『エイリアン:ロムルス』を観てきました。
そこまで人気もなさそうだし、公開から5日しか経ってないのに劇場プログラムが売り切れ……おかしいだろ。
陽の光も差さない植民惑星ジャクソンで、ウェイランド・ユタニ社の社員として働くレインはこの星に限界を感じ、惑星ユヴァーガへの移住を決意する。
亡き父の形見であるアンドロイドのアンディを始め、仲間と共にジャクソンを脱出したレインらは廃墟と化した宇宙ステーションに辿り着く。
転がっていたアンドロイドのモジュールをアンディにセットしてアクセス権を得た事で、ステーション内の機能が復旧。それにより謎の生物が覚醒し、レインら一行を襲い始める……といったお話。
真っ先に思った事として、良くはないけど字幕はしっかり読める程度の視力ながら、ほぼ全編を通して暗いシーンが多すぎてよく見えないのが大ストレスに感じました。
視力に自信のない人は、いつもより何列か前の座席を選んだ方がいいかもしれませんよ。気休めだろうけど。
本作は第1作=『~(1)』の後日談です。
もし今からシリーズを追いかけようとする新規さんは、先に元祖の『~(1)』を先に見てから本作を見るのがセオリーですが、そこから『~2』を見る事なく、あえて見るのを本作までに留めておくのも一つの手です。
というのも、本作はもう一つの”エイリアン2”とも呼べるからです。
近年、『~(1)』の監督でもあるリドリー・スコットさんのエイリアンシリーズに関する言及を読む機会が増えましたが、『~2』から『~4』の監督をできなかったのが残念(or不服)に感じているようです。
本作では製作を担当していますが、本来は監督よりも力がある製作に回る事で、もしかしたら『〜(1]』の後にやりたかったアイデアを意見しているかもしれません。
それ故、本作はリドリー版としてリブートした“エイリアン2”と呼んでもいい作品になり得る可能性を秘めているんじゃないかと。
その辺は本作に続編があるかどうかで決まってきますが、個人的にはもうエイリアンシリーズはこの辺りで手打ちにしておく方が良さそうな…。
エイリアンは色んな進化をしてきたけど、妊娠している宿主に寄生したらどうなるんだろう?という疑問に対しての一つの解答を見せてくれますが……「違う、そうじゃない」どころか「ダッセーからやめてくれ」と。
同じように感じる人は、『~3』は許せても『~4』は許せないと思うんですが……どうでしょ? 個人的はエイリアンの生態やら進化やらには、さほど興味はないので…。
そんなエイリアンの進化云々についてはさておき、個人的にはアンドロイドもエイリアンシリーズには欠かせないファクターです。
人間の味方に見えて、そう見せていても実は会社の利益を大優先するという面従腹背の象徴というか、作劇的にもスパイのような存在として機能しているんですよね。
本作に登場する2種類のアンドロイドのうちの1体は、レインの亡き父より娘を守るように言い渡されているアンディ。疑似的ながらも弟として設定されているせいかレインには従順な姿が健気で健気で、青年の姿をしていながらも可愛げがあるよね(笑)。
情で結ばれている人間とアンドロイドとの関係が描かれているのが新鮮です。
そして、もう1種類のルークに関しては……あまり言及しない方がいいかな?
ロムルスというサブタイトルも謎。いや、“謎”と呼べるほどの深さはないかな。
ロムルスとレムスと名付けられた二つのブロックで構成された宇宙ステーションとの事ですが、ほとんど意味がないんだよね。”エイリアン:レムス”というタイトルでも何も問題はないくらい。
…って事で、後日、劇場プログラムを買ってきました。
車で数10分程度の距離だからまだ良かったものの、交通費やら時間を掛けて観に行った作品のプログラムが売ってなかったなんて言われたら、不条理で憤死しそうだぜ。
公開開始翌週の土曜日には入荷していたようです。書き入れ時でもある土日に定番商品が置いてないという事態はないだろうという浅い予想でしたが、買えて良かった良かった。
ちなみに990円。キャスト&スタッフのインタビューが主で、写真はかなり少なめです。
シリーズのおさらいや紹介としてタイムラインが載っていますが、ここにプレデターとの関連作はないのが好印象です。リドリー監督もあの辺を嫌っているのは心強く感じます(笑)。
リドリー監督と言えば、の代表作の一つでもある『ブレードランナー』のラストシーンはスタンリー・キューブリックさんから譲ってもらったという話は有名ですが、これについての経緯を知れたのは収穫だったかな。