『300〈スリーハンドレッド〉』を観ました。
スパルタにペルシアからの使者がやって来る。ペルシアの王クセルクセスはスパルタに対し服従を強いるがスパルタの王レオニダスはこれを拒否、ペルシアとの戦争を決意する。
100万と言われるペルシアの兵に立ち向かうスパルタの兵は僅か300人。レオニダスはスパルタへの進軍ルート上にある“灼熱の門”で迎撃作戦を展開。数で圧倒するペルシア軍を次々に撃退する。
そんな中、片輪者である事を理由としてレオニダスに拒絶されたエフィアルテスはペルシアに寝返り、難攻不落とされる“灼熱の門”を迂回するルートを密告した事でスパルタに敗色の兆しが見え始める。。
無敵を誇っていたスパルタ兵にも犠牲者が続出し、それでもレオニダスは屈する事なく戦い続け……といったお話。
劇中では明確にされていませんが、紀元前にあったペルシア戦争の中のテルモピュライの戦いを描いた作品です(にわか知識ゆえ、これ以上は言及しない)。
大軍を率いるペルシア軍に対し、スパルタ軍がたった300人で立ち向かったのは史実通りだそうで、圧倒的不利な状況からの逆転劇が痛快になりそうな、後年の映画(やエンターテインメント)向けの題材です。
…が、完全な痛快劇になり得てないのは歴史が証明しています…。
グラフィックノベルという、要は漫画(というより劇画)が原作との事。
漫画という荒唐無稽なビジュアルを再現しようとしているためか、カットの全てが絵画的で美しい!
原作が漫画となると、日本であればアニメにしてしまうんでしょうが、CGを多用しながらも実写でやってしまうアメリカの映画力はさすがですね。
濃ゆい髭! マッチョな肉体! ビキニパンツ!
そんなムサいオジサンが溢れ返る、男フェロモンがプンプンと漂う暑っ苦し~画も本作の特徴です。マニアックな女性に受けそうな(笑)。
そんな肉体を見せ付けながらオジサンたちが熱く闘うんですが、これが少々、いや、かなり過激。血しぶきが飛び散るのはまだしも、切断面をガッツリ見せるんだもんね。ここまではやりすぎですよ。
これは俺ッチ基準ですが、クセルクセス(のピアスだらけの顔)とかエフィアルテスの表現はもはやグロテスクで、見た目で嫌悪感を誘うようなビジュアルが多いように感じます。
タブーに触れる背徳に喜ぶのは若い人ならではの感性でしょうが、その辺に飽きてウンザリする元・若い人=オジサンはお断りな作品なのかもしれません。逆を言えば、若い人は血沸き肉躍るまでにテンションが上がるのかな。
監督はザック・スナイダーさん。
『エンジェル・ウォーズ』のもそうでしたが、こちらも本作同様ビジュアルが斬新で、漫画やアニメのごとき荒唐無稽なアクションシーンが印象的です。
そして、スッキリしない終わり方も同様です(笑)。両作ともアクションは熱いんですが、最後まで観てしまうと少々モヤッとするような。変な理屈を排して、痛快劇に徹してくれれば良かったのになー…。
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Blu-ray版はメイキング等の映像特典満載です。
予算がないから特殊効果は使わず、俳優は自身であの肉体を作ったってんだから、俳優稼業も大変だよねー。