ウレパールクリーム……この保湿剤ってどんな感じ? | 子肌育Blog アトピーに負けない生活。

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ウレパールクリーム


こんにちは。橋本です。


今日は、ウレパールクリームという保湿剤がどんなものか、みていこうと思います。


具体的な製品名は、ウレパールクリーム10%


尿素を有効成分にした保湿剤。病院での処方せんがないと購入できない保湿剤です。


製品:ウレパールクリーム10%


 


病院のウレパール、ドラッグストアのウレパール


ひと口に「ウレパール」といっても、実際には、ウレパールの名前がつく製品は4種類あります。


ウレパールクリーム10%

ウレパールローション10%

ウレパール プラスクリーム

ウレパール プラスローション


この4種類があるんですね。


「ウレパールクリーム10%」と「ウレパールローション10%」は、大塚製薬が販売する製品。


ウレパールクリームとウレパールローションは、病院で診察を受けた上で、処方せんをもらわないと、買うことができません。


もう一方の「ウレパール プラスクリーム」と「ウレパール プラスローション」は、大鵬薬品工業(大塚製薬の関連会社)が販売する製品。


ウレパール プラスクリーム と ウレパール プラスローション も医薬品ですが、ドラッグストアや薬局の店頭で、処方せんなしで買えます。


ただし、医薬品の中でも、「第2類医薬品」という分類にあたるので、日本国内では、インターネット販売ができないことになっています。


製品:ウレパールプラスシリーズ


ウレパールと名が付くものには4種類ある。


だからといって、「どれもウレパールだから形が違うだけで、結局中身は同じ」というわけではないんですね。


 


尿素が保湿効果を発揮する


ウレパールクリーム10%は、製品名の通り、10%配合された尿素が保湿効果を発揮します。


尿素配合の保湿剤は、ぶり返しをおさえるか?


いろんなメーカーの製品をみていくと、尿素の保湿剤には、尿素を10%配合したものと、20%配合したものがあります。


ウレパールクリーム10%:中身


 


ウレパールクリームは、他の尿素10%配合製品と同じか?


しかし、ウレパールクリームに関していえば、尿素配合は10%のタイプしかありません。


尿素20%配合のウレパールクリームというのはないんですね。


ですが、注意してもらいたいのは、10%より20%のほうが、2倍の保湿効果があるとは限らないことです。


さらに、同じ尿素10%配合でも、使用感や保湿効果が、かなり違って感じられることも少なくありません。


つまり、「尿素10%配合のものは、20%のものより劣る」とは限らず、「尿素10%配合製品だったらどれも同じだ」ともいえないわけですね。


尿素の配合割合の数字だけにこだわらずに、実際に使ってみないと、合う合わない、使用感、効果などは意外とわかりません。


実際に使う前に持っていた予想、イメージと違うこともあります。


 


角質をやわらかくする作用


ウレパールクリームには、硬くなった角質(かくしつ)をやわらかくする作用もあります。


とくに、手のひら、足の裏などのカチカチになった皮膚をやわらかくしてくれます。


ただし、足の裏の角質が増えている原因が、真菌(しんきん:「カビ」のこと)だと、適切な薬による治療をしないと、尿素の保湿剤だけではなかなか治りません。


 


刺激感がある


ウレパールクリームを塗ると、尿素配合製品に特有の「刺激」を感じることがあります。


ピリピリ、ヒリヒリとした感じ。あるいはホテリ感といったものですね。


ただし、この刺激の感じ方には、大きな個人差があり、もちろん、まったく感じない人がほとんどです。


ウレパールの医薬品承認時(1981年)の臨床試験では、こういった刺激は、6,199例中、352例、5.68%にみられたという結果が出ています。


最初に感じられた刺激も、使っているうちに慣れてくる、なくなってくることもあります。


反対に、皮膚の状態が悪いと強い刺激を感じることも考えられるので、肌荒れ、皮膚の炎症が強い部分には、不向きです。


 


テスクチャー


ウレパールクリームは、ウレパールの名前にふさわしく、ツヤツヤ、つるっとした見た目をしています(ウレアurea 尿素 + パールpearl 真珠 = ウレパール)。


ウレパールクリームは、クリームの種類の中でも、水中油型(o/w型)というタイプのもの。


水中油型(o/w型)は、クリームを「しっとりタイプ」「さっぱりタイプ」の2種類にわけると、「さっぱりタイプ」のほうです。


クリームの「しっとりタイプ」「さっぱりタイプ」の違い、わかりますか?


しかし、ウレパールクリームは、他の「さっぱりタイプ」のクリームに比べて、しっとり感がやや強いように感じられます。


ウレパールクリーム10%:テクスチャー


 


ウレパールクリームの添加物


ウレパールクリームには、尿素のほかに、次のような添加物が含まれています。


肌の状態によっては、まれにかぶれることも考えられるので、アトピーのケアに使う場合は、かぶれには注意しながら使う必要があります。


<添加物>

パラオキシ安息香酸メチル……通称パラベン、防腐剤

パラオキシ安息香酸ブチル……通称パラベン、防腐剤

ジブチルヒドロキシトルエン……表示名:BHT、酸化防止剤

セチル硫酸ナトリウム……乳化剤

セタノール……乳化安定剤、保湿作用

乳酸ナトリウム……pH調整剤

乳酸……pH調整剤

親油型モノステアリン酸グリセリン……乳化剤(W/O型)

コレステロール……乳化剤、保湿作用

ハードファット……固形油脂

メチルポリシロキサン……シリコーン油

グリシン……別名:アミノ酢酸、保湿、酸化防止作用

DL-アラニン……表示名:アラニン、保湿作用

塩化ナトリウム……増粘効果

精製水


 


ウレパールクリームは安い


ウレパールクリームは、


20gチューブ

50gチューブ

500gボトル


の3種類の大きさがあります。


ウレパールクリーム10%:3種類の大きさ


実際の薬剤料は、ウレパールクリーム10%の20gチューブ、保険三割負担で1本45円と、かなり安いです(他に投薬料、調剤技術料、薬学管理料などが、診察ごと、処方せんごとにかかります)。


ほかの保湿剤、ヒルドイドソフトの25gチューブが、同じく保険三割負担で1本195円なのと比べると、4分の1ほどです。


 


 


 


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