『エクスペンダブルズ』を観ました。
ソマリア海域に現れた武装海賊を退治した男たち。彼らは自らを消耗品=エクスペンダブルズと名乗る最強の傭兵チームに、
今日も新たな依頼が舞い込む。その内容は、人口も僅かなヴィレーナ島で軍事政権を樹立させた独裁者ガルザ将軍の抹殺。
リーダーであるバーニーは仲間のクリスマスと共にヴィレーナ島への調査に向かう。現地の案内人であるサンドラと行動する中、ガルザの手下と交戦する羽目になったバーニーらは島からの脱出を図る。
ヴィレーナ島の真の元凶はガルザを裏で手を引いている元CIAのモンローだった。実はガルザの娘だったサンドラが気になるバーニーは、たった一人で再びヴィレーナに向かう。かつての仲間だったガンナーがモンローの元に身を寄せている事を知らずに……といったお話。
腕っぷしの強い男たちが軍隊を相手にズガガガガ&うおおおおと戦う、ありきたりなアクション作品です。
…が、それを覆すのが本作におけるキャスティングの妙。
全員を列挙はしませんが、製作側として中心人物にもなっているシルベスター・スタローンさんを始め、80~90年代のアクション映画で体を張ってきた俳優が勢揃いしているんだから、何とも豪華この上ない贅沢な作品です。
60~70年代のハリウッドの大作にはオールスター映画と呼ばれるものがありましたが、あれらに比べれば規模は小さいながら、本作も立派にオールスター映画しているんですよ。
別名、彼らの黄金期の作品群を知っている初老ほど、内容はどうあれ、キャストの並びだけで熱くなれるというかね。40代未満の若造は付いて来んな(笑)!
そんなオジサンとしては、アーノルド・シュワルツェネッガーさんやブルース・ウィリスさんが出演している点に熱くなります(個人的にはウィリスさんはあまり思い入れはないんですが…)。
けど、蓋を開けてみれば、あくまで“出演”であって、大して共演はしていないんですよね。絶妙にスリーショットも実現できてないし。
ランボーとメイトリックスが背中を預け合って戦うようなシーンを期待していたんですが…。
個人的にはジェット・リーさんの登板が嬉しいですね。ハリウッドに進出した頃の作品はよく観ていたのでね。粗筋を読んで失笑した『ダニー・ザ・ドッグ』から見なくなりましたが(リュック・ベッソンじゃなぁ…)。
そんなリーさんもエクスペンダブルズの一人であるヤンを演じていますが、序盤では違和感を抱きまくりです。だって、リーさんは銃火器を持たせるより、カンフーアクションで闘う方が強いしカッコ良いじゃん!と。
リーさんの無駄遣いというか、宝の持ち腐れになる可能性も感じましたが、危惧に終わってくれて安心。もちろん、若かりし頃のキレッキレの動きとまでは行きませんが、こうでなきゃ!と思わせるシーンもあったのは良かったですね。
アクションシーンにはチト見づらいというか、何が起きているのかが分からないカットが多めだった点にはストレスを感じました。
映画の中の映像にはダイナミズムというか抑揚があるもので、アクションシーンは1カットを短くしてスピード感を表すものですが、この1カットが短すぎるんですよ。バーニーたちが宮殿の廊下で闘うシーンとか、誰と誰がどうやって戦っているんだ?みたいな。
先にも綴ったように、本作を意欲的に観るのは初老のオジサンなんだから、もう少し分かりやすくというか、見えやすくして欲しかったですね。若い人にはちゃんと見えているんですかねぇ…?
エクスペンダブルズは銃火器や刃物で闘う兵士という事で、もちろん怪我は負うものの、誰も死なないのが意外でした。
メソメソさせるようなシーンなんて要らねぇ! 熱く闘うむさ苦しい男たちには涙は無用!と開き直った作風が潔いですね。女キャラの登場は仕方ないにしても、エロ要素がないのも好印象です。
****************
****************
****************
Blu-ray版は吹替版も収録していますが、こちらの声優陣もオールスター級! 吹替のキャスティングした人、グッジョブにも程があるでしょ!
俺ッチは吹き替えマニアではないけど、この面々を知ってしまえば吹替版は必見というか、必聴を迫られているようなものですね。
****************
****************