「本能寺の変」から一夜明けた六月三日に、道鬼斎からの情報が藤孝のもとにもたらされます。
親戚の光秀が信長を討った聞いた藤孝は仰天愁傷し、嫡男の忠興(光秀の娘お玉の夫)とともに剃髪するのです。
そして、『細川家記』はこのあと、光秀から届いた手紙を掲載しています。
その内容、すなわち光秀の言い分は次の通りです。
《細川父子が揃って元結を払ったと聞いていっときは腹立たしく思ったが、やむをえないことと思い直した。さらに謀叛したのはすべて娘婿である忠興を取り立てるためだ》
光秀はこうして細川父子の加勢を求めたのです。
問題はここからです。
この光秀の手紙そのものが筆跡や花押(サイン)からみて、偽文書(ニセ手紙)だという説もあるのです(立花京子著『信長と十字架』)。
(つづく)
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