨てたよ


二人で過ごしたクリスマス、楽しかったね


今年のクリスマス、君は他の奴と幸せに過ごすんだろう



僕も早く幸せにならなくっちゃ


今は誰かを愛したい 愛されたい



好きで好きで堪らなくって


僕の元を去っていった悔しさで


寝ても覚めても君のことを考えていて




でもある日決意した




連絡を絶って 考えないように努力して


もう忘れようって


だってあまりにも苦しいから




そうして解ったことは


時間は気持ちをすり減らすってこと





最初は考えないようにしていてもずっと目の前に浮かんできた君が


30分に一回になり 1時間に一回になり


3時間に一回になり 6時間に一回になり


1日に一回になり




だんだん君を愛しているという気持ちは


時間という砥石にすり減らされて小さくなっていき


最近はやっと独り身が寂しいと思うようになり


恋愛がしたいと思うようになった


やっと毎日が楽しいと感じられる日々に戻って


何かしていれば君のことを考えずにいられるようになった





だけど



やっぱり



心にこびり付いた好きだという気持ちが離れない




の「もう一度でいいから君に会いたい」という気持ち が凄く理解できる






会いたい




君を見たい




君に触れたい






でも連絡をとったらきっと僕の気持ちは


またグニャリと歪んでしまう


だからメールしない







でも でも 会いたいよ…








君と別れてからもうすぐ1年が経つんだね……


新しい恋をすれば好きだった人のことを忘れられるよ…

忘れるには新しい恋をするしかないよ…


その通りに僕は別の女性とお付き合いもした……

他の女性と広く浅くも遊でみた……


でも、結果どうだろう??


何をやるにも君と比べてしまう。


「あ~アイツだったらな……」

って。


そしていつも君が勝ってしまうんだ…


もしかしたら過去を美化するように
僕は君を美化しすぎているのかもしれない。

いや、きっとそうなのだろう。

そんなにいい女じゃなかったのかもしれない


それでもね


今、君は何をしているのだろう?


誰とお付き合いしているのだろう?


どんな笑顔をしているのだろう?


そうやって僕は君の事を思い出す。


君が僕に残していったものは妙なクセだけ……


たまに無意識でそのクセをしてしまっている自分がいる……



どうやったら僕は前に進めるのかな??


どうやったら君を忘れられるのかな??


1年という長い時間が経って、僕は何も成長していないのかもしれない…



もう1度だけ

もう1度だけでいい



君に会いたい。

「好き」という言葉に弱い。

君と付き合い始めたのも、君が僕にアタックしてくれたからだっけ。


どうでも良い子なら、気軽に遊べるんだろうけど、

僕のことを好きだと言ってくれている君に、当初、手を出す気は無かった。


大事な存在だとは思っていたけれど、付き合う気は無かった。

大事な存在だから、手を出しちゃいけないと思っていた。


でも、君の激しいアタックで、いつしか付き合うようになり、

いつしか、君に本気になっていた。


君と別れてから、他の人と、

唇を重ねて、

体を重ねて、

嘘を重ねて、

そうはしてみたものの、心ここにあらずの状態で。。。


そうしているうちに 僕のことを本気で「好き」だと言ってくれる人が現れた。

付き合う前の君を思い出す。

凄く僕に一生懸命になってくれて、その姿が眩しくて。


でも、僕の心はまだ君に縛られていて、

その人の気持ちに応えることはできなくて。


連絡を切ってしまった。ごめん。最低な男だね。

こうやって悲しい想いをさせるぐらいなら、最初から優しくしちゃいけなかったね。


前にオンナノコに言われた台詞を思い出す。

「誰にでも優しい優しさは、本当の優しさじゃないよ。」


君とはいつから連絡を取ってないっけ。

もう一ヶ月は経つよね。元気にしてるのかな?

メールをすれば、きっと返事は返してくれるだろう。

でも、そうはしない。


僕は歩き出さなくちゃいけないから。


でも、


捨てても捨てても部屋の片隅から出てくる君が買ったもの。

君と一緒に行った店から届くクーポンメール。

今でも駅で髪をくくってスーツを着た女の子の後ろ姿を見るとドキッとしてしまう自分。


何もかもが君を忘れるなと僕に言ってくるんだ。


ねぇ、どうすれば君を忘れられる?


君が別れ際に言ったセリフが頭の中でこだまする。

「次、誰かと付き合う時、B、きっと困るよ。

私程一生懸命してくれる女の子、いないと思うよ。」


ねぇ、どうすれば僕は幸せになれる?

ねぇ、どうすれば僕は新しい恋愛ができる?



嘘をつくのも、カッコをつけるのも、

好きでもないのに優しくするのも、

好きだって言ってくれる人を傷つけるのも、

どれももうしたくないんだ。。。

駄目だ 駄目だ



やっぱり会っちゃいけなかった




昨日も一緒にいた





映画を見た





二人で楽しい時間を過ごした後




君は同棲している男の家に帰った








こんなの幸せになれるわけがない












誰か僕を救って








誰か僕を叱って








誰か僕を止めて












自分が決意しなきゃイケナイのはわかってる









でも、このままじゃ、マズいよ。。。。。。。。
急に泣き出した君。

慌てる僕。


取りあえず頬を伝っている涙を指で拭った。


「どうしたの?」

できるだけニッコリとした顔で聞く僕。


「B、連絡取れないからさ。死んじゃったのかと思ってた。」


無言で手を伸ばして、君の髪を撫でる。


「だから、別れてから頑張ってくれてるみたいで凄い嬉しいの。」


そう言いながらポロポロ涙をこぼす君。



「ほら、泣かないで?ね?」


にっこりした顔でそうは言っているんだけど、

何故だか僕も泣いちゃいそうになって、

それを誤魔化す為に、君の肩を引き寄せた。



無抵抗のまま僕に寄りかかる君。




抱きしめながら君の髪を撫でる。



会うまでは二度と会いたくないって

本当に嫌いだって

そう思っていたはずなのに



無言で君の髪を撫で続ける僕。

無言で僕に寄りかかっている君。

僕の首筋に、君の涙が伝っていく。



ああ 僕は何をしているんだろう。

そんな疑問は君の涙と一緒にベットに落ちてシミに変わった。



そうして、手の力を緩め、ひっついていた頭と頭が離れる。



数センチ横に君の潤んだ目。

数センチ横に君の口唇。




重なる二つの口唇。

軽く触れる。


逃げない君。


次は長い長いキス。



5秒?


もっと



10秒?


もっと



30秒?


もっと



1分?


もっと





今までにあったこと、何もかもを忘れて

ただただ無心にキスを続けた。




続く… かも?
スタスタと部屋に向かい

キッチンや部屋の中を見て


「B、偉いね♪ちゃんと家事してるじゃん~」



そういえば君と付き合ってる時は頼りっきりだっけ。。。。



「うん、別れてからちゃんとしてるよ~」



そうして今まで付き合ってきた間、何度もそうしたように、
自然にベッドに腰掛ける



「あ~昨日彼女さん?きてたんだっけ。それで部屋綺麗なのかな?」

「彼女なんかそんなすぐ出来ませんから(苦笑)そんなモテへんし」


そういうと、またニパッと笑う君。



「そうなんだ~♪部屋ん中涼しい~生きかえる~」

「あ、ジュース飲む?」

「うん、お願い」


持って帰って貰おうと思っていたペットボトルを君に渡して、

僕は君の横に腰掛ける。

ペットボトルを飲んでいる横顔は、今までと何も変わらない可愛いままの君。

よくわからない感情が僕の胸をかき混ぜる。


「B、髪切ったん?」

その日僕は髪を切ってきた。

暑かったから切ろう、といいながらも、君に会うからだったのかもしれない。

「うん、暑かったからねーさっぱりしたよ」

「相変わらずBは可愛いねー、髪の毛、似合ってるよv」

そう言って僕の頭を撫でる君。

二つ上の君。

僕のことを子供扱いしながらも、僕に頼っていた君。

付き合ってた頃と変わらない仕草。二人の間。



会うまで悲しみや恨みに近い感情で、

固く冷たく凍っていた僕の心は、

いつの間にか…融解しはじめていた。




そうして、今日妹と行ってきた近所の祭りの話や、最近した転職先の仕事の話をしだす君。

僕は付き合ってた時みたいにウンウンと頷いて聞いている。


「で、Bは最近どうなの?元気してる?」

最近バイトを成果報酬にして貰って、まぁ普通のサラリーマンの手取り以上には稼げること。

昔からやりたかった夢への手続きをしたことなど。

君と別れてからこんなことがあって、こんな風に頑張ってるよ~って話をしたら、、、、




なぜか、急に君はポロポロと泣き始めた。



続く
「久しぶり、元気してた?」


久々のこの近い距離にドギマギしながらも、

相手のペースに巻き込まれないよう、あくまでも素っ気なく喋る僕。



「うん。元気だよ?Bも元気そうだね、よかった♪」

「ありがとう、暑い中ワザワザ」


「あれ、そう言えば妹さんは?」

「あー妹は連れてくる予定だったんだけど、学校のサークルで用事あるんだって」



何度か妹さんとも出かけたりしたことのある僕。

僕を慕ってくれていたから、きっと気を遣ってくれたのだろう。





鞄から小さな紙袋を出して

「これ、鍵とウィルだよ。中、大丈夫かな~見てみて」

と言いながら続ける君。



「いやー、でもBんち、本当涼しいね。外ちょー暑かったよ」

「汗だくだもんね?涼んでく?」



そんなこと言う気は無かったけど、

額に汗の玉を何個かくっつけている君を見ると、

そう言わずにはいられなかった。



すると、君はニパッっと笑顔になって


「うん、じゃあ少しお邪魔するね♪」

と言ってスタスタと部屋のほうに入っていった。


続く
僕の好きだった君は死んだ。

今日会う君は、同じ顔した別人の君。

僕の知らない君。


何度もそう心で繰り返してた。


ぷるるるる 君からの電話

「今最寄りの駅だから、今から行くね 買ってくものない?」

付き合ってた頃と同じトーンの君の声。

胸が苦しい。


でも、イメトレは頭の中で何度もした。

玄関のドアを開けると君と妹がいる。

鍵とウィルを受け取って、「ありがとう」

冷蔵庫から君のために買っておいたよく冷えたジュースを渡して、

「わざわざごめんね、暑かったでしょ?これ飲みながら帰って。

気をつけてね(^^)元気でね」って。

ニコって笑いながら。


何度も何度もこのシーンを頭の中で繰り返した。




ピンポーン

そうしてドアを開けると、

立っていたのは君一人で、

「あー、虫が入っちゃうよ」と、サッと中に入ってドアを閉める君。

狭い玄関に二人。

二人の間は数センチ…


続く。