観た、『タイタンの戦い』 | Joon's blog

Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『タイタンの戦い』を観ました。2010年版ね。

 

神が人間を創った時代。

神々への冒涜を繰り返す人間らに業を煮やした天界の王ゼウスは、冥界の王ハデスにそそのかされ、人間へ罰を与える事を許す。

アルゴスの兵士が神の裁きを受けた際、ペルセウスが乗った船が巻き込まれ、両親と妹を失ってしまう。救助されたペルセウスはアルゴスの都に連れて行かれ、ケフェウス王が催する宴に参加する。

その中で、妃カシオペアが神を侮辱したところにハデスが現れ、王女アンドロメダを生贄として差し出さねば、10日後に魔物クラーケンを放ち都を滅ぼすと宣告する。そこでペルセウスは、自分がゼウスの子である事を知る。

自分が生まれた時より陰で見守って来たイオより出生の謎をを聞いたペルセウスは、半神と揶揄されながらも、数人の兵と共にクラーケン打倒の手段を求める旅に出る……といったお話。

 

ギリシャ神話をモチーフにしたお話です。

若い頃に学んでおけば、こういうのがスッと入ってくるんだろうなーと、いい歳こいてから後悔。他にも、映画のモチーフになりやすい聖書とか三国志とか忠臣蔵とかね。

将来、洋画を楽しめる大人になりたいと思う中高生の諸君は、世界史をよく学ぶといいと思いますよ。

本作に関しては、そんな小難しい背景なぞ気にせずに楽しめる、典型的な娯楽作だとは思います。

適度な尺(106分)で、かったるいシーンも少なく、その日のうちに次作が見たくなるテンションで観終えらました。

 

2010年版と加えましたが、同名タイトルのオリジナル版は1981年に作られました。

知る人ぞ知るレイ・ハリーハウゼンさんの手によるダイナメーション=コマ撮りにより、クリーチャーを動かしていました。

本作でのクリーチャーは、映画技術の進化の象徴であるCGにより表現されますが、オリジナル版を知っている身としてはやはりダイナメーションが恋しくなりますね。

だからってCGにも良いところはありますし、緻密・豪快・滑らかに動くクリーチャーは見応えがありますよね。いかにもテレビゲームっぽいというか、ひと狩り行きたくなるような感じにも見えるんですが(遊んだ事はないけど)。

本作を面白いと感じる人の多くは、ゲームをよく遊ぶ人だろうと推測しますが、はてさて…。

 

CGにより生まれ変わったクリーチャー群の、緻密な質感や滑らかな動きは見どころの一つです。

クライマックスのクラーケンなんて、オリジナル版を至上とする年寄りでも舌を巻くような迫力です。必殺のアイテムを持ってはいるものの、もはやどこから手を付ければいいのか分かんないくらい。

…そうそう、オリジナル版に登場したクリーチャーはほぼ登場していますが、ケルベロスは欠勤(遅刻?)のようです。

 

本作の主人公ペルセウスは常に怒っているような感じで、あんま近付きたくないというか、好感は持ちにくいですね、正直。

それと言うのも、自分に関しての色々と受け入れ難い状況を抱えすぎているが故の苛立ちから来るものなのかもしれませんね。ただ、せめてゼウスにはもう少しの情を見せても良かったかな。

イオといい仲になるのは結構だけど、あんま好いてる感じじゃないし、ラストのゼウスの配慮もそこまでありがたく感じていないんじゃないかな…(笑)。

反面、ヒーローとしては逞しく心強い存在です。黒いペガサスを駆る姿もカッコ良いんですよ。


神は人間の信仰により生き永らえ(不老不死と言っちゃうレベル)、そんな神の加護により人類は存続できるといった関係性が描かれます。どちらかが増長すればこの関係のバランスが崩れ、本作のような争いが起きてしまうというね。

本作を観て思うのは、まぁ神も人間も好き勝手やりたくなる時があるんだよなと(笑)。

この辺、無宗教国家で科学的根拠ばかりを追いかけたがる日本人にはピンと来ないというか、絵空事や他人事くらいに思うんでしょう。どちらかと言えば俺ッチもそちら側ながら、我々の運命を司る見えない力のようなものは少なからず感じますが、それこそが神の力なのかなと。

余談ながら、アルゴス国の王女カシオペアが、娘アンドロメダの美しさは美の女神アフロディーテに勝っているとかチョーシこいた事に神が怒りますが、そこにハデスが出てくるのはチト違うよなぁ。ここはオリジナル版の描写の方が恐怖です。

 

キャスト的な見どころとしては、両氏ともに神を演じるリーアム・ニーソンさんとレイフ・ファインズさんですね。しっかり共演しているのも熱い! 久々に『シンドラーのリスト』が観たくなるなぁ(そして観終えて重い気持ちになる)。

 

************************

************************

************************

************************

↑3番目は、次作『タイタンの逆襲』との2枚組セット。お買い得でオススメだったんだけど、もう売ってないね…。

 

にしても、レビュー数がとんでもない数字になってますが、そんなに注目された作品だったのかねぇ。

ああいうレビューって、100や200を超えてる時点に書き込んだところで、自分のレビューを読んでもらえると思ってるのかなぁ。