『魅せられて』を観ました。
これまた恥ずかしい邦題ですねぇ…。♪ウィンディズブローウィンフロムジエ~ジャ~♪じゃないですよ?
19歳のルーシーは母の死をきっかけに、イタリアの片田舎にやって来る。そこは母をよく知る者たちが集う、母が過ごした地でもあった。
余命いくばくもないアレックスと親しくなったルーシーは、恋愛に奥手である事を見透かされ、周囲の者たちもそれとなくルーシーに恋人をあてがおうとする。
ホームステイを楽しみながらも、ルーシーには自分の本当の父親を探すという目的があり……といったお話。
手っ取り早いところでは『アルマゲドン』や『ロード・オブ・ザ・リング』等で知られるリヴ・タイラーさんの知名度を一気に上げた作品です。作品自体はそこまでヒットはしなかったようですが…。
若く初々しく、無防備な姿に“魅せられ”た人も少なくないんじゃないかな? 劇中同様、リヴさんも19歳の時に公開されたというのも感慨深いですね(撮影時はもっと若かっただろうけど)。
そんなリヴさん演じるルーシーの親探しが主軸ですが、どちらかというと恋人探し、極論としては処女卒業がお話の真の目的です。
本作には“官能”というワードも付き物だし、こんなキレイなお姉さんが薄着で駆け回るだけでなく、初体験がどうとか言ってるんだから、中高生が食い付きそうなシチュエーションですよね(笑)。
それを目当てに見てガッカリする子も多いんでしょうが……いやいや、そんな事もないぞ…?
ルーシーの初体験はなかなか上手く行きませんが、場数を踏んでいる周囲の人たちは老いも若きも、まぁお盛んです(笑)。
ただ、それらはエロとしての描写ではなく、恋人や夫婦といった間柄として結び付いた男女の辿り着くべき姿を表しているように見えます。
お互いが自然に求めたり受け入れたりできるかどうかが問題で、ルーシーが寄って来る男たちと上手く行かないのはそういう理由だからなんでしょう。
だからって純粋な恋愛映画でもない、俺ッチを含めた俗人には分かりづらい奥深さのある作品なのかもしれません。
分かりづらいと言えば、最大の難しさは登場キャラの多さにあります。
どんどんキャラが増えていくのでもう大変(笑)。特に俺ッチは、キャラの顔と名前が一致しないままお話が進むと置いてけぼりを食らうので…。
劇中で語られる事はありませんが、本作の舞台となるのはイタリアのトスカーナ地方というそうです。
ここの光景が、んま~美しいの何の!
ルーシーが暮らすのはオリーブ畑や大草原に囲まれた一軒家ですが、隣近所の建物なんて見えないどころか、車なしでは生活できないほどの場所。
周囲には大自然以外に何もなく、この家にやって来るのは気心の知れた友人ばかりなものだから、プールで泳ぐ際は全員全裸というオープンさ(笑)。
映画は総合芸術ですから、こういう背景や風景にも楽しみを見い出すのもアリだと思います。殺伐としたお話でもないし、のんびりした気分になりたい時にまた観ようと思う作品です。
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Blu-ray版は吹き替え音声は収録していますが、映像特典は予告編のみというショボ仕様です。