『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を観てきました。
公開初日の話題作という事で、客席は8~9割くらい埋まっていて、スマホ関連で迷惑を掛けるクズがいたらどうしようと思ったものですが、そんな人はいなかった(正確には気付かなかった)ので心地よく楽しめました。
コーディネイターとナチュラルによる人種間の争いは終わっていなかった。
オーブ連合首長国のカガリが代表となり、世界平和監視機構=コンパスが発足。かつての大戦で活躍したキラやラクスは中心メンバーとなり、未だに絶えない小さな紛争を鎮静させていた。
そんな中、コンパスは新興国であるファウンデーション王国より、ナチュラルの過激派ブルーコスモスの首領であるミケールの逮捕を提案される。ファウンデーションの宰相であるオルフェと、彼を取り巻く親衛隊ブラックナイトらとともに、コンパスは合同で作戦を執り行う事に。
その作戦の中、何者かによる干渉を受け混乱をきたしたキラは敵地の不可侵領域を超えてしまう。これに端を発し、キラは両軍から攻撃される事になっただけでなく、核ミサイルがファウンデーションに向けて発射され……といったお話。
観終えてひと言、ま~卑怯な映画だったなと。
なにしろ、これまでSEEDシリーズを見ていた人なら絶対に熱くならずにはいられない見せ場が多すぎです。
SEEDシリーズのファンはアバタもエクボ的な、盲目的に褒めちぎる人が多い印象ですが、そんな人たちが周りに誰もいない状況で本作を見たらドバ泣き確定なんだろうなぁ。
ガンダム学においてSEEDは必修科目だから見た程度の俺ッチですら、ゾクゾクするシーンが随所にありましたからね。
…という事で、本作は数あるガンダム映画の中で、カタルシスMAX値を遥かに突破した、痛快度がズバ抜けて高い作品だったと断言します。
もう近頃はロボット描写に関してはどーでもよくなっているので、新モビルスーツがどうとかネットで盛り上がっているのを冷ややかに見ていたものです。
…とは言え、ロボットに傾倒していた時代もあった身としては、やっぱり血が騒いでしまうところも多く、しっかり釣られてしまいました。
なにしろ、クライマックスの戦闘シーンでは汗をかくくらいに熱くなってしまったものでね。本作の魅力が集約されていると言っても過言ではありませんよ。
ここは早々にネタバレされるところだから、見に行く気のある人はオモチャ関連の情報はシャットアウトしておくように!
公開から3週間くらい過ぎても売り上げには影響がないどころか、少しくらい焦らした方が売れると思うから、バンダイは少し黙ってなよ?
他のガンダム作品もそうですが、特に『~SEED』の世界は、作品が終わっても劇中での争いがなくなる事はなさそうな状況です。
それ故、戦争根絶のためのノルマが山ほどあるから、どうせ片付かない問題より、戦争を起こさせないようにするためにはどうすればいいか?と論点をちょっと方向転換した感じです。
そこでキラとラクスの関係がフィーチャーされるようになるんですが、そもそもテレビシリーズの時からこの二人って、そんなに好き合ってるように見えました?
世界を守りたいとか思いがどうとか思想みたいな話ばっかりで、本作でもデートのシーンがありましたが、相変わらず堅っ苦しい話ばっかしてるんだよね(笑)。プラトニックはけっこうだけどストイックすぎるんだよ。
その問題(?)に着地点を与えるのも本作の見どころだと思います。
キラが凹みすぎて理性が崩壊するシーンは泣きそうになりました。
何でもかんでも御存知的な、まるで仙人のように達観した視点で事態を見透かしてきたけど、やっぱりキラも人間(どころか、ほぼ少年)ですからね。これまで自分を殺してきたキラが他人を1ミリも気遣わず(!)、言葉を選ばずに自分の本音を吐き出すなんて初めてじゃないでしょうか?
演じる保志総一朗さんの演技が真に迫っていたのも相まって、戦慄すら感じるシーンでした。
そっちはいいんだけど、予告編を見て感じた懸念は変わらず、保志さんが鼻声のままだったのは残念ポイント。アフレコは2回に分けて行われたのなら録り直しても良かったんじゃない?とも思うけど、↑と同じ芝居はもうできないだろうな…。
浅い人からすれば冷やかしの対象になるんだろうけど、個人的にラストシーンが実に秀逸でした。
科学文明を捨て原始に還る、人間関係の根っこを感じさせる良いシーンだったと思います。テレビシリーズのオープニング映像の観点が変わりました。
あんな終わり方を見てしまえば、さらなる続編を望むのは無粋ですよ。
…と、本作の話は以上にして、このところ、見たい映画は公開直後に行くようにしているという話を。
一つはネタバレのシャットアウトに関してですが、ネットを見て暮らしている以上、これはなかなか避けにくい問題。
新製品の宣伝という名目で作品に登場するキャラクターを公開したり、ネットニュースの記事の見出しにしたりと、映画が持つイベント性に水を差すテロリストのような連中が多すぎるんですよ。
オモチャの宣伝に関しては映像ソフトや配信が始まる頃でいいし、ネットニュースに関してはライター名を記載したりして、どうにか抑止できないものかなと。
二つ目は劇場プログラム。
滅多になさそうに思えて、1週間もしないうちに売り切れる事がままあるんですよ。記念や履歴や副読本として、観に行った作品のプログラムは必ず買う俺ッチとしては、これは死活問題。
過去には『トップガン マーヴェリック』レベルならまだしも、意表を突かれたところでは『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』(佐藤健さん効果おそるべし…)で、そんな珍事に遭遇しました。
まぁ、今や劇場プログラムどころかリーフレットまでもが転売される世の中ですからね、商材という視点で買って行く人も少なくないんでしょう。できれば鑑賞券を持った人にしか売らないようにして欲しいけど…。
逆に、入場者プレゼントは別に要らないんですよ。
もらっても興味がないけど捨てるのは勿体ないという貧乏性根性なので、ずいぶん貯まってしまいましたが…。
入場者プレゼントに関しては、あくまで映画鑑賞のついでにもらえる抱き合わせ品みたいなものだから、こういう物こそ転売品に向いていると思います。
買ってくれる人がいるなら売りたいけど、販路の開拓が億劫で放置したままです…。
☆ 追記 ☆
劇場での物販品が枯渇気味だそうです。
ソッコー駆逐されるのはガンプラみたいだけど、こっちは(何故か)プレバンでも販売するので、本気で欲しい人は劇場で買わなくても良いと思います。
が、劇場プログラムが売り切れるのは困りますね。豪華版は品切れが続いているようですが、設定資料が多めという売り文句の割には、公式サイトにある情報の方が多いというナメっぷりなので、通常版で十分じゃないかな。