藤孝・兼見会談の十七日後の六月二日早朝、光秀は本能寺で信長を討ちます。
そのあと、京から居城の坂本城(大津市)へ引き上げる光秀を、吉田兼見は京の粟田口まで追いかけ、さらに朝廷の使者として、光秀が接収した安土城(信長の居城)に光秀を訪ねています。
その際、兼見は光秀から銀五〇枚を贈られてもいます。
謀叛に関与していたとられかねない行動をしている怪しい人物です。
藤孝がその兼見と二日間じっくりと何事かを話し合い、まもなく安土の光秀を訪ねた行動もまた、不可解と言えるのではないでしょうか。
『細川家記』によりますと、当時、丹後宮津城の城主だった藤孝が重臣の米田求政を信長出迎えの使者として京へ遣わした後、その求政が本能寺の変を知って、健脚自慢の早田道鬼斎という者を丹後宮津城へ走らせたといいます。
注目すべきはそのあとの藤孝の行動です。
(つづく)
サブブログ
以下お知らせ
辻大悟のペンネームで歴史小説を書いております。
※このほど初めて現代を舞台にしたミステリー
(kindle版)を刊行いたしました。
現在から見たキンカコ(近過去)の2000年が舞台。
貸し渋りが横行する時代に、
銀行へ不渡り手形を掴ませるチンケな詐欺を働いていた美人詐欺師
その彼女を追う現職の刑事。
そんな二人に大蔵官僚や病院の名物院長らを加えたワンダラーたち。
その八名が国際犯罪組織の野望を打ち砕く痛快犯罪ミステリー小説。
20年後、30年後の近未来に生きている自分たちのために、いま戦え!
表紙画像:いーブックデザイン
http://e-bookdesign.blogspot.jp/
表紙:e-bookdesign