観てきた、『聖闘士星矢 The Beginning』 | Joon's blog

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つ『聖闘士星矢 The Beginning』を観てきました。

 

神話の時代、ギリシャの神々は人間を苦しめていたが、女神アテナだけは人間を守るためにその力を行使していたという。

現代。行方不明の姉を探しつつ、地下闘技場の選手として闘う星矢。今日の相手であるカシオスとの戦いのさ中、星矢は不思議な力によりピンチを脱する。

そんな星矢を狙う謎の兵士たち。星矢はアルマンに救われ、彼の邸宅に連れて行かれる。

星矢に娘シエナを紹介したアルマンは語る。シエナは女神アテナの生まれ変わりで、先のカシオスとの戦いで見せた不思議な力、小宇宙[コスモ]を使える星矢こそがアテナを守る聖闘士[セイント]であると…。

にわかに信じがたい話ながらも、シエナを守るため、星矢は白銀聖闘士[シルバーセイント]のマリンの下で修業を始める。

その一方、アルマンの妻だったグラードは、強大な小宇宙を持つシエナを求め、カシオスを含めた兵士たちと共にアルマン邸に向かい……といったお話。

 

御存知、『聖闘士星矢』の実写化作品です。

『~星矢』は海外でもメディア展開されていますが、その際は『Knights of zodiac』という洋題になっているそうです。

だったら邦題は“ナイツ・オブ・ゾディアック”でよくない?と。

“星矢”と付けとけば認知度が高まるのは分かるけど、“The Beginning”まで付けたのは無粋ですね。後のシリーズ展開を想定した嫌らしい企みですが、かつて“序奏”と付けときながら、未完のまま終わった(断言)新シリーズがあった事を忘れているのか?

 

さて、そんな本作を観てきましたが、俺ッチがむしろ実写版肯定派というのもありますが、普通に楽しめました。

星矢関連の外伝やら続編は多々発表されていますが、オリジナル版以外に一つ作品を選ぶならどれ?と聞かれれば、俺ッチは本作を選びます。車田正美さんが描いている正統な続編すらさておいても(笑)。

『~星矢』という作品は海外ではこう解釈されているんだなという発見も多々ありましたしね。

 

その一つして、海外では固有名詞(や専門用語)って大して気に留めないんだなぁと。

字幕では聖闘士[セイント]、聖衣[クロス]といった専門用語を原作通りに使っていますが、映画内で使われる原語を聞き取る限り、聖闘士は“knight”、聖衣は“armor”と呼称しているようです(小宇宙はそのまま“cosmo”だった)。

『聖闘士星矢』というお話である以上、その辺の専門用語も世界観の一つだと思うんですが…。

ガンダムで例えれば、“モビルスーツ”ではなく“ロボット”と呼ぶようなものというか。

 

小宇宙を科学技術で解明できちゃうのはチト違うかな?

小宇宙をGPSのごとく検知できたりとか、いかにもデジタルかぶれな昨今に準じた考え方ですよね(お話としては都合がいいんでしょうが)。

東洋の精神的な神秘をあまり信じない欧米的な発想の表れにも思えますね。

 

お国柄の価値観にも差があるし、原作そのまんまの作品なんて作れるわけがないのは分かっていますが、どうにか原作に近付けようとしている努力は伝わってきます。

実写化に伴いリアルの要素を増やすのも含めて、ハリウッド変換がけっこう上手く行っているんじゃないかな?

大まかなストーリーはそのままに、キャラの出自は変えずに立ち位置だけを並び替える事で整合性を図るというかね。

原作とは描き方が異なるものの、木戸や沙織の関係性とか間違ってはいないでしょ? 星矢と沙織も、初めはもっとピリついた関係だったし。

 

みんな大好きな“原作リスペクト”(笑)も多めにあるので、意外に勉強しているのが見て取れます。

この世の万物は原子でできているとか、そうそう&これこれ!って感じ(笑)。

冒頭、アテナを巡って戦っているのがアイオロスとシュラだってんだから、よく分かってる。

海辺で星矢と話すシーンでシエナが着ていたワンピースとか、沙織のいつもの衣装を確実に意識しているよね。シエナと言えば、後頭部の髪に紫のメッシュが入っているのは意味深というか、含みを持たせているのが巧いですね。

原作では辰巳に当たるマイロックは戦闘の達人ですが、銃だけでなく警棒を使うあたり、これは竹刀を持たせたかったんだろうなぁ(防弾チョッキも欲しかった!)。

劇伴に関しても、また似たり寄ったりなハリウッド映画音楽かよと思いきや……このメロディはっ?と思わせる曲もあるので、こちらも必聴です。

 

日本では新田真剣佑さんが注目されていますが、脇を固めるキャストもいいんです。

個人的にはショーン・ビーンさん+ファムケ・ヤンセンさん=『ゴールデンアイ』!というのが真っ先に目に付きました。本作ではしっかり顔を合わせて共演していましたね。

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『ターミネーター3』でジョン・コナーを演じていたニック・スタールさんとか、実写版『ダブル・ドラゴン』(懐かしすぎる!)に出演していたマーク・ダカスコスさんとか、洋画通を唸らせるキャスティングが地味に熱いんですよ。顔はもうほとんど忘れていましたが…(笑)。

 

そう言えば、オモチャ発売の予定が聞こえないのは意外ですね。この手の作品にバンダイが絡んでこないのはいい事です(笑)。

余談ながら、エンドクレジットで聖衣関連だったかな、“TSUYOSHI NONAKA”とありましたが野中剛さんの事でしょうか? ますますオモチャが出ないのが意外に思えます。

エンドクレジットと言えば、スペシャルサンクスのところで、“SONNY CHIBA”の名前があったのは感慨深い…!

 

“これとかあれとか、原作と違う!”なんて意見は取るに足らない、一番つまらない感想ですね。間違い探しでもやってのかよと。

“実写版『ドラゴンボール』に次ぐクソ作品!”“やっぱり実写作品は最悪、大爆死ザマー!キャッキャッ”とか、永遠に同じ事を言ってハシャいでるアニメバカ)冷やかしも確実にありますが、そんなのに流されず、気になる人は見に行くといいと思います。

『聖闘士星矢』という作品を知らない人ほど、むしろ予備知識のない人の方が楽しめると思いますよ。