前回は過去形から現在完了形の文のニュアンス説明をしました。


その例文に出てきた単語で思い出した話を少々。


皆さん、「ジャングル・ブック」ってご存知ですか?ご覧になったことありますか?


↑Wikipedia の「ジャングル・ブック」のページからのスクショ


私はディズニーの劇場アニメ版を子供の頃観ました。


あー。

本当はYoutubeから公式の動画引っ張ってきて貼ろうと思ったのですが。


やめます(FREE PALESTINE. STOP GENOCIDE)

気になる方は jungle book で検索してみてください。


実にあの物語には沢山のヒンディー単語の名前の登場「動物」が出てきます。


黒豹の長老・アキーラ。英語表記はakelaなので本当は「アキーラ」ではなく「アケーラー」。そう、akēlā(独りぼっち)です。


クマのバルー(bHālū: 熊。熊をrīcH とも言う)


黒豹のバギーラ(bagHīra)

wikiの説明によると、「バギーラ」は近年ではベンガルトラを指すそうですが…どうもヒンディーでもウルドゥーでもないようです。まぁまぁ。

噂によると、パンシャービー(パンジャーブ語)でハイエナのような動物を指すらしいです(未確認情報)。


トラのシア・カーン…多分日本語訳した時に英語(sher khan)から誤表記したのだと思います。ウィキにはヒンディーで shēr khān(シェール・カーン)とあります。


シェールは「トラ」、カーンまたはハーンはパシュトゥーン族で有名な苗字です。wiki では「シェール・カーン」を TIGER KING と書いていました。確かに元々君主に付ける称号だったものが苗字になったものです。


ヒンディー映画の「三大カーン」のカーンはこれですし

↑Wikipediaの Khans of bollywood のスクショ


その三大カーンの一人であるシャー・ルク・カーン主演の「マイ・ネーム・イズ・ハーン」の「ハーン」もこれです。

(あ、熱量高過ぎ…)

↑Youtubeにある予告編

ヘビのカー。私は khā(カー: 「食え」)だと思っていたのですが、英語のスペルは kaa だそうです。


ぐぬぬ、由来が知りたい。メインキャラにテキトーに「カー」なんて付けたとは思えないんですよね…


象のハティ少佐。hātHī(ハーティー)は「ゾウ」です。まさに。


以上、Wikipedia日本語版の「ジャングル・ブック」の項目に載っていた登場動物達の名前でした。


私、子供の頃父と観に行った時買ってもらった当時のパンフレットを持っていたんです。今手元になくて登場動物を思い出せなくて wiki を参考にしたのですが…


もう少し「それっぽい」名前のキャラがいたような気がするんですけどね…


あ、いました。

ハゲタカ?のような大きな羽と長い首・長い足を持つ鳥が数羽(3羽?)登場するのですが、その中の1羽の名前が chīl(チール)。タカ(kite bird)です。

何故ハゲタカの名前がチール?と思ったのですが…


ディズニーの劇場版アニメ(1967)と劇場版実写映画(2014)ではチールの見た目はハゲタカのようですが、原作には kite bird(タカ)とあり、他のアニメ版の容姿も足と首が短いタカのようです。

ディズニーよ、何がどうしたんだ?


モーグリーがサルの集団に遭遇しますが、そのサルの集団の名称が「バンダル・ローグ」。

bandar はサル。

lōg は「人々」という意味です。


本来ウルドゥー・ ヒンディーでは人間以外に lōg は使わないのですが、この「バンダル・ローグ」で「サルの人々」=「サル集団」という意味を持たせたのでしょう。


因みにウィキペディア等には主人公の「モーグリー(mougli)はヒンディー語で「カエル」の意味だとありますが、モーグリーという名はあくまで作者が創り出した名前で、作中で bold(大胆な、果敢な)という意味だ、と説明しています。なのでヒンディー語等を探してもこのような単語は出てきません。


ということで。何が言いたかったかというと…


ジャングル・ブックに登場するアケーラー(akēlā)は「一人(で、の)」「独りぼっち(で、の)」という意味で、他の多くの登場動物の名前にもヒンディー・ウルドゥーの単語が隠れていますウインクウインクウインク


ウルドゥーとイラストのLINEスタンプ作りました