「美味しい!」という評価 (東京不味いもの巡り) | シェフの落書きノート

シェフの落書きノート

西新宿 イタリア料理 / ワイン
aura cucina italiana

美味しさがつまっている食材、素材を探して料理する。
 
お店に訪れてくれたほとんどのお客様から
「美味しい!」
…というお言葉をいただく。
「ありがとうございます」
このお礼の言葉いがい思いつかない。
 
美味しいと言っているのに素っ気ない。
そう言われることもある。
 
美味しいものを作るということは、プロとして最低限の当たり前のことをやっているだけなので…
申し訳ありませんが、お褒めのお言葉を頂く度に一喜一憂できるほどの演技力がないのです。
愛嬌の良い満面の笑顔で応対できる可愛い女性スタッフを募集しているけれど…
ストライクがなかなか来ないのです (+o+)
 
自分が選んだ素材の旨味を損なわず料理しようと…。
もし、失敗したら作り直す。
美味しい素材を不味くしてお客様に食べさせて、お金を頂戴したとなると…
んん~ やばいよね?
その素材は、夢の中で化けてでてくるような気さえする(笑)
 
ともあれ…
美味しいお店を探して街を歩くことがよくあるけれど…
美味しくない料理をだしているお店は、東京には本当に多い。
味が濃すぎて、なんの素材を使っていても素材の味なんてほとんど無かったり(笑)
なんで飲食店やってるんだろ?
これ本当に美味しいと思ってだしてるの?
そう思うけれど…
たぶん聞いたところで納得がいく答えなんか帰ってこないだろうから、聞きません。
 
しかし、そんなお店の店前にはお客は並び、私の周りのお客さんはすべて完食!
「なんでこれを食べれるの? 病院行って精密検査を受けたほう良いよ? これ食べれるって、たぶん病気…」
…と満足げな表情の人々に言いたくなるが、言いません。
たぶん、すごく幸せな人生を送っている人たちなのだろう。
これを完食できるって、食中毒にあたらないかぎり、食事をする度に幸福感でいっぱいになれる人達なのだと理解した。
 
しかし、そんな幸せも束の間のお話し…
こんなに塩分とってたら、高血圧、腎臓障害、心臓病のリスクからは逃れられませんよね?
塩分8%の梅干しよりも塩辛い(笑) 
恐らく塩分を取りすぎている人は、簡単に1日の塩分摂取量を下げるなんてことは難しいはず。
なので病気が発症すれば、あとの人生は病気との戦いで苦しい毎日が待っていることでしょう。
今のうちに塩と脂、添加物でごまかした一見 コスパも良く、美味しそうに見えるお食事を存分にお楽しみあれ!
病気になったら、命と引き換えに食べ続けるか、こういうお食事は一切食べることができなくなるかのどちらかです。
 
そんな人たちのお食事時の風景は…
ライオンが1週間ぶりに獲物にありついたかのようにバクバク…無我夢中で食らっている。
はたで見ている私は、なんて幸せそうなんだろう~♪ 
…と羨ましがるばかりなのです。
だって、こんな不味いの食えないもん (+o+)
そんな人たちの表情は、うちのお客様が帰られる時よりも充実感いっぱいな表情をしているように見えるから不思議(笑)
 
そこへいくと俺は、不幸の連続だ… (´;ω;`)ウゥゥ
美味しいお店はないかと探して、ここはと思うお店で食べているのに不味いものばかりと遭遇…
だいたいテレビとかネットとかの情報ほどあてにならないものはない!
ほとんどがガセネタ、詐欺情報の類である。
テレビとかは、視聴率ほしさに話題性とか注目度的なものを重視して番組を作るので、味などはどうでも良いこと。
とにかく数字が少しでも取れれば万々歳(笑)
希にまあまあなお店もあるけれど...
その情報に責任感など微塵も持ち合わせてはいない、食ルポやるタレントさんは馬鹿舌の持ち主か演技力ある人かのどちらかだと思われる。

初めて訪れるお店(高級店以外)は、たいていひとりで行くことにしている。
とりあえずシェフと一緒に食事するというだけで期待感をもたれても困るから。

ひと口、ふた口… 口にして
「ダメだ無理!」と思った瞬間、伝票を持ってレジにいき、店を後にすることは良くある話。

こういう行動を即座にとれるのもひとりだから、気持ちの赴くままに…(笑)

誰かと一緒だったら…

「えっ!? ほとんど食べてないのに出るの?お店の人に悪いじゃん」

…とか。

もったいないとか…。

たいていの場合、面倒くさいシナリオに突入することになる。

変なところに気を遣う日本人の悪い癖、悪いのはお店の人じゃん(笑)

こんな不味いの平気でだしてくるその神経と心の無さ!

そう思いませんか?

なんの文句もいわず、お金をちゃんと支払って帰るのだから…

もし、なにか聞かれたら、スマホを取り出して…

「ごめんなさい。緊急事態が起きたみたいで行かないと…」

…とか言えばよい話。

自分たちが提供しているものには、普通は自信をもってだしているわけだから、そこにケチをつけてどうするの?

これを「最高に美味しい!」という人もいるかもしれないし…。

なので何も言わず、黙ってお金を払って、一目散に次の店を探すことになる。


不味いと思ったら、食べてはダメ!
味覚が壊れて舌が馬鹿になってしまいます。

繊細な味覚を取り戻すには大変な時間とお金がかかります (・・;)
美味しくはないけれど、不味くもないお店に入ったとしたら、そんなお店は当たりの部類で一安心 (*^^*)  (笑)
今や味音痴の人たちこそが「神が授けてくれた幸せになれる舌」をもった福を背負った人々なのだと最近は思うようになりました。
味が薄く塩分濃度が低いもの以外は、何を食べても美味しく感じるなんて、この上のない幸せ者です  (*^^*)
 
昔の東京の飲食店は、美味しいお店が多かった。
しかも手ごろな価格でも十分に楽しめた気がする。
特に昔の渋谷は、センター街にさえ安くて美味しいお店がここかしこにあった気がする。
天丼屋さんやお好み焼き屋…
 
今は、地方に行ったほうが沢山の美味しいお店と出会える確率が高いと思う。
福岡、熊本、大阪、札幌、金沢、輪島、広島…他にも… 
行ったことはないけれど、食べるためだけにでも訪れたい所は沢山あります (*^^*)
九州の甘いお味噌汁は馴染めなかったけれど、だいたい何を食べても美味しい。
 
この前、関西から出張で来られた方が呟いた。
「東京は、値段ばかりが一丁前で味も何もたいしたことないお店がぎょうさんありますなぁ~」
「あぁ~ 良かった。やっと当たりをひきましたわ。また、東京に来た時には寄らせてもらいます」
そう言って満面の笑顔で帰られた。
 
お褒めのお言葉をいただいたはずなのに…
なんだか気分的には微妙…
 
つい最近、無性に肉が食べたくなって
今流行りの「い○なりステーキ」東中野店に行ってきた。
USのアンガス牛300g レア ライスを付けて約2940円くらいだったかな
「ん?こんなもんなの? これで売れるの? マジで?」
…と疑問符。
スーパーでオーストラリアのアンガス牛300g 約1000円を買ってきてフライパンで焼いて食べてみたら、作ったほうがはるかに美味かった(笑)
アウラのお肉用のソースを少しかけたけれど…(^^;)
肉質的には、USのほうが上のはず…。
ステーキ肉を美味しく焼くことなんて、少し教えれば誰にも出来ることだと思うのだけれど…。
あの程度であんなにお客が入るなら、儲かるよなぁ~♪
コスパが良いわけでもなく、別に美味しくもないわけだから、スタッフ教育にもお金がかかっていない。だいたい人が集まるところにあるようなので家賃は高そうですけど…(笑)
回転率あげたいんです。食べ終わったら、早く帰ってくださいね~♪
…と言わんばかりのお店のつくり。
立ち食い専門の店舗まであるチェーン店。
因みに指しが入っていない赤身の牛肉なら、300gくらいなら食べられる。
 
最近、ものすごい矛盾に気がついた!
健康食品ブームやら美容やら、ダイエットだの健康主義的なものが注目されて、一大産業になっているのに…
味がわからない味音痴、塩分取りすぎの人たちが増えて、塩分や添加物満載の飲食店も同時に流行るのか!?
相反すると思うのだけれど…
食料受給率40%弱、食料廃棄率 世界ナンバーワン! のこの国で.…
自分の命や健康をかえりみない味音痴の人々は、健康食品やサプリなども同時にとって、安心と気休めを一先ず買って、食料廃棄率を下げることに大きく貢献している貴重な人々なのかもしれない。

痛烈にひとこと言わせてもらいます。
基本、基礎的な食事が一番大切で、根本が壊れていたなら、サプリや健康食品で補おうとしても気休めにしかならず、お金の無駄。
できるかぎり、味の濃いものは避けてバランスを考えれば、味覚も血糖値も正常に戻ってきます。
極端な糖質制限は、その人の食習慣にストレスがかかるので、一気にやっては逆効果。
塩分摂取量を徐々にさげて、アルコールを飲まない日を少し増やすだけで体は快活になっていくはずです。

 
「東京は本当に食の都!どこのお店に入っても美味しいですね!」
そう言われることは、たぶん永遠にやってこないだろうなぁ~ ( ̄0 ̄;

ひとり一回の食事で数万円を使えば、味やサービスもろもろと満足できるお店はたくさんあるけれど、そんなの当たり前すぎて、もしも美味しくなかったら詐欺 (笑)
数万円を払って、そこそこだったなら...
コスパ、誠意、腕と心がない大事故に遭遇したと諦めるしかないのだろう。
 
美味しいと感じることは、明日への生きる活力につながる。
疲れた体と心を癒して、力を呼び戻す。
 
普段使いの美味しいお店が増えることを祈るのみ!