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よく「臨床試験の結果では~」っていうけど、「臨床」ってなに?


こんにちは。橋本です。


新聞とかニュース、それから治療法の説明なんかでは、たとえば、


「臨床試験がおこなわれたが、〇〇の有効性が確認できなかった」


なんていうフレーズを、耳にすることがあります。


この「臨床試験」って言葉。


健康情報を伝えるニュースでは、さらりと当たり前のように使われている用語です。


まあ、「臨床試験」という言葉をはじめて聞いたとしても、雰囲気で「研究者が試験的なことをやった」ぐらいには、意味が想像できますよね。


だから、意味を知らなくても、困ることはないように思えますが。


でも、改めて考えると、「臨床」とか「臨床試験」とは、どんな意味なんでしょうか?


臨床試験とは


臨床とは


臨床の「臨」は、臨む(のぞむ)の意味ですね。


「試合に臨む」とかいうと、「直面する」「参加する」というようなニュアンス。


で、臨床の「床」は、「病床」。患者さんが横になるベッドのことです。


臨床とは、病床に臨むこと。


つまり、お医者さんが患者さんに接して診察、治療をすること。


それをぎゅっと2文字に縮めて、「臨床」とよんでいるわけですね。


臨床試験とは


臨床試験とは、薬や治療法を患者さんにおこなうことによって、どんな作用がおこるかを実際に見る試験のこと。


実施する治療法や薬の、安全性や有効性のチェックを目的におこないます。


科学的な理論をもとに新しい薬を開発しても、実際に人間に投与してみないと、どんな作用が出るかはわからないですからね。


世に出回る前の新しい薬を使った臨床試験のことを、とくに区別して「治験」とよんでいます。


新薬ばかりではなく、サプリメントなどの効果を検証したりすることにも、臨床試験は幅広く利用することができます。


「臨床試験」以外に、治療効果をみる方法はないの?


薬や治療法を試験する方法は、ほかにもあります。


試験管の中で培養した細胞に、薬を投与して、どんな作用がおこるかをみる方法。


それから、マウスなどの動物を使って試験をする、動物実験という方法もあります。


しかし、試験管内とか動物実験の結果と、臨床試験の結果が必ずしもイコールになるとは限りません。


動物と人間は体のしくみが大きく違うため、動物実験などのデータはあくまでも参考程度にしかなりません。


つまり、実際の治療には、臨床試験でえられたデータのほうが、はるかに信頼度が高いわけですね。


臨床試験でえられるデータでも試験によって、信頼度には大きな違いがあります。


臨床試験の中でも、データのかたよりが少ない「ランダム化比較試験」が、治療法の効果をみるのに、いちばん厳密な試験の形だといわれています。


参考記事:
ランダム化比較試験: 治療法に効果があるか知るには?


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