「本能寺の変」のキーパーソンの一人「細川藤孝」の謎(最終回)[手紙捏造の理由] | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

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 光秀の手紙が偽文書(ニセ手紙)だとしたら、誰がそれを書いたのでしょうか。

 

 細川家の正式歴史書である『細川家記』に掲載されている事情を考えると、藤孝自身が歪曲した事実を後世に残すため、“ニセ手紙”を書いたとは考えられないでしょうか。

 

 光秀とは昵懇の間柄であった藤孝としては、敢えて父子揃って剃髪してまで一味となることを拒んだことを示すには、それに対する光秀の反応がわからないと説得力に欠けるからです。

 

 しかも、藤孝は変の直前、黒幕の一人とされる吉田兼見と会い、その足で光秀を訪ねているのです。

 

 事情を知っている者がいたら、藤孝自身、信長殺害に絡む連絡役だとみられかねません。

 

 いまとなっては彼が本当に連絡役だったかどうか、その確証はありません。

 

 ただ、用心に用心を重ねたほうがいい――藤孝がそう考えても不思議ではないように思うのですが……。

 

 だとしたら、ドラマの“眞島藤孝”の印象とはかなりかけ離れた老獪なイメージですが、実在の藤孝が処世術にたけ、一癖も二癖もある人物だったのは事実だと思います。

 

 

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