不思議すぎる初夢②~動き出す花の洋館 | HARMONIES ハーモニーズ(Ameblo版)

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HARMONIES(ハーモニーズ)は、2006年にスタートしたこのブログのリニューアル版です。2011年の東日本大震災、そして昨年末の時空間の大変化を経て、ようやくここにたどり着きました。「調和の創造」をテーマに、新たな銀河時代を生み出していきましょう。

『叔母の診察が終わると、女主人が出てきて言った。「残念ながら裏口よりお帰りいただきました」。医師の基準に満たなかったらしい。今回の件は、叔母と母が段取りしたことだったので、母は随分落胆している様子だった。「お医者さんの診察は事前に知らされていなかったの?」と姉に聞くと、「誰も知らなかったわ」と答えた。

 

母にはもうひとつ心配事があった。実は映画監督をやっている叔父さんも来るはずだったのだ。ところがまだ来ていない様子。母は女主人に、もし間に合うようであれば医師の診察をお願いしますと伝えていた。

 

「さあそれでは、先に二階にご案内いたします」、女主人は天井を軽く指差した。面会室は上の階にあるらしい。それにしても「面会」って何?? 女主人はここにいるし、一体誰に面会するというのだろう? そして面会の目的は何なんだろう?

 

あまりにも疑問が多すぎたが、二階へ上がる階段は二つあり、ひとつは緩やかな階段で段数が多く、もうひとつは急な階段だが段数が少ないという説明だった。もちろん僕は身軽なので、急な階段を選んだ。母と姉は緩やかな階段へ向かった。

 

ドアを開けると、そこは薄暗い照明がひとつあるだけで、本当に急な階段が5メートルぐらい続いていた。もし足を踏み外したら、嫌というほど頭を打ち付けそうな急角度の階段だった。幸い、手すりがついていたので、それをしっかり掴んで上り始めた。

 

意外に早く上りつめたので、ホッとして二階の床を見ると、華奢な女の人がドアを開けて出てくるところだった。顔は見えなかったが、ロングスカートをはいていてもわかるほど脚が細く、しかも優雅な動きをしていた。その女性は、階段を上って来た僕に気付いたようだったが、こちらを振り向くことはなく、廊下にある別のドアを開けて入って行った。

 

するとまた別のドアが開き、母と姉が出てきた。「えへん、僕のほうが早かったたね」と自慢すると、姉が笑いながら「こらっ」と怒るふりをした。続いて女主人が現れて、面会室はこちらですと案内してくれた。

 

そこは広いリビングルームのような四角い部屋で、天井も壁も真っ白だった。椅子が30脚ぐらい並べられていて、参加人数の多い面会もあるのだなと思わされた。母と姉は、部屋の右のはしっこに座り、僕はその真後ろに座った。

 

これから何があるのだろうと想像しながら、きょろきょろしていると、映画監督が息を切らせながら入ってきた。母はびっくりして「まぁ、間に合ったの!? 良かったわ・・・」と、胸の前で感謝の十字を切った。叔父はもともと小太りだったが、最近仕事がうまくいっておらず、そのせいか痩せたんだよと言っていた。

 

断片的に聞こえてきた母と叔父の会話では、叔父はできれば今回の面会を映画化したいと考えている様子だった。それくらいこれから会う人は、高貴で不思議な方らしい。「どんな人なの?」と聞くと、母は「私も詳しくは知らないけど、変な先入観を持たないように気をつけているわ」と答えた。

 

すると、再度女主人が現れて、「これからこの家は動き始めますので驚かないでくださいね」と言った。えっ、この家が動く!?? すると家全体が持ち上がるような感じになり、鉄道のレールの上を車輪が回るような不思議な音が聞こえてきた。そんな鉄道がこのあたりにあるはずがない・・・みんな何がなんだかわからなくて、お互い顔を見合わせるしかなかった。』(つづく)