放送が始まったNHK大河ドラマ『おんな城主直虎』。
去年の暮れ、いきなり「直虎は男だった」という新説が列島を駈け巡り、その意味でも話題になっています。
直虎は「男」なのか「女」なのか――を含めて、女優・柴崎コウ演じる大河ヒロインの実像に迫ってみようと思います。
まず、押さえておかなければならないのは、戦国時代、城主となった女性は直虎だけではなかったこと。
九州豊後の戦国大名大友宗麟の重臣・立花道雪の娘、立花誾千代(たちばな・ぎんちよ)は、天正三年(1575)六月、宗麟から許可状をもらい、正式に城主、正確にいうと城督(城代)の地位を譲られています。
この誾千代には多くの武勇伝が残る一方、直虎には武勇にまつわる話が一切伝わっていません。
武勇伝が残っていないことからみても、薙刀を振り回す男顔負けの“じゃじゃ馬”タイプの城主ではかったのでしょう。
事務的にコツコツ、領主(城主)としての仕事をこなすタイプだったと思われます。
しかし、彼女には別の魅力があるのはたしかです。
『おんな城主直虎』では、かつての許嫁だった井伊直親の遺児・虎松(のちの直政)を政敵から守るために三河の寺に預け、やがて、徳川家康に仕えさせるというストーリーになるはずです。
彼女は生涯独身をつらぬきますが、元許嫁の遺児を母のような優しさで立派な武将に育て上げる物語となることでしょう。
その直虎の生涯は謎だらけ。
生年からしてはっきりわかっておりません。
(つづく)
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