跡部蛮の「おもしろ歴史学」

跡部蛮の「おもしろ歴史学」

歴史ファンの皆さんとともに歴史ミステリーにチャレンジし、その謎を解き明かすページです(無断転載禁止)

 扇谷上杉家は宗家である山内上杉家の下風に立たざるをえませんでしたが、ある武将の登場によって扇谷上杉家の名が山内上杉家と肩を並べることとなります。

 

 武将の名は太田道灌。江戸城を築いたことで知られ、「容貌端正にして英気凛然」といわれた武将です。

 

 その道灌が扇谷上杉家の家宰(家老)を父から継いだ当時、関東は享徳の乱の只中にありました。

 

 この戦乱は享徳3年(1454)12月、関東公方の足利成氏が関東管領の上杉憲忠(山内家)を御所に招いて謀殺したことから戦禍が広がりました。

 

 この過程で成氏は鎌倉を捨てて下総国古河へ入り、そこを本拠としたので古河公方と呼ばれます。

 

 山内・扇谷の両上杉氏がその古河公方と争い、京の幕府があらたに関東へ送って伊豆の堀越(伊豆の国市)に留まっていた足利政知(堀越公方)を支えたというのが、戦いの構図でした。

(つづく)

 

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辻大悟のペンネームで歴史小説を書いております。

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 関東の戦国時代は「上杉対上杉」の抗争で幕をあけたといってもいいでしょう。

 

 まず、享徳の乱(1454~1482)で味方同士だった山内上杉家と扇谷上杉家の抗争が一九年に及ぶ長享の乱(1487~1505年)をもたらし、関東の戦国勢力図を一気に塗り替えたのです。

 

 上杉といえば、まず越後の戦国大名上杉謙信を思い浮かべますが、そもそも、どういう一族なのでしょうか。

 

 上杉氏は公家の勧修寺(かしゅうじ・がしゅうじ)流藤原氏出身。

 

 上杉重房が鎌倉幕府の六代将軍となった宗尊(むねたか)親王の関東下向に供奉し、武家へ転身しました。

 

 丹波国の上杉荘(京都府綾部市)を領し、その荘名を称します。

 

 そして、重房の孫清子が足利貞氏に嫁して足利高氏(のちの尊氏=室町幕府初代将軍)・直義の兄弟を生んだことから、足利将軍家に重用されたのです。

 

 やがて、尊氏四男の足利基氏が初代関東公方となって鎌倉で関東の政務にあたるようになりますと、上杉憲顕がその執事役である関東管領に補任されました。

 

 上杉氏はいくつかの家に分かれますが、中心になったのが山内(やまのうち)家と扇谷(おうぎがやつ)家です。

 

 宗家は山内家。 鎌倉の屋敷が山内にあったため、そう呼ばれます。

 

 一方、鎌倉の扇谷に屋敷を構えた一族が扇谷上杉家を称しました。

 

 ちなみに、のちに山内上杉家の当主憲政が越後守護代家出身の長尾景虎(のちの謙信)へ関東管領職と上杉姓を譲り、上杉謙信が誕生します。

(つづく)

 

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 名越(北条)時章は弟の教時とちがい、得宗家に従順な姿勢を示していますから、刺客らが教時と誤って殺した可能性はあります。

 

 しかし、その一方で、これを機に兄弟同時に葬りさろうと、北条時宗が家臣に謀叛の疑いがあると嘘をいって殺させた疑いは残ります。

 

 時章を殺し、その討手を処罰すれば、もはや、死人に口なし。

 

 そういうことではなかったでしょうか。

 

 命じられた側にしたら、殺し損です。

 

 しかも、時宗は誤殺と公表しながらも、時章の所領を没収しています。

 

 こうして自ら批判にさらされることなく政敵の兄弟を排除した時宗は、次のターゲットを庶兄の時輔に向けます。

 

 得宗家の御内人(時宗の家臣)らが時章兄弟を討った四日後、六波羅北方探題赤橋義宗の手勢が南方探題を襲って炎上させ、時輔も討たれたのです。

 

 時宗が、名越兄弟の粛清に絡み、将来の禍根となる兄を殺させたとしか思えません。

 

 こうみてきますと、時宗は邪魔な者を非道な手段で粛清した極悪人のように映りますが、それは当時、元寇、すなわち蒙古(モンゴル軍)の脅威が日本に迫りつつある時代という面を差し引かねばなりません。

 

 空前の「国難」を前に、ある意味、恐怖政治による国内引き締めは必要だったのかもしれません。

 

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