反対のヒトも賛成のヒトもTNRを知ってください。あるボランティアさん達の実話です | 一般社団法人エイベットavetのブログ

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一般社団法人エイベットのブログです。

おはようございます~! エイベット碓井です。

 

 

お盆休みは今日まで、私は明日から仕事です。

今日は命の大切さを考える一日ですね。

 

どうしても書かなくちゃいけないお話、書きたいお話し。

このタイミングで、皆さんに読んでいただきたいお話を書かせていただきます。

 

 

 

皆さんこの5月半ばから今までの3ヶ月間

エイベットのブログを見ていて、仔猫や猫が本当に沢山いるのだな~と思いませんでしたか?

 

この夏は本当に沢山の里親募集支援以来を頂いて、

今も既に掲載待ちの猫さんが15組待っています。\(゜□゜)/

 

そしてまだおうちが決まっていない猫さんや、トライアルから戻ってきた子もいます。

 

猫さんが多すぎる・・。

 

困っている現場が沢山あって多頭飼育も沢山あって

ボランティアさんが本当に助けたい!と願う猫さんは沢山沢山いて

 

この状態を解決していくには、やっぱりTNRを優先しなくてはいけないと思います。

 

こういう事を書くと、

 

猫が大好きなヒトから「可哀想!」というお言葉を頂くこともあり

猫が大嫌いなヒトから「そんなの殺処分すればいい!」というお言葉を頂くこともあります。

 

 

けれど、エイベットでは

猫をキライなヒトにとっても好きなヒトにとっても 

今の段階では、TNRこそがより良い解決法だとご提案しています。

 

エイベットで製作しているTNR啓蒙用のパンフレット

 

表側は猫を好きなヒトに向けての

 

 

裏側は猫さんを嫌いなヒトに向けての

 

 

中身はどちらから読んでも同じ

解決はTNRをすみやかに進めることだとご提案しています。

 

 

TNRって踏み出すにはとても難しいボランティアだと思います。

けれど、1人でも多くの方にTNRを知っていただくこと

そして何かひとつでも、踏み出してもらえることを願って今日の記事を書きます。

 

 

 

 

大阪府内で実際に起こったお話です。

ボランティアさんより、エイベットブログに書いて欲しいとご依頼を頂きました。

TNRの現場の実情、現実、ありのままお話させてください。

 

少し長くなりますが

多くの皆さんに読んで頂ければ嬉しいです。

 

 

4月の10日頃

 

まだ新しい場所にお引越しする前のエイベットに一通のメールが届きました。

 

「近所の不法投棄場に野良猫さんが沢山いて、仔猫も沢山産まれて可哀想なので何とかしたい」と。

 

メールを下さった方は妊婦さんで、もうすぐ赤ちゃんが生まれることもあり

自分では動けないけれど何とかしたいというご連絡でした。

 

実はエイベットには同様のご相談が沢山きます。

 

エイベットで出来ることは、

保護動物、もしくは野良猫さんへの医療支援、

そして保護された動物の里親探し支援

 

この2つです。

つまりは・・

 

野良猫さんを捕獲して連れてきてくださるなら、手術は出来ます。

ただし、医療支援しているとはいえ、無料ではないし

頭数が多ければお金もかかります。

 

 

捕獲を手伝ってくださるボランティア団体さんをご紹介することも出来るけれど

やはり手術のお費用や、医療費全般を誰が負担するかの問題があります。

 

私はいつもと同じようにそのままを率直にお返事しました。

 

そこでお返事がなくなる事もあれば、

「じゃあ自分で頑張ります!」と手術に来られる人もいます。

「じゃあ保健所に連れていくわ!」と恫喝されることもあります。

 

ところが、このご相談者様は、

エイベット以外にもあちこちのボランティア団体さんに声をかけておられて

 

 

エイベットとお付き合いの深い、<松原の猫を救う会>さんにも

そして大阪で活躍されている<キャットソシオン>さんにも同様のご相談が来ているとなり

 

<キャットソシオン>さんが中心となって

あっという間にお話が進んでいきました。

 

 

松原の猫を救う会さんと、エイベットとつながりの深い個人ボランティアさんが

現場視察にいき、早速捕獲が開始されました。

 

手術代金はどうぶつ基金のチケットを使うことになり、

不足分はキャットソシオンさんがご負担してくださることになったのです。

 

 

 

その現場は・・本当にゴミ捨て場だったのです・・。

 

 

 

 

 

「こっち見るニャ~・・・」

 

 

 

 

明らかな妊婦さんもおられます

 

 

ここには餌やりさんはいるけれど、TNRするボランティアさんはいなくて

メインで餌やりをしている方は在日南米の方で、TNRに理解がある方でした。

(これがこの現場の大きな救いだったと思います)

 

他にも不特定多数の餌やりさんがいるようでしたが

TNRという発想はなかったようで、産まれてはなくなっていく命を

長い間見守ってきている という現場でした。

 

ボランティアさんが現場の頭数を確認するために、ご飯を置くと

 

20頭くらいの猫さんが集まってきました。

ゴミの中にみんな住んでいるのです。

 

もう一か所には10頭くらいの猫さんがいました。

 

TNRは、素早く、全頭に手術をすると、効果があると言われています。

とにかく時間がない、お腹の大きな妊婦猫さんやメス猫さんをまずは自費で手術されました。

 

その数14頭。

 

残りの15頭はどうぶつ基金さんの無料チケットを使っての手術となりました。

 

 

餌やりさんのお話しでは、毎年毎年沢山産まれては

カラスやたぬきの餌食になったり交通事故や病気で命を落としてしまってきた・・。

生命力の強い子だけが生き残ってきた現場です。

 

 

今回の手術で、妊娠猫さんは8頭でした。

 

そしてもちろん産後の猫さんもいました。

 

 

 

 

3匹の産後猫がいて、授乳中であることもわかりました。

 

しばらく過ぎた頃に仔猫が姿を現しました。

(仔猫はキャットソシオンさんで保護されて里親を見つけることに決まっていました)

 

仔猫を保護して一週間後、 母猫が交通事故で亡くなっているのを見つけました。

 

母猫を追いかけて道路に出てしまう仔猫達もいました。

 

 

目ヤニで目が開かず、動けなくてうずくまっているだけの仔猫もいました。



別の母猫は、まだ状態が良くない小さな仔猫をボランティアさんの前に連れてきました。

その仔猫達は、きっと自力では生きていけないくらいに成長状態が悪くて・・

母猫は、ボランティアさん達にその命を託したのだと思います。




全頭保護できましたが、ハジラミにたかられ、
真菌がひどく、体重もなかなか増えず、譲渡できる状態になるまで2ヶ月もかかりました。



TNRが全て完了して、猫さん達は穏やかに暮らしています。

松原の猫を救う会の皆さんで、未手術の新しい猫が捨てられないか

そしてみんな元気でいるか見守らています。

 

もちろん、不法投棄の現場ですから猫さん達の生活は過酷には違いありません。

 

野良猫さんの平均寿命は3~5年と言われています。

 

この現場を見守り続けていけば

5年後には殆どの猫さんがいなくなっていくはずです。

 

 

 

ボランティアさんからのメールの一文をそのまま掲載します

~~~~~

外で生きていくのは過酷です。
ましてや子育てとなるとたくさんの命が無残に死んでいくのが現状です。
実際に現場にいると交通事故死が多く、現場の猫を見るのはとてもつらいです。
それでもTNRしてもらえ、見守りをして貰える恵まれた現場だと思います。
助けたいという相談者さんのおかげですね。

やはり外猫には、TNRをすすめること、それしかないです。
多くの方に知っていただきたいと思います。
みんな身近にこういうことがあってもTNRなど対処できる人はまだまだ少ないです。
今回は相談者が一般の方で、すべてをボランティアでしましたが、

いずれ地域のことは地域の人が自分たちで解決できるようになってほしいと思っています。
ボランティアだけではまかないきれません。
ここは住民の嫌がらせもない唯一、TNRのモデルの様な現場に成りました。

~~~~~

 

 

色々な団体さんに連絡してくださった1人の相談者さん

それに応えて動いてくださった松原猫の会さん、個人ボラさん、

そして仔猫の保護とお費用の捻出をしてくださったキャットソシオンさんのおかげで

この現場には未来が見えました。

 

 

 

私は猫が大好きですが

それでも野良猫さんを減らしていくことが大切だと思っています。

同時に捨猫さんも減らすこと、完全室内飼育も推進すること

とにかく猫好きさんも猫嫌いさんもまずは野良猫さんを減らすことを考えませんか。

 

殺処分もTNRも人間の勝手で行っていることで

猫さんにとってみれば迷惑なことなのだと思います。

 

綺麗事を言うつもりはありません。

TNRの方が絶対いいのだ!というのも

反対の考え方のヒトからすればただの押し付けですよね。

 

でも、今の現状ではやっぱりTNRをと願いますし

殺処分や事故死、病死、虐待死よりはTNRをと望みます。

 

 



過酷な環境で生きなければならない命の絶対数を減らしていく

そして、産まれ来る可愛い命たちの誕生をみんなが心から喜べるような

 

そんな未来の為に頑張っているボランティアさんは沢山います。

 

TNRボランティアはハードルが高いと感じるかも知れませんが

その大変さはみんなで少しずつ分け合っていくことが出来ると思います。

TNRボランティアさんが望むことは

まず、TNRを多くの人が理解してくださるということです。

今日の記事が、自分に出来ることを真剣に考えてみてくださるような

きっかけになればいいなと思います。

 

 

 

猫が好きなヒトも

 

猫が嫌いなヒトも

 

 

 

この現場で保護された仔猫さんがあと2にゃん残っておられるそうです。

 

近いうちにその2にゃんのおうち探しの記事も掲載したいと思います。

 

 

私は、エイベットのブログを書く時に

出来るだけ明るく、そして楽しくをいつも心がけています。

 

けれど、現場は明るく楽しい事なんて実はとても少なくて

沢山のボランティアさんが全国で必死で頑張っておられます。

 

猫さんの為に命に向き合って頑張っていても

変な目で見られることも沢山あるし

 

心ない言葉で責められることもあります。

 

昨日の記事の天美ロータリーのお話も

理解を得ることは本当に難しかった現場のひとつです。

 

TNRボランティアさんは、損得勘定抜きで

ただ猫さんが悪者にならないように、そして悲しい命を減らしていく為に活動しています。

 

 

そういうボランティアさんを支援してくださることも

大きなボランティア活動であることを知って欲しいのです。

 

 

 

最後までお読みくださって本当にありがとうございました!

ほんっとうに長かったですよね。:゚(。ノω\。)゚・。 

 

 

今まで知らなかったな~という人はまだまだたくさんいます。

 

1人でも多くのヒトに伝わるといいなと思います。

 

 

エイベットのお盆休みは今日までです!

2017年後半、もっと多くの猫さんの役に立てるように頑張りますね。

 

応援してくださっている皆様

そして、今回この記事を書かせてくださったボランティアさん皆様

 

本当にいつもありがとうございます!

 

実り多い一日になりますように♪

 

 

 

 

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エイベットは大阪府松原市を拠点に、獣医師が中心となって活動している団体です

 

*獣医師への啓発、教育活動
*保護動物への医療支援活動(ワクチンや、避妊去勢手術を支援価格でご提供)
*里親探しのお手伝い
*TNR活動支援として、捕獲器の貸し出し、避妊去勢手術支援

等、様々な活動を行っております。

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sokosta@avet-m.osaka.jp

エイベット 相談窓口 担当者 碓井(うすい)

 

*ずっとのおうち活動につきましては、全て代理募集となっておりますので

 保護主さんと里親さんのご縁を繋ぐのがエイベットの役割です。