観た、『メッセージ』 | Joon's blog

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支離滅裂

『メッセージ』を観ました。

 

ルイーズが講義を始めようとした時、校内の警報が鳴り響く。世界12カ所に謎の巨大な宇宙船が降り立った事で非常警戒宣言が発令されたのだ。

異星人との意思疎通を図ろうとする軍の依頼により、言語学者であるルイーズは物理学者のイアンと共に宇宙船に向かう。

ウェバー大佐の指揮の下、宇宙船内部に入ったルイーズらは二つの生命体と邂逅。地球の言語は全く通じなかったが、ルイーズの粘り強さもあり、徐々に彼らの言語を理解できるようになる。

アメリカ以外でも同様に解析が進んでいたが、一部の言葉を取り違えて解釈した中国は彼らに対して宣戦を布告。中国に続き世界各国も彼らを敵対視する中、誤解を解こうとするルイーズは独りで彼らの宇宙船に向かい……といったお話。

要約すると、宇宙人の意思を確かめようと躍起になる言語学者の話です。

 

地球外生命とのコミュニケーションを図るという意味においては、先日に観た『コンタクト』に通じるものがあり、チト強引に結び付けようとすれば“コンタクト2”とも呼べるお話。

メッセージを発信した側が、今度は地球にやって来るようなね。

 

本作で主に描かれるのはアメリカの話ですが、地球の代表として彼らとの対話を試みるのが女性というのも『コンタクト』に通じるものを感じます(他の国でも彼らと接触しているようですが、ルイーズ先導で解析した情報をオンラインで共有した上で参考にしているだろうと解釈)。

まぁ、女だから友好的、男だから好戦的というものでもないけど、現実の外交やら対外折衝を女性に任せてみれば僅かに世の中が変わる気がするんだ。

 

異星人との接触を描いた作品は星の数ほどある中で、本作はズバ抜けて現実味に溢れています。

言語を用いてしか意思の伝達ができない文明を持つ星が地球以外にもあるとは限りませんからね。

その上で、地球とは全く異なる生命体を相手に地球の言語を用いるのが、どれほど無意味なものか。これまでのSF作品によくある、異星人同士が会った途端に言葉を交わせるのがどれほどご都合的かを思い知らせます(あんま細やかに描くと時間の無駄になるけど)。

彼ら=ヘプタポッドは言葉とはチト違う、文字という“見せる言語”を使って意思の伝達を行っていましたが、宇宙船の外ではどう表すのか気になりますね。雨でも降ってたらどうなんだろう、あれ。

 

彼らの姿は少々曖昧に、そこまで明確には見せませんが、大昔から世界中で抱かれている火星人のような出で立ちで、時代錯誤すら感じさせる出で立ちです。まぁ、初見では引いたよね(笑)。

…だが、ちょっと待てよ?

ご存知の通り、昔の人は宇宙人(というか火星人)を例の数本足のイメージで描いていました。

ここで本作の世界観に則ると、昔の人は本作=現代の作品に登場する彼ら=ヘプタポッドの姿を知っていた、つまり本作が作られる未来を既に予見していた…?

なるほど、ヘプタポッドがああいうデザインになったのは当然なのかもしれません……と、曲解しているのは当ブログだけなので、どうか聞き流してやって下さい(笑)。

映像特典でヘプタポッドの克明な姿を見てしまうと、割とありふれてる感のあるデザインにガッカリしますね。

 

冒頭、ルイーズは娘を失った悲しみを抱えている様子が描かれます。

どーせクライマックスで娘と再会して、異星人の正体やら目的をうやむやにするパターンかぁ……とタカを括りながら見ると、けっこうな驚きが待っています。ヘプタポッドとの接触が増えたルイーズに彼らの能力が身についてきたという事でもあるんでしょう。

が、宇宙船がやってくる前からルイーズには既に娘との思い出がありました。

という事は、ルイーズが軍にアドバイザーとして選ばれたのは単に言語学者だったからではなく、ヘプタポッドに近い能力を持っていた地球人だったから?

そして、そうなる未来をヘプタポッドが予見していた?

一見するとご都合的に思えるところですが……いやいや本作の事だ、もっと深い含みを秘めているのかもしれない…?

 

異星人関連のデザインは、これまでに見た事もないものを生み出そうと苦心したようですが、これに先駆けていたものが日本にあったのは有名な話です。

まぁ、似ちゃいるけど……くっだらねーネタだな~(笑)。俺ッチは米粒を縦半分に切ったような形に見えていたけど。

こんな日本独自の内輪ネタに対し、監督のドゥニ・ヴィルヌーヴさんからの一家言は免れなかったようです。

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(笑)。

さすが規模の大きい作品を作れる監督だ、器もデカい!

 

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Blu-ray版の映像特典は一般的なメイキング集。

その中に原作者であるテッド・チャンさんによる、過去と未来は同じものだと言及する解説があるんですが、学のない凡人の俺ッチにゃ何を言ってるんだかサッパリでした…(笑)。