『映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』を観てきました。
デザイアグランプリの最中に、突如現れた巨大なジャマト世界樹を破壊しようとする仮面ライダーたち。
しかし、仮面ライダーギーツが世界樹を破壊した瞬間、世界は4つに分裂してしまう。ライダーたちはそれぞれの世界に飛ばされ、全ての世界には必ずギーツ=英寿[エース]が存在するものの、普段とは異なる性格になっていた。
世界滅亡ゲームと称するこの事態を招いたのは未来の犯罪者メラとメロで、メラは3人の英寿を取り込んだ最強のキャラを生み出そうとするが……といったお話。
真っ先に思うのは、ビジュアルが壮大だった『映画 王様戦隊キングオージャー』の後に上映されるため、本作はどうしてもショボく見えちゃうのが気の毒だよねと(笑)。
英寿が4人に分裂するという事で、本編では見せない変なキャラの英寿も見どころです(まぁ元々が変わり者ではあるけど)。
「こんなの英寿じゃな~い!」というセリフもありますが、困った事に普段と違うのは他のレギュラーも同様で、いつもと脚本家が違うの?と思うくらい。先のセリフも、ツムリが言うなら“英寿さま”呼びでしょ?
運営やサポーターと言った未来人はほぼ登場しないし、まぁ夏映画は本編とは無関係の娯楽に徹した余興だと考えているので(それ故、未来人がほとんど出ないのも見過ごせる)、その辺はスルーするのがいい歳こいた大人の嗜みですね。
そんな中でも、せいぜいジーンくらいの未来人は出さなきゃだよね。鈴木福くんも本作には過剰に協力的だし(笑)。
そんなジーンと言えば、福くんはインタビューで前作『仮面ライダーリバイス』におけるバイスに近い役割をしていると言っていました。こういう分析&解釈ができるあたり、本当に福くんはガチ勢なんだな…!
『仮面ライダーギーツ』という作品は、お話の都合上、数多のライダー=プレイヤーが登場します。
テレビ版に登場したライダーを映画版に再登場させるファンサービスは嬉しいけど、その面々が色々と半端すぎました。何でその人たちだけ?みたいな。
ついでに言えば、あのクライマックス→ワンネス(フォーム)になるクライマックスを考えると、あと2人を加えて欲しかったですね。ジーンと沙羅(出番そんだけか!)あたり。
終盤のギーツは“9”にこだわって欲しいと思うんですよ。
本作の敵であるメラ=X[クロス]ギーツを演じるのはチョコレートプラネットの長田庄平さん。
近年のニチアサ作品には暗黙のお笑い芸人枠が確保されているものの(笑)、本作唯一の敵キャラ、しかもライダー、かつラスボスまで任せちゃって大丈夫かいな?とも思いますが、そんな疑念は無用でした。
文字通りの愉快犯であるメラはもちろん、Xギーツへの変身後のアフレコ芝居が実に達者で驚けるレベルです。変身後はアニメ声優に任せちゃうような寒い事態にならなくてよかったよ。
メラの相棒であるメロを演じる工藤遥さんも邪悪なギャル(笑)っぽい役を巧く演じていたと思います。個人的に、この人はニチアサ出身女優として成就して欲しいと願っているので、できれば10years afterまではこっちの界隈に戻ってきて欲しくなかったんですが…。
しつこく勧める劇場版プログラム(冊子の半分はキングオージャーです)。
資料性が高い割に安めというのもあり、2回以上観る人にもオススメです。
