悪質なケーブル商法 - オーディオショップ編 ~ 嘘と誇張にまみれた世界 | オーディオ 斬る!!

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さぁケーブルエトセトラ、略してケトラも第5弾。いよいよ佳境を迎えまして、「悪質なケーブル商法 - オーディオショップ編~嘘と誇張にまみれた世界」と挑発的なお題目で展開して参りますよ。

最初にこの「ケトラ」シリーズのスタンスと、私の現時点の胸の内を明確にしておきます。

■ケーブルによって音声データ(周波数特性や音圧、音質等)は変化するとは思うが、私には聴き分けが出来なかった。
■変わる派、変わらない派のどちらかを非難、もしくは擁護するものではない。
■聴き分けが出来る人もいると思うが、聴き分け出来ない人も多数いるはず。
■聴き分けが出来ると言っている人、激変!と言ってる人の中にも実は聴き分けが出来ていない、もしくは嘘を付いている人がいるのでは?との疑念を持っている。
■私自身は現時点で私が所有する機材、ケーブル類では明確な変化は感じられないが、今後も趣味の一環でケーブルは購入すると思うし、聴き分けができるようになりたいと思っている。
■とは言うものの「うむ・・・低音の締りが良くなったし、見通しも良くなった・・・・気がする」的なプラシボか何かな感じは持っている。
■結論、突っ込むとこは突っ込むが、ケーブルは節度と余裕を持って大人の遊びと割り切って遊ぶのもいいぜ?

といったところです。


さぁ、早速本題です。今回は「悪質なケーブル商法 - オーディオショップ編~嘘と誇張にまみれた世界」ですね。
ああ、悪質ってのは言いすぎですね今回は。「悪質と思う人もいるかもしれない」程度にしておきましょうか。

ケーブル関連に足を突っ込むと何らかの形で目にしたり、関わったりするショップが複数出てくると思います。
前回のヤフオク編と違い今回はズバリ店名も言うわよ
●プロケーブル
●オーディオケーブル市場
●逸品館
●アコースティックリヴァイブ
この辺りはいろいろな意味で有名店であり、また過激な一面を持ったお店です。
上2つのプロケと市場は「プロが使っている業務用のケーブルこそ最強!高価な市販ケーブルは悪質なボッタクリ!」的なスタンスでベルデンやゴッサム等の安価な業務用ケーブル(業務用って言うかなんというかですが・・・)を推すお店ですね。
逸品館は大阪の有名ショップで幅広いラインナップの製品を販売するとともに自社製のオーディオ機器やケーブル等の付属製品を製造販売することでも知られています。
アコリバは関口機械販売株式会社の自社ブランドで、自社製品である高価なケーブルや電源関連製品を扱うところですね。
他にも幾つかケーブル関連で出てくるお店や社名はあるでしょうが、強烈さで言えば上記4つで大体OKだと思いますw

こういったショップ(アコリバとかショップっていうかブランドっていうかですが、面倒なのでまとめてショップと書きます)は必ず自社で扱う製品を褒めます。
いや、それは当たり前ですね。
自社のケーブルが最高と言います。激変といいます。
そして他社の製品を密かにだったり、普通に表立ったりしながらこきおろします。

例えば逸品館は過去に、アコリバ自慢のPCOCC-A単線かつ信号ライン電源ラインを分けたUSBケーブルを「音は少し細かい。低音が薄く、相対的に高音が強い。聞き疲れる感じがある。音質もStirlightに及ばない。お薦め度:☆」
とこきおろしました。上位版も☆2つでしたね。
(他のアコリバ製品はおすすめしたり褒めたりしてますけどね。)

対するアコリバも名前こそ明記しませんでしたが、「某大阪のインチキショップ」として「ジャンパーケーブル使用は低音質、バイワイヤが高音質!」とし「高額ジャンパーケーブルを薦める店・メーカー・評論家はインチキ決定!」と自社の掲示板に記しています。
(実際逸品館はバイワイヤーは値段に見合う音質向上が見込めず、おすすめしない。シングルワイヤでジャンパーケーブルの使用がお勧めとしていますね。)

そしてプロケ系は高額なケーブルは必要ない!ベルデンこそ最高峰!的なスタンスです。こっちはめんどくさいのでこの程度の例でご勘弁。

さぁ!ここで私の疑問が炸裂するわけです。
先に私の胸の内を書きました。その中の
■聴き分けが出来ると言っている人、激変!と言ってる人の中にも実は聴き分けが出来ていない、もしくは嘘を付いている人がいるのでは?との疑念を持っている。
と関連してくるわけです。

前提としてこの4勢力の人が「確実にケーブルの違いを聴き分けられる」としましょう。
現に、それぞれ「ケーブルで音は確実に変わる」を明言していると思います。
「激変」だと。
「全然音が違う」と。
曖昧な感じの変化ではなく「誰もが聴き分けられるほど圧倒的に違う」と。

なんか不思議じゃないですか?
アコリバが最高と言い売っているケーブルを逸品館は音が細く薄く聴き疲れするといいます。
逸品館がこっちのが良いと言っておすすめするジャンパーケーブル使用をアコリバはダメ!絶対!と言っています。

一つの音に対し全く逆の感想が出てくるのです。
好き嫌いではなく、良い音、悪い音と言い合っているのです。
んで、めんどくせーけどプロケはそんな高額なケーブルよりベルデンの数千円のケーブルのが音がいいと言うわけですね。

お前ら本当に音の違いを認識して言ってんのかよww
ってことです。
聴き疲れを感じるかは個人差があるとしても、確実に「音が細く低音が薄い」のなら誰が聴いても「音が細く低音が薄い」んじゃないのか?
逆起電力の影響を回避云々の技術的な根拠を以ってシングル+ジャンパーより確実にバイワイヤのほうが高音質と言うなら、誰が聴いてもバイワイヤのほうが高音質なんじゃないのか?
って、そう思うのです。
もう一度言いますけど、好き嫌いとか感覚論じゃなくて「薄い細いだの良い悪いだのと実音について言い合っているわけです」

これってどういうことなんでしょうか?
片方の陣営が(もしくは両陣営とも)聴き分けが出来ない、もしくは相手を貶すためにあえて嘘を付いている
これの他にどんな理由があると思いますか?
ってのが今日のお話です。

「音の感じ方は人それぞれ」
っていうのはこの場合納得しません。
そんなの曖昧すぎて音質の変化を激変レベルで語る状況にはそぐわないですからね。
こうやってケーブルや機器の音の違いを聴き分けられるはずのプロが全く逆の感想を持つものを「激変」とか言っていいものなんでしょうかね。
なんて思ったりもするのです。

あ、あと個人的に納得いかないのは
「変わらないと思うのはお前が糞耳だから」っていうのと
「お前のシステムが糞だから」っていうのですね。
え?それで違いがわからない程度のものを激変とか言って数万~数十万で売ってんの?
ってなりますから。

さて、5回にわたって長々とだらだらグチグチ書いてきたケセラ・・・あれなんだっけ?セトラ?・・・
「ケーブル交換にまつわるエトセトラ」はこのあたりで一旦終了といたします。

最後に個人的結論を書いて締めたいと思います

ケーブルは音の違いを聴き分けられる人もいるし、聴き分けられない人もたくさんいる。
そして嘘を付いている人も中にはいるだろう。
でもそれでいいじゃないか。
心に余裕をもってオーディオを楽しもうぜ!