観た、『ブルーサンダー』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

新年一発目、『ブルーサンダー』を観ました。

年末に続き、こちらもいいチョイスでしょ?

 

▲このデジタル文字フォントが時代を感じる

 

ロス市警の航空課に勤めるマーフィーは新人のライマングッドを乗せ、今夜もヘリでパトロールに向かう。

そこでマーフィーらは強盗事件に遭遇。犯人は射殺したものの、襲われたマクリーニーも搬送先で息を引き取る。

翌日、マーフィーに政府からの特別任務として、近々開催されるロサンゼルスオリンピックの警備用に開発された最新鋭ヘリ、ブルーサンダーのパイロットに任命される。

マーフィーはテスト飛行も兼ね、ブルーサンダーでパトロールをする中、政府の高官を含めた何者かによる会話をキャッチする。先のマクリーニー殺害やブルーサンダーを使ったTHOR計画、そしてこれらに関わっている自分が抹殺される事を知ったマーフィーは、彼らの陰謀を暴くためブルーサンダーを強奪し……といったお話。

 

映画史においてメカをフィーチャーした作品は多々ありますが、ヘリコプターを扱った作品は皆無に等しいと思います。ヘリが登場する事はあっても、所詮は脇役程度なんですよね。

そんなヘリコプターファン(?)を満足させる、おそらく唯一無二の作品が本作でしょう。他に誰もやらないんだもん。

かと言って、「ヘリが出てくれば良いってモンでもないでしょ?」といった妥協の挙げ句というわけでもなく、映像技術の水準が非常に高く、本作を越えるどころか模倣すら難しいと思います。

 

そう言える理由の一つとして、特に今の目で見れば、本物=1/1スケールの実物に演技をさせているのがまず驚けるんですよ。

本作の場合の“実物による演技”とは、つまり本物として実際に飛ばしている事です。

外観だけの改造であればどうにかできそうですが、これを実際に飛ばしてしまう技術や発想には言葉も出ません。

▲こんな高度まで飛べちゃうんだよ?

素人にはよく分かんないけど、小難しい&複雑な航空力学に基づいた上でデザインをし、実際に空を飛べて、安全まで確保するという事を1983年にやってしまっているんだから、ただただ絶句です。

ただ飛んでいるだけではなく、チェイスシーンや戦闘シーンもありますからね。

▲クライマックスのバトルや用水路(?)でのチェイスシーンも圧巻!

まずCGなんて論外、実物を飛ばそうにも許可が下りない等々、様々な理由でもうリメイクはできないという意味でも、後からの追随を許さないヘリコプター映画の金字塔とまで豪語します。

 

それ以前に、ヘリコプターという乗り物自体が地味だから誰も作らないのかもしれませんがね(笑)。

戦闘機であれば『トップガン』という代表選手がいますが、早すぎてよく見えないという不満もあるじゃないですか? それを鑑みれば、ヘリくらいのスピードでも十分事足りると思うんですが…。

 

そしてブルーサンダー自体のデザインも良いんですよね。

直線で構成されたキャノピー(周り)もカッコ良く、ダグラムを連想しちゃいますよ(笑)。

▲朝日をバックに現れる初登場カットのカッコ良さ!

初登場からカッコ良いもんね、掴みはOKというか。

戦闘能力のみならず、電子装備も充実していて、いわばスマートヘリと言っても過言ではありません。

「あんな高さから、あそこまで女の人の谷間のドアップなんか映せるわけないじゃない?」と思う人もいるでしょうが、分かってないねぇ……後年のデジカメで採用される手振れ補正は、ブルーサンダーに搭載されたカメラ技術をフィードバックしたものなんだぞ?と教えてあげましょう。変な目で見られるけど。

 

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Blu-ray版のメイキングでは興味深い裏話も多めで、実物を作っている事も証明されています。

 

エアーウルフはもういいから(笑)ブルーサンダーの再販をお願いしますよ、アオシマさん…。