『ニンジャ★チアリーダー』を観ました。
米軍により奪われた日本刀を奪回した3人組。
その正体は短大生のエイプリル、モニカ、コートニーであり、ヒロシの道場で修行を積む彼女らは、先の日本刀の奪回により一人前のニンジャと認められる。
美人で成績も優秀な彼女らは、学校ではチアリーディング部に属し、夜はヒロシが経営するストリップバーのダンサーとしても大人気。近々行われるダンスコンテストの賞金を大学進学の資金にするために優勝を目指す。
ある日、3人がヒロシの店に寄ると、店は荒らされ、ヒロシも何者かによりさらわれてしまう。
店の権利書を要求するラザロに行き着いた3人は、ヒロシを救い出すために行動を開始。しかしラザロは、かつてヒロシに破門されたキンジを用心棒に雇っていて……といったお話。
いわゆるB級にクラスされやすそうなタイトルで、まーた日本の配給会社がテキトーな邦題を考えたんだろう?と勘繰ってしまいますが、原題は“NINJA CHEERLEADERS”……や、そのまんまでした(笑)。
ニンジャと来てチアリーディング、そしてこのジャケットを見れば、“こんなキレイなお姉さんたちがセクシーな衣装で画面狭しと大暴れするんだろうな~ワクワク”と予想(つーか期待)しますが、劇中でこんな格好はしません。
クライマックスのアクションシーンで身にまとうのは、顔まで隠す真っ黒の忍び装束ってんだから色気もクソもありません、まさにジャケット詐欺です(笑)。
正直、セクシー要素と言えばストリップのシーンくらいかな? ストリップと言っても下着止まりだけど、そこは好印象。
2008年の作品という事で、まぁ『チャーリーズ・エンジェル』がやりたかったんだろうなと。日本刀を振り回すあたりは『キル・ビル』の影響も少なからずありそうです。
でも、『チャーリーズ~』に追いつけないのは単なる映像技術の問題ではなく、キャラのテンションが低いからなんですよ。
『チャーリーズ~』のエンジェルたちが敵に迫る際には色仕掛けも厭わないし、そんなアッケラカンとした明るさが魅力です。喧嘩の最中にちょっとくらいパンツが見えても気にしなさそうな(笑)。
『チャーリーズ~』の魅力はエンジェルたちが明るいだけでなく、(演じる人としても)楽しそうにやっている点にあると思うんです。
これに対し、本作の3人は私生活の中で色々な問題を抱えていて、ストリップダンサーは稼ぎが良いからやっているようなもので、そんなアルバイトも嫌いなら住んでいる街も嫌いといった風に、根っこが暗いんですよ。他の誰かがいればいいけど、気心の知れた3人だけになると途端に辛気臭くなるような(笑)。
3人のセクシー女子がキレの良いアクションで、バッタバッタと男どもをブッ飛ばすという痛快さを求めるだのはいいけど、つまらない欲を出して人間ドラマ(笑)を深く描こうとしたのが無粋すぎました。
…あ、俺ッチが勝手に結び付けているだけで、本作は『チャーリーズ~』とは一切の関連はありません……念のため。
セクシー要素に加え、もう一つの見どころでもあるアクション要素も物足りません。
アクションシーン自体も少ないし、役者としての彼女らがあまり動けないのをごまかすような見せ方ばかりなんです。クライマックスが近付いたのに、忍び装束に加え覆面で顔を隠しちゃうあたりでヤバいと感じましたが…。
敵の女用心棒キンジは外道に堕ちて破門された闇のニンジャという出自で、せめてこっちはどうにかと期待しましたが、あんま大差はなかったです(笑)。
序盤で3人は一人前のニンジャと認めてもらえたのに、結局は師範であるヒロシが最強というんだからモヤッとするなぁ…。
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DVD版の映像特典は予告&静止画集、吹き替え音声があるのがマシかな程度。
さすがにBlu-rayには劣るけど、DVDながらも意外に画質が良かったです。