観た、『タイタンの戦い('81)』 | Joon's blog

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支離滅裂

『タイタンの戦い』を観ました。

 

オリンポスの神ゼウスは、娘のダナエと孫のペルセウスを追放したアルゴス国王の行いに激怒。海の王ポセイドンに命じ海獣クラケンを放ち、アルゴス国を滅ぼしてしまう。

それから数年後、ペルセウスが立派な青年に成長した事を喜ぶゼウス。しかしオリンポスの神の一人であるテティスは、自分の息子カリボスへの罰に恩赦を与えないゼウスを恨み、ペルセウスに報いを与える。

天命を受けたペルセウスは、ゼウスにより呪われた姿になった元婚約者カリボスから、フェニキア国の王女アンドロメダを救い出し求婚する。

その婚約の最中、神への侮辱を怒るテティスが現れ、30日以内にアンドロメダをクラケンへの生贄に差し出さねばフェニキア国を滅ぼすと告げる。

アンドロメダを、フェニキア国を救うため、ペルセウスはクラケンを倒す唯一の手段、メデューサの首を取る危険な旅に出る……といったお話。

 

先日、リメイク=2010年版を観た影響で、こちらも観たくなったんですがね。

もちろんリメイク版のビジュアルは解像度も高くて目を楽しませてくれますが、オリジナル版から入った年寄りとしては、こちらを捨て置く事はできません。

レイ・ハリーハウゼンさんによるダイナメーションは、歴史に埋もれたとしても忘れたくはない映画技術の一つでもありますしね。

特に若い人なのかな、あのカクカクした動きを古臭いと一笑に付す人も少なくないですが、伝説やら神話やらといった遥か昔の時代を描いた作品だからこそ、古い手法を以て描く方がもっともらしく見える気がするんですよねぇ、オジサンにとっては。

テティスの石像の頭が崩れ落ち、それが本物のテティスの顔と重なるカットなんか今の目で見てもゾッとしますよ。

 

ダイナメーション=要はコマ撮りの事ですが、この手法を以て描かれるクリーチャーが、本来は不気味なはずなんだけど愛らしく見えてしまうんですよ。

モデルを少しづつ動かしながら1コマづつ撮るというアニメと似たような手法なんですが、クリーチャーが映っているカットでは、常にどこかしらが動いているという芸の細かさはまさに職人芸。

それに加え、クリーチャーのモデルと実際の人間が同一画面で絡むカットがあったとして、この時の合成がキチンとシンクロしているのが相変わらず素晴らしい。

クリーチャーが物を投げる→人間がそれをキャッチするカットがあったとして、これがヘタな合成だとキャッチするジェスチャーが早かったり遅かったりしますが、このタイミングが常に完璧なんだから、地味に驚異的です。

メデューサやクラケン等、それぞれの名をキャストとして表記しているエンドクレジットにも、クリーチャーへの愛を感じさせてくれます。

 

神の中でも一番偉そうなゼウスが、人間の王女ダナエを愛した結果、ペルセウスが生まれます。

つまりペルセウスは、神様が人間を相手に不倫をして生まれた子なんですよね(ダナエにとっては不可抗力でしたが)。

現代においても一部の既婚者が不倫を止めないのは、神様ですら悪びれもせずに不倫をしてるからなんでしょう。

ここ数年の異常に過剰な不倫バッシングも、あんまやりすぎればゼウスの怒りに触れて日本が滅ぼされてしまうから、ヤフコメ等でご意見番を気取るババアの皆さんはホドホドにして下さい(笑)。

そもそも、ゼウスの本妻であるヘラが特に困った様子を見せていませんが、アンタがキツく咎めないからこんな事になるんやで…。

 

ハッキリ言わずとも」、本作はB級作品です。正確にはB+作品かな。

そんな作品でありながら、キャストの豪華っぷりが意外です。

ローレンス・オリヴィエさん、マギー・スミスさん、クレア・ブルームさん、ウルスラ・アンドレスさん等々といった並びを先に見れば、まさかこんな作品だと思う人は少なくないでしょう(笑)。

逆を言うと、あちらの人は後の仕事に悪影響が及ぶとは考えないからこそ出演してくれるという意味で、この手の作品に偏見がないんでしょうね。これぞベテランの余裕ってやつですよ。

 

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映像特典は、ハリーハウゼンさんのインタビューやクリーチャーにスポットを当てた証言集。

…つーか、ダイナメーション作品のBlu-rayってなかなかな発売されませんねぇ。シンドバッドシリーズや『アルゴ探検隊の大冒険』とかリリースして