『ザ・スクールコップ』を観終えました。
大まかな粗筋と、序盤の雑感はコチラに。
…って事で、最終回まで観終えました。
問題のある学園に潜入→調査→解決というのが基本的な流れで、これを数話に分けて1編とする構成です。1~5話が追分学園編、6~9話が聖山女学院編、みたいな数話完結方式というか。
それ故に1編ごとに連続性はあるものの、全編を通してのこれが皆無なので、連ドラとしての面白さは欠けています。
何より、キャラの環境に進展がないんですよね。
例えばおケイとトン子は事件が解決すると少年院に逆戻り、新たな調査が始まるたびにシャバに出られるという感じで、続編が始まると前編の設定にリセットされてしまうのがもどかしく感じたかな。含みを持たせておきながら、お父さんとの関係はどうなったんだ、おケイよ…?
多くの人がイメージする大映ドラマの“あんな感じ”を期待して見ると肩透かしを食うと思います。大映ドラマと言っても、コメディ刑事ドラマとして見るのが正解なんでしょうね。
刑事ドラマなので基本はシリアスなムードで、事件の調査も進展し、さて次の行動に移るぞ……といったタイミングで「大介さぁ~ん!」「やぁさ~ん!」と始まっちゃうんだよね(笑)。緊張感の緩和としてこれをやるのはいいけど、水を差された気分になる方が強いんですよ。
そんな大介の邪魔をするのは祥子と千代丸だけではなく、内部監察官の香川も同様。スクールコップとして行動する大介を怪しむ、ネチネチと主人公に付きまとうTHE大映ドラマな感じのイヤなキャラになるのかな……と思いきや、そう思わせたのは1話だけで、あとはもう完全にコメディ担当に堕ちてしまったのが不憫でなりません(笑)。
設定的に痛快感がありそうで実はあまりないのが残念でしたが、キャストの好演が魅力です。
大映ドラマのレジェンドが数多く集まる中(本当に多い!)、そこに混じる仁藤優子さんとマッハ文朱さんが最高です。
仁藤さんが演じるトン子は口よりも先に体が動くようなキャラで、常に大暴れしたい欲に駆らている(笑)ヤンチャな子。これを元気いっぱいに演じている仁藤さんが可愛いんですよ。おこりんぼの人魚にはポニテがよく似合う!
マッハさんが演じる明子は少年院の教官で、暴走というか暴発しやすい(笑)おケイとトン子を御する姉御キャラ。長身も含め、これが実にハマッてるんですよね。クライマックスの大立ち回りに参戦する事がたった1度しかなかったのは勿体ない!
ところで、明子の店によく来る常連客(演じるのは藤本正則、改め見栄晴さん)のミステリアスさは考察のし甲斐がありそう(戸塚院長の密偵だったり?)。
数話を1編とする作りなので、1時間枠の連続シリーズではなく、2時間枠=スペシャル版として不定期的に、もっと作られても良かったと思うんですよ。キチンとした終わり方でもなかったしね。
メンバーを入れ替えながらも大介の遺志は脈々と受け継がれ、現在でもスクールコップは存在し続けている……といった感じで新作でも作れないかね?とも思うけど、教師よりも生徒の方が強い立場にある現代にはナンセンスな話かな…。
ところで……残念ながら、TOKYO MXの早朝5時枠、当ブログ限定の別名であるスーパー大映タイムは本作で終了のようです。なんてこったい。
気になる後番組は『振り返れば奴がいる』との事ですが……違うんだよMXさん、俺たちが観てぇのはそんなんじゃねぇんだ!
ここまで来て『アリエスの乙女たち』をやらないなんて…!