『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を観ました。
2009年の春、マイケル・ジャクソンは全50公演のコンサート『THIS IS IT』の開催を発表する。
それに向けて世界中のパフォーマーが集結、マイケルと共に入念なリハーサルを重ねる光景を追い続ける……といった内容。
キング・オブ・ポップことマイケル・ジャクソンさん、いや、親しみを込めてマイケルは2009年6月25日、50歳で亡くなりました。
常に追いかけてるわけではなかったけど、俺ッチの生涯で最も好きな歌手は誰?と訊かれれば、即答でマイケルと答える俺ッチですから。そりゃマイケルの死にはショックを受けました。50歳なんて、まだ死ぬべき年齢じゃないしね。
でも、そんな歳で亡くなって良かったと思う気持ちも少なからずあるんですよ。
50どころか40も過ぎれば、ほとんどの人間は身体的にもターニングポイントを迎えます。仮にマイケルが50,60と年齢を重ねたとして、我々を楽しませてくれた若かりし頃のようなパフォーマンスが思うようにできなくなるのも当然ですし、老いて精彩を欠いたマイケルの姿なんて見たくないじゃないですか?
…とは思うものの、本作におけるマイケルを観る限り、50歳にしてなお余裕のあるパフォーマンスができているのを見てしまうと、せめてあと5年くらいは現役で頑張って欲しかったなぁと、口惜しさに駆られます。
本来であれば同年にコンサートが開催されるはずでしたが、そんな理由から中止となったため、その穴埋めという意図からか、マイケルの個人的な記録映像を編集して作られたのが本作です。まぁドキュメント映像ですよ。
公開当時、俺ッチも劇場に足を運んだものの、マイケル最後の姿を見れるとは言えリハーサル映像集=中途半端なものにお金を払う事に抵抗を感じていました。
…ところがどっこい、実際に本作を観てみれば、単なる練習風景でも水準が違いすぎる事に驚きました。コンサート本番どころか、リハーサルでもお金を取れるレベルじゃない?
マイケルくらいの大御所であれば、ダンサーやコーラスといったパフォーマーへの指導はコーチのような人に全て任せて、自分は本番前日にのみ現れるって事もできなくはなさそうなところですが、マイケルはそうはしないんですよね。キチンと自分が手本となり、彼らと一緒になって歌ったり踊ったりする姿が実に真摯です。
時に意思の行き違いが生じても、
『怒っているんじゃないよ 、“愛”なんだ』
なんて言えるようなゆとり、なかなか真似できないですよね。
…と、この辺はあくまで本作を観て感じた事なので、カメラが回っていないところではどうだったのかは考えないようにします(笑)。
実際のコンサートではマイケルらがパフォーマンスをするのはもちろんの事、背後の大型モニターに映像を流す事も検討されていたようです。
この映像がちょっとした映画レベルで、けっこう作り込まれているので見応えがあります(Blu-ray版の映像特典に収録されています)。
マイケルとボギー(=ハンフリー・ボガードさん)の共演とか夢がありすぎる!
もしマイケルが亡くなっていなかったとしても、本作は作られていたんでしょうか?
というのも、本作にはマイケルが死んだ旨の情報は一切ないんですよ。まぁ、改めてわざわざ言わなくても、事実を知った上で見る人ばかりでしょうしね。
俺ッチは映画館で観た際、エンディングで流れるマイケル最新&最後の曲である『This is it』を聴きながら、「ああ、もうマイケルはいないんだ…」という気持ちになってしまい泣きましたよ。
今回の鑑賞もそうでしたが。『This is it』という曲を聴くたびに少なからずの心苦しさを感じてしまいます。
FOREVER、マイケル!
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Blu-ray版は映像特典満載。スタッフやパフォーマーのインタビュー等で、当然ながらマイケルの姿はありません…。
会場で流す予定だったショートフィルムも2編ほど収録されています。できれば『Earth Song』も欲しかったなぁ。
本作で流れた曲を集めた、ある意味のサントラでもあるCDもオススメです。
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マイケル入門としても良い選曲のアルバムですよ。