コロナの規制が解除され、日常が戻ってきたGW。
全国各地、にぎわったようです。
GWの最後が母の日。
母の日=カーネーション=定番
あたりまえの日常を過ごせる幸せ。
定番のカーネーション。
データがある2009年以降最高値を更新(日本農業新聞2022年5月4日)。
俺の農業新聞さんFBより引用
最高値の原因
①日常が戻り、需要が増えた
②もともと国内生産は減りつづけ、入荷が減っている
③もっとも早い母の日に、燃油高騰による暖房不足で開花ピークが間に合わなかった
④シェア6割を超える輸入がロシアのウクライナ侵攻で入荷が不安定との情報
図1 2022年カーネーション類の市場価格を過去5年平均と比較
2022年母の日は超高値でしたが、母の日後はどこまで下がるのでしょうか
(日本農業新聞アグリネット市況 全国主要7卸売業者)
欠品が心配された輸入カーネーション。
やはりというか、案の定というか、さすがというか・・
ふたを開けてみれば、一部で欠品がでたが、前年並みあるいは前年以上の入荷量があったとか。
儲けどころははずさない。
輸入のおかげで、全体の入荷量は例年並み。
国産が減っても輸入でカバーできたということのようです。
これから、さまざまな情報が集められ、母の日商戦が総括されるでしょう。
今回のお題は、記録的高値でうれしくもあり、悩ましくもある国内カーネーション生産について、前々回につづいて考えます。
2022年4月24日「母の日のカーネーション生産者、うれしくもあり悩ましくもあり」
https://ameblo.jp/awaji-u/entry-12739130473.html
①母の日最高値更新で国産カーネーション生産は増えるのか?
国産カーネーションは1995年から一貫して減りつづけています(図2)。
昨年からの高値で下げ止まり、増加に転じるのでしょうか?
減少は止まるでしょうが、増加までは「?」です。
国産(緑):農林水産統計花き編、2021年はまだ公表されていないので市場入荷量から宇田が推定
輸入(ピンク):植物検疫統計
それは、構造的な問題が解決できていないからです。
カーネーション生産の構造的問題
・カーネーションは周年生産ですが、労働の繁閑差が大きい。
そのため、周年雇用がむずかしい→規模拡大が制約
・栽培技術がマニュアル化しにくい→経営主の労働負担が大きい。
・生産者間の価格差が小さく、経営のおもしろみに欠ける→他分野の生産者や新規就農者の参入がすくない
・70年代、80年代に建設したガラス温室の老朽化→多大な費用がかかる改築よりも深手を負わないうちのリタイアを選ぶ
しかし、高値がつづく市況で、
・後継者がいない高齢生産者のリタイアを先のばしができる
・ほかの花への転作が減り、カーネーション回帰
・元気な後継者による規模拡大
・国産減少で貴重品化、一部の生産者、産地のブランド化による増産
という理由で、下げ止まるでしょうが、増えても微増。
②生産者が目指すのは母の日の超高値よりも平均単価のアップ
母の日は槍の穂先相場(図1)。
山高ければ谷深し。
母の日まえには年間最高値がでるが、母の日後には年間最安値。
しかも、2022年はもっとも早い母の日、
花屋さんがしばらくはカーネーションを見たくもないという母の日後の安値相場が長い。
高値は瞬間風速、安値は偏西風=強弱はあるがいつも吹いている。
今年は、コロナ禍で控えていたブライダルやイベントが一気に復活する需要増で、母の日後も洋花の高値が期待できそうですが・・。
カーネーション生産者が目指すべきは、平均単価のアップと収量増(出荷増)。
③母の日のプレゼントに花を買う子供たちのことを考えると・・
カーネーション生産者には、
「100円玉を握りしめた小さい子が、1本のカーネーションも買えなかった伝説」が刷りこまれています。
母の日しか花を買わない消費者が大勢いる。
母の日しか花屋さんに行かない消費者が大勢いる。
そんな消費者や子どもたちに、花は高いという印象を持たれたくない。
母の日をきっかけに、ヘビーユーザーになってもらいたい。
それは生産者も花屋さんもおなじ願い。
幸い、花店の業態はさまざま。
経営方針もさまざま。
高級感がウリの老舗花店がある一方で、
「良い品を安く」のスーパー、ホームセンターもある。
田舎には、日比谷花壇も青山フラワーマーケットもない。
花を買う選択肢が限られる。
地元の花屋は、クルマで30分走らないと行けない。
ふだん、花を目にするのはスーパーかホームセンター。
いちばん母の日をPRしているのもスーパー、ホームセンター。
わが家の母の日、ここ数年はポットあじさいでした。
花が終わったあとは地植えして、毎年楽しんでいます。
今年は定番回帰、
イオンで久しぶりのポットカーネーション。
もちろん、定番の赤。
サカタのタネの新品種「感謝の気持ち」。
品種名にもひかれました。
5寸で1,980円(税込2,178円)。
株はり、草姿、花、蕾の数などかなりの品質。
日持ちなどは後日報告します。
画像 今年のわが家の母の日は定番ポットカーネーションの赤5寸
イオンで1,980円(税込2,178円)
チラシをじっくりチェックしていたら、淡路島産カーネーション2本束398円(税込437円)。
画像 イオン洲本店 母の日のチラシ(2022年5月7日)
画像 淡路島産赤STカーネーション2本束398円(税込437円)
切り花長60cm
母の日価格?平日なら298円?
気になるのが、スリーブに貼ってあるシール
「FLOWERS AWAJI 淡路島の花」。
色があせてしまって字がよく読めない。
はるか昔になにかの事業で大量につくったシールらしい。
補助事業シールの在庫一掃?
PRとしては「?」。
色があせて字が読めない
おなじイオン系列のマルナカのチラシ。
「香花園のカーネーション&かすみ草セット」
1束298円(税込327円)。
画像 マルナカ母の日のチラシ(2022年5月7日)
香花園のカーネーション&かすみ草セットが298円(税込327円)
ふつうのお客にはわからないが、香花園は業界では超ブランド。
カーネーション王子、香川県香花園、
母の日にマルナカで買える幸せ。
スプレーカーネーションはハイクオリティ。
クリザール小袋つき。
カスミソウは花束加工場で加えたものでしょう。
画像 香花園を表示して母の日のカーネーションを販売(マルナカ洲本店2022年5月7日)
画像 香花園のカーネーション
孫芽をとり4輪開花、上品な草姿
いまは生産も販売も多様性の時代。
高級品からカジュアルまで(最近ではロスフラワーも)、目的、予算に応じて選ぶことができる。
母の日もしかり。
仕入れ値高騰ですが、
花屋さんは、
お母さんにプレゼントする小さな子どもたちが、
お小遣いで買えるよう工夫をこらしています。
花屋さんでは、「遅れてごめんね」、「母の月」販売がつづきます。
今回も長文駄文でした。
宇田明の『もう少しだけ言います』(No.325 2022.5.8)
2015年以前のブログは
(http://ameblo.jp/udaakira)でご覧頂けでます