顔をひっかくなら、ミトンをしたほうがいいの?
こんにちは。橋本です。
赤ちゃんがかゆがって、顔をひっかいて傷だらけ。
こんな時に便利なのが、ミトンです。
ミトンは、「鍋つかみ」のような手袋。
顔をひっかいてしまうようなら、このミトンを赤ちゃんの手につけてあげる。
いわば、ひっかき防止の手袋です。
かゆみがあれば、大人でもなかなか我慢できません。
しかも、アトピーともなると。
低月齢の赤ちゃんは、バタバタと、よく手を動かすので、手の当たるところは、かいてしまいます。
で、そんな時、ミトンを使ったほうがいいのか、どうなのか?
結論からいうと、使う、使わない、どちらでも大丈夫です。
「ミトンを使えば、湿疹が良くなる」「ミトンを使わないと、湿疹が悪くなる」
そうわかりやすい話では、ありません。
では実例をとって、ミトンを使うケース、使わないケース。少し比べてみましょう。

ミトンを使いたい場合
ミトンをすれば、かき傷は減るはずです。
それで少しでも肌のダメージが減ることによって、湿疹が自然に落ち着いてくることもあります。
湿疹がアトピーによるものなら、症状が良くなったり、悪くなったりを、長い期間かけて繰り返す。
言い方をかえると、自然に良くなってくることもあるのが、アトピーです。
なので、ミトンを使うことで、この自然に症状が落ち着いてくる助けになれば、ミトンは非常に便利なものになるんですね。
だだし、ミトンが症状をコントロールできるわけではありません。
自然に症状が落ち着いてこようとすれば、ミトンの効果が発揮される。
つまり、ミトンは、補助的なケアになるわけです。
メインのケアにはなりません。
ミトンという便利な道具に頼るあまり、適切な治療を受けるタイミングを逃すと、余計に治療が難しくなることもあります。
もし、皮膚に炎症があるなら、なかなかスムーズには、湿疹やかゆみはおさまってくれません。
炎症によるかゆみがおさまってくれないことには、結局、赤ちゃんは肌をどこかにこすりつけてしまいます。
ミトンは、補助的な役割でしかなく、皮膚の炎症をおさえられる効果がきちんと確かめられているのは、やはりステロイド外用薬です。
そして同時に、症状のぶり返しがおきないように、「ていねいなスキンケア」と「悪化因子をできる範囲で減らしていく」というのが、治療の基本。
症状をコントロールしやすくする原則です。
ミトンがかき傷を減らしてくれるのは、たしかです。
しかし、ミトンだけでかゆみを、なんとかしようというのは、子どもの自由を奪うだけで、症状が良くならないということにもつながりかねません。
ミトンを使って様子を見るのも、ケアのひとつ。
それでも症状が落ち着かない、悪くなるようであれば、適切な治療で、皮膚の炎症をおさえてあげる必要があります。
ミトンを使いたくない場合
無邪気な赤ちゃんにミトンをつけさせて、不自由なつらい思いをさせたくない。
そう思う人もいるかと思います。
でも、大丈夫です。顔をひっかくからといって、ミトンを無理に使う必要はありません。
ひっかくと、さらにかゆみが強くなりやすい。
かゆみを強くしない、症状を悪くしないようにするには、ひっかきを防止するミトンが便利。
たしかにそうなんですが、そもそもかゆみがおきているのは、皮膚に炎症がおこっているためです。
この炎症をおさえないことには、なかなか「かゆみ」はおさまりません。
ミトンでかくことが減れば、症状が自然に落ち着いてくるケースもありますが、なかなか良くならないというケースも当然あります。
自然にまかせるということは、良くなるか悪くなるか、運まかせになってしまう危険性もあるわけです。
では、どうすればいいのか?
ミトンを使わなくても、正しくステロイド外用薬を使えば、かゆみはおさまってきます。
ただ、それだけで治療は終わりではなく、「ていねいなスキンケア」と「悪化因子をできる範囲で減らしていく」ということも、コツコツ続けていく。
そうすることで、湿疹やかゆみぶり返しを少なくし、コントロールできないような症状を減らしていくことができます。
そして、かくことも悪化因子のひとつなので、こまめにツメを切ってあげることも、大事なケアのひとつです。
薄くて伸びるのが早い赤ちゃんのツメならとくに。
顔をひっかくからといって、ミトンを無理に使う必要はありません。

ミトンにこだわり過ぎず、子どものQOLを最優先に
ミトンを使うか、使わないかで、治療が大きく変わることはありません。
使うとしても、それはあくまでも補助的なケア。
ミトンでしばらく様子をみて症状が良くならないようなら、薬を使った適切な治療を受ける。
または、適切な治療をきちんと受けながら、ミトンも使うのが、治療を難しくしないポイントです。
「薬は絶対、いや!」と、ミトンなどの便利な道具に必要以上にこだわって、適切な治療を子どもに受けさせない。
これが、いちばん良くないパターンです。
よかれと思ったことが、結局は、子どもの生活の質(QOL)を下げてしまいます。
まずは、皮膚の炎症をおさえて、かゆみを楽にしてあげる、楽しく遊べるようにしてあげる。
そして、治療の三本柱をバランスよく続けていくのが、子どものQOLを落とさずにケアするポイントになるわけですね。