またまた『チャイナタウン』を観ました。
前回の鑑賞記はコチラから。
ようやく本作の面白さ(の断片)が分かってきました。と同時に、こりゃ1回見ただけじゃ分かりにくいよとも思いました。
というのも、これはBlu-ray版『エイリアン』を観た際にも綴ったんですが、あそこまで酷くはないけど、字幕の情報量がやけに少ないんですよ。
何回も観て、ある程度の台詞が頭の中に入っている人に向けて、どこまで字幕の量をスリム&省略できるかに注力したような、一見さんにとっては超不親切な仕様です。
割と有名らしい”忘れろ、ここはチャイナタウンだ”というセリフも『チャイナタウンだよ』というアッサリぶりで、何のこっちゃって感じ(笑)。
お話が複雑な作品とこういう簡素化字幕が結び付くと、下手をすれば駄作として評価が下される事にも繋がるんじゃないかと。分かりにくかったからって、分かろうとするためにわざわざ再見する人なんかあまりいませんからね。
『ストリート・オブ・ファイヤー』のBlu-ray版よろしく、別バージョンの字幕も収録してくれるといいんだけどなぁ。
ギテスの言葉の端々にチャイナタウンというワードが出てきますが、その様子は特に明確には描かれないものの、ギテスの心が荒んでしまった一因であり、苦々しい思い出がある街である事は見て取れます。
ギテスの過去に何があったかを知ろうにも、意外にも本作は映画オリジナル脚本との事なので、分かりにくい部分は原作を読んで補完するという真似はできません。
わざわざ回想シーンなんて見せないあたりが映画的で良いんですよ。
ギテスの探偵事務所はけっこう広く(賃貸かもしれないけど)、社員&秘書を雇えるあたり、映画に登場する探偵にしては割と大きい規模でやっているようです。
ジャック・ニコルソンさんが演じてるせいかチト評判も悪いようだけど(笑)、探偵としてのギテスは一流のようですからね。
それを表す描写として、車で移動した時間を知るためタイヤの下に懐中時計を置いたり(時計が壊れて止まった時刻が車が移動した時間)、車の片方のブレーキランプを壊して他の車と見間違えないようにしたり、これをクドクド説明せず、いつもやっている事のようにサラッと描くのがクールです。
ノア・クロスは映画史に残る悪役とされているようですが、そんな事を言ってるのはネット特有の面白半分な過剰な誇張に思えるものの、なるほど、そう思われるのも当然です。
そんな悪役として憎まれるのは、住民を陥れて利水関連でボロ儲けした事、または娘イブリンに対する仕打ちのどっちなんだろう?
どちらも悪どい事に変わりはないけど、後者に関する方が同情票(?)が集まりそう…。
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