『アメリ』を観ました。
幼い頃から独りぼっちだったアメリは他人とのコミュニケーションが上手く取れず、空想の中に自分の居場所を見い出していた。そんなアメリも成人し、カフェで働くようになる。
ある日、アパートの壁から古い子供の宝箱を見つけたアメリは持ち主を捜し出す事を思い付く。何とか宝箱を持ち主に返せたアメリは、他人への親切に喜びを感じるようになる。
その後もアメリは寂しい者には幸せを、意地悪な者には小さな困り事を与える。
ある日、駅で出会った青年ニノにひと目惚れしたアメリ。しかし、自分の事となるとなかなか勇気が出せず……といったお話。
“カワイイ”が満載で、2001年の作品ながら今の若い女子にも受けそうな作品です。
ファッションやパリ(のモンマルトル)の街並みや小物に至り、オシャレ感に溢れたビジュアルが見た目を楽しませてくれます。さすがフランス映画。
まぁ、いい歳こいたオジサンが思う“カワイイ”が、どこまで女子に通じるかは分かりませんが(笑)。
起承転結の“結”がないまま終わるような(笑)、難解なイメージのあるフランス映画の先入観を払拭できるような、もう少し万人向けな作品です。
平たく言えば、アメリがニノに告白するまでを描いた話ですが、実態としてはアメリの奇行を見守るお話です。お相手であるニノの方も、通報されやすい趣味を持った奇特な人ですが(笑)。
アメリが想いを伝えるために様々な策を練る一例として、ニノを呼び出し、そこかしこに描いてある矢印を辿って自分を探させます。チト古臭い手ですが、そんな程度の作戦しか思い付けないほどにアメリは奥手であると同時に、回りくどい仕込みに時間を掛けるのが趣味の域に達しているような感もあります(笑)。
よく通う八百屋のアルバイトがイビられている事にカチンと来たアメリは、店長への報復として小さなイタズラを仕掛けます。合い鍵を作ってまで部屋に潜入した上で、ちょっとした嫌がらせをしますが(地味にストレスが溜まる!)、だからって警察が登場しない作風が小粋です。
端から見れば大きなお世話であっても、自分の行動のおかげで他人が幸せになるのは嬉しいものです。
アメリはそこに快感を覚えたんでしょうね。アメリは幼い頃から引きこもりのような、他人との接点が皆無に等しい生活を送ってきましたから。
アメリを取り囲む人々が幸せになる様を見てほっこりするのも、本作の楽しみ方の一つだと思います。
何やかんや、文字通り紆余曲折を経てアメリはニノと結ばれますが……あれだけ奥手だった割に、そこから先の行動は早いな!
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Blu-ray版の映像特典はメイキングやインタビュー等々、まぁまぁの分量。野沢那智さんや池田昌子さんが出演している吹替版もいいですね。
…が、どうやら現在は絶版に近い状態のようです。
そんなタイミングで(?)、近々リマスター版としてリバイバル上映するようです(not関東圏でも順次上映するそうな)。オサレ女子は観に行ってくるべし!