観てきた、『バービー』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『バービー』を観てきました。

 

 

人形たちが毎日ハッピーに暮らせるバービーランド。

今日も楽しく暮らす中、“定番の”バービーが死について考えた事から体調に異変をきたす。“変てこ”バービーが言うには、定番バービーを持っていた人間に変化が起きた事が原因のようだ。

定番バービーはボーイフレンドのケンと共に人間界に向かい、慣れない人間界に戸惑いながらも自分を所持していたサーシャを探す。一方、人間界の風潮に感化されたケンはバービーランドに混乱を招き……といったお話。

 

公開直前に妙な話題で周知度が高まっているようですが、よっぽど気高く生きている日本人が多いんだなと。俺ッチはそんな気取った生き方はしていないので、何の偏見もなく観に行ってきました。

俺ッチ同様、一人で観に来ているオジサンが割といたのは意外だったかな。

 

…では、そんなオジサンが何を目的に観に行ってきたのかと言えば、全てがピンクで基調されたバービーランドのビジュアルが面白そうだなと。

あのオモチャオモチャしたピンクの樹脂の成型色を再現している点だけでなく、セットや小道具にもオモチャ感があるのがいいんですよ。変形して病院になるとか、いかにもって感じ(笑)。

余談ながら、これは今日だけなのかな、

Googleさんまでバービー仕様だぜ!


ああいう人形系オモチャのもう一つの醍醐味と言えば、彼女らを住まわすためのお家。デカい&高いという理由で、なかなか買ってもらえないやつ(笑)。

それらが建ち並んだバービーランドの光景は壮観! これらを俯瞰する画は一種のジオラマのようで、この箱庭感が好きなんですよ。

本作のバービーランドを再現&闊歩できるオープンワールド系のゲーム、もしくは本作の世界を模したテーマパークとか受けるんじゃない? あの車に乗りたい女子って多いんじゃないかな。

 

バービー人形の主たる楽しみ方と言えば着せ替え(だと思う)という事でか、本作のバービー(たち)も何着も服を替えますが、60年代くらいのファッションを意識しているのかな、総じてレトロ可愛いんですよ。

…と感じるのはオジサンの意見ですがね、女子の感覚だとどう見えるだろう?

 

ビジュアル面については見どころ満載&見応え抜群の本作ですが……そんな明るくポップな画面とは対極的にメッセージが強すぎるように思えました。

キチンと虚実の境を付けるのが正しい映画の鑑賞法とは言え、SDG'sというお仕着せがましい宗教をチラつかせすぎるせいで、スゲー説教臭くなっているのが実に残念。

もっとコメディ寄りに、能天気な娯楽作品として楽しめる要素満載だったのに、何でそんな風にしちゃうのさ?と。

劇場プログラムにはスタッフ&キャストのインタビューが載っていますが、この辺に関する言及が皆無だったところに胡散臭さを感じます。

余計なお世話ながら、夫婦や恋人といった関係にある男女で観に行って盛り上がれる作品ではないと思いました。仲睦まじい二人が、観終えてから険悪な空気にならないよう祈ってます(笑)。


そんな胡散臭い話にシフトしていくのは、バービーたちが人間界に行ってから。

あれだけ明るくストレスもないバービーランドと、メンドくせー軋轢やしがらみにまみれた人間界との対比は、今の現実の世界に向けた最高級の皮肉と解釈していいのかもしれませんね。