陰陽師「安倍晴明」の正体③[史実としての履歴] | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

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 このように多くの伝説を残した安倍晴明ですが、たしかな史料で確認できる彼の履歴はさほど多くはありません。

 

 晴明の末裔たちは土御門家を称することになり、同家の記録によりますと、晴明は寛弘2年(1005)に他界し、系図に享年85歳とあることから、さかのぼって延喜21年(921)の生まれだということになっています。

 

 父は安倍益材(ますき)。

 

 その先祖は『竹取物語』で、かぐや姫に求婚する貴公子・右大臣安倍御主人(あべのみうし)だとされますがが、確証はありません。

 

 晴明の時代、陰陽師といえば、『今昔物語集』に登場する賀茂忠行(前出)とその子・保憲が著名でした。

 

 晴明が陰陽師の技術を習うには、この賀茂父子に教えを乞う必要があり、晴明が説話通り、忠行と保憲の弟子だったのは確かだと思います。

(つづく)

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