朝鮮出兵で秀吉軍は本当に海戦でやぶれたか?③[朝鮮水軍の先制攻撃] | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

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 朝鮮水軍の新兵器、亀甲船というのはどんな船でしょうか。

 

 亀が伏せたように見えることからその名が付きました。

 

 まず敵の侵入を防ぐために甲板に薄い鉄板をかぶせて鉄釘で留め、その鉄板一面に錐刀(すいとう=先端が尖った小刀)を刺していたといいます。

 

 仮に敵兵が乗りこんできても、その錐刀の餌食になるわけです。

 

 また、前方と後方のほか、左右の側面にも6個の銃口をもうけ、漕ぎ寄せる敵船に全方向から攻撃することができました。

 

 ともあれ、「唐入り」、すなわち明への侵略を最終目的にした秀吉の1回目の朝鮮出兵はこうして失敗しました。

 

 いったん講和が成立しますが、その内容に承服しなかった秀吉が再征を決意し、慶長の役が勃発したのです。

 

 秀吉の狙いは、慶尚道に続き、全羅道を実効支配(占領)すること。

 

 このため日本軍は慶尚道から西の全羅道に侵入しました。

 

 一方、朝鮮水軍は、やはり全羅南道沿岸部へ進もうとしていた日本水軍に先制攻撃を仕掛けたのです。
 (つづく)

 

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