「自己実現に夢中になる人で満ち溢れた世界をつくる」

そして、

「自分らしく生きる人で満ち溢れた社会をつくる」

その結果、

「自己実現した人にしか見られない風景を誰でも見られる世界をつくる」

そんなビジョンを掲げる

「未来価値創造パートナー」の渡邉敦です

 

 

 

こんにちは。

 

今日は「素直な気持ちや態度の大切さをあらためて知るといった話を書いてみます。

 

僕は毎朝、NHKのラジオを聴きながら、朝食をとっています。「マイあさ!」とい番組で「マイ!Biz・著者に聞く」という特集があるのですが、今日は、「町工場の星」の著者 諏訪貴子さん(ダイヤ精機社長)でした。10年くらい前に話題なった本ですが、新刊が5月に出版されていたようです(知りませんでした)。

下町ロケットのようなノンフィクションですが、創業社長である父親が急逝した後、主婦から32歳で2代目の社長になった諏訪さんは、「人が辞めない最強の職人集団」をつくり上げました。自らが理想とする「ザ・町工場」をどうつくり上げてきたか、を語る番組でした。

 

興味深かったのは。

・新人を採用するときはテクニカルスキルよりヒューマンスキルを重視する

・技術を極めたい子がリーダーになったとき、メンタルをやられた経験がある

・ヒューマンスキルでもっとも大事なのが「素直」であること

・「わかりません」「教えてください」と素直に言える子は、吸収力も高く、仕事を一生懸命にする

・失敗を恐れないように言っている。不良品を出すことで学びがある。

・採用で大切にしているのは、自分と笑いのツボが一緒であること。

・なぜなら、現場で大切なのは楽しく仕事を続けていく「心の安全が第一」で、笑いがその源

などです。

 

「笑いのツボが一緒」というのは面白いですよね。

これは、「多くの若手社員を採用しているが、世代間ギャップもあるので、笑いのつぼは同じかどうかが大事。同じであれば、全ての社員がつぼにはまることで、笑いの絶えない風土が醸成される」ということでした。

 

確かに、笑いが絶えない職場にするには、この手が一番かもしれません。もうひとつ、「素直」であること、というのも素晴らしい採用基準だと思いました。

 

昨日、僕のブログでも、心が広く、他人の言動をよく受け入れることができる「寛容さ」が大切だ、という話をしましたが、「素直さ」とは、まさに「寛容さ」のことです。

 

松下幸之助は、「素直な心」を次のように定義しています。

 

「素直な心とは、寛容にして私心なき心、広く人の教えを受ける心、分を楽しむ心であります。また、静にして動、動にして静の働きのある心、真理に通ずる心であります」。

 

お互い人間が最も好ましい生き方を実現していくには、それにふさわしい考え方や行動をすることが大切で、その根底になくてはならないものが「素直な心」であるというわけです。

 

 

とはいえ、僕たちのまわりには、「素直に人の話を聞くことができない」という人がいますよね(ちなみに僕もその1人かもしれませんが・・・)。職場にも友人にもいると思うのですが、特に職場でこのことを感じるのはで「議論の場」です。例えば、こんな場面です。

 

僕が新規事業立上げの部署にいて社員のプレゼンを聞いていた時のことです。内容としては、非常に魅力ある事業であり、戦略も筋がよく、出資することに決定しました。

 

ただ、一点だけ、直観的にまだ深い議論がなされていない部分があるように思い、もう一度そこを真剣に議論するようカ彼に伝えました。

 

そして、翌日、議論した結果について、彼からメールの返信がありました。しかし、内容は「議論をしましたが、特に大きな障害となることやリスクはないので結論は変更なし、となりました。出資に向けたスケジュールに余裕がないので最終のGOサインを出していただけますか?」というものでした。

 

メールの添付資料には、メリット、デメリットや競合分析などが書かれており、内容を見る限り議論をしたように見えました。

 

ですが、どうも内容を見ていると、一見ロジックは整理されているけども、これは、もともと自分もいる場で議論していたことを、丁寧にまとめ直して解説しているだけのように見えました。なんとなく結論ありきの議論であり、なんなら、このメールは、僕を説得するためのメールのようにも見えてきたわけです。これは、ひょっとして、素直に指摘を聞いて議論していないのではないかと。

 

なぜそのように直観的に感じたのか。

 

結論が変わっていなかったことが問題なのではありません。変わっていなくても変わっていても、そこは重要なポイントではありません。ただ、経験上、人の指摘を素直に聞いたとき(受け入れてくれたとき)は、どういうわけか、さきほどまで思いつかなかったもっといい案が出たり、大幅に変更はなくても見逃してはいけない改善点が見つかったりしがちなんです。

 

そんなとき「やっぱり、改めて見直してみてよかった!」と、面倒くさいと思って放置しなくてよかった、と反省するわけです。ところが、そういった議論のかけらも彼のメールを見る限り、形跡が見当たらなかったのです。

 

●指摘を素直に受け止めて議論する

これを実行するためには、絶対に、結論ありきではだめです。もう一度ゼロベースで話し合ってみる。そういう姿勢でなければなりません。

 

考えてみれば、会社経営における外部牽制もそういうことなんだと思います。どうしても、内部の人間だけではバイアスがかかったり、過信して手を抜くことがあります。なので、役員に外部の方を招き入れて、異なる視点でのコメントを取締役会などの議論の場でいただくわけです。

 

もちろん、役会では全員が賛成した状態になるのが理想です。「誰がどうみても問題ない」というお墨付きが欲しいですから。ですが時に意見が割れることもあります。これは役会だけでなく、僕たちがメンバーと行う決定でも同じです。

 

それは、人によって持っている情報の差によって引き起こされるものや、そもそものスタンスや考え方の違いによって引き起こされます。反対の意見を持つ人から指摘があったときに、なんとしても周囲を説得しようという姿勢ではなく、一旦素直に受け止めて再度議論してみます。

 

すると、自分たちが想像もしていなかったようなもっといい案に変化することがあります。小さな議論から会社の意思決定の場でもそういうケースを何度も見てきました。

 

実は、「素直に人の話を聞く」ことの価値と効能とは、こういうことではないかと思うんです。つまり、素直に人の話を聞くことは、すべて自分のためであり、自分が最強になるための方法論だと。

 

冒頭で触れた松下幸之助さんも、『素直な心になるために』という本の中で、「素直な心の効用10ヵ条」というのが書かれています。

 

第1条 なすべきをなす

素直な心が働いたならば、なすべきことを正しく知り、それを勇気をもって行なう、という姿が生まれるようになる

 

第2条 思い通りになる

素直な心になれば、すべてに対して順応していくことができるから、何でも自分の思い通りにすることができるようになる

 

第3条 こだわらない

素直な心になれば、何事に対してもこだわりやわだかまりが心にのこらないようになってくる

 

第4条 日に新た

素直な心になれば、現状にとらわれることなく、日に新たなものを生み出していくことができるようになる

 

第5条 禍を転じて福となす

素直な心になれば、危機に直面してもこれをチャンスと受けとめ“禍を転じて福となす”こともできるようになる

 

第6条 つつしむ

素直な心になれば、自分の立場をわきまえて、つねにつつしむという見識も生まれてくる

 

第7条 和やかな姿

素直な心になったならば、いらざる対立や争いがおこりにくくなって、和やかな姿が保たれるようになる

 

第8条 正邪の区別

お互いが素直な心になったならば、何が正しいか正しくないかという区別がはっきりし、共同生活の秩序が高まってゆく

 

第9条 適材適所の実現

素直な心というものは、よいものはよいものと認識し、価値あるものはその価値を正しくみとめることのできる心である

 

第10条 病気が少なくなる

素直な心になれば、病気になりにくくなり、たとえなっても比較的直りやすくなる

 

以上ですが、うえで紹介したサイトには、それぞれに対して解説が書かれていますので、関心のある方はご覧ください。この中で個人的には第9条に納得感がありますね。

 

相手が素直に聞いているのかどうかは、わからないものです。自分自身でも、自分が素直に聞いたかはわかりにくいものです。であれば、本当に素直に聞いたときは、松下幸之助のこの10ケの効用が表れるはずなので、その効用があったかどうかをもって、相手も自分も素直だったかを判断するのが一つの判断基準だと思っています。

 

 

それでは、今日も笑顔あふれる素敵な一日をお過ごしください!

 

頑張り屋のみなさんを応援しています!

 

「A&W コンサルティング」
 代表・中小企業診断士 
    渡邉 敦 (Atsushi WATANABE)

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