陰陽師「安倍晴明」の正体①[平安時代のゴーストバスター] | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

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 NHK大河ドラマ『光る君へ』でインパクト抜群の演技をつづけるユースケ・サンタマリア。

 

 彼の扮する陰陽師安倍清明が怪しい雰囲気を醸しだしています。

 

 『光る君へ』のみならず、小説やドラマ・映画に登場する晴明は、式神(陰陽師が使う鬼神)を自在に操り、「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」「急急如律令」などという呪文を唱えて悪霊などを退治し、平安時代の”ゴーストバスター“のごとく描かれることがあります。

 

 平安時代の末に成立した説話集『今昔物語集』によりますと、晴明は賀茂忠行という陰陽師の弟子となり、幼少の頃より才を発揮していたといいます。

 

 たとえば、ある夜、忠行の外出の供をして、その師匠が乗る牛車の後ろに従っていたときのことです。

 

 忠行は牛車の中で寝入っていて気づきませんでしたが、供の中でただ一人、晴明にだけ牛車に向かってくる鬼の姿が見えたというのです。

 

 晴明は驚いて忠行を起こし、事の次第を告げます。

 

 目を覚ました忠行は、鬼がやって来るのを確認すると、術で自分たちを鬼から隠し、何事もなく通り過ぎることができました。

 

 それから忠行は、晴明をこれまで以上にそば近くに置くようになったというのです。

(つづく)

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