『仮面ライダーギーツ✕仮面ライダーリバイス MOVIEバトルロワイヤル』を観てきました。
新しい家族、幸四郎を加え温泉旅行にやって来た五十嵐家。
そこに現れたイザンギとバリデロは、かつて五十嵐兄妹が滅ぼしたギフの力を得るため幸四郎を狙う。悪魔で相棒であるバイスがいない今、一輝は仮面ライダーリバイとしての本来の力を出せない挙げ句、幸四郎はさらわれてしまった…。
一方、仮面ライダーたちが死闘を繰り広げるゲーム、デザイアグランプリは普段とは違う様相を呈していた。新しく始まるゲームの目的は悪魔をゴールまで運ぶ事。この悪魔こそ、幸四郎より生まれ出でたものだった。
英寿=仮面ライダーギーツらがゲームを開始する中、幸四郎の悪魔を奪回すべく仮面ライダーリバイらが乱入。一輝から経緯を聞いた英寿は、今回のゲームに不穏な動きがあると察する。
英寿の予想通り、新たなゲームマスターのコラスによりゲーム内容は変更された。シード参加する仮面ライダーシーカー、そして仮面ライダー龍騎らが加わったデザイアロワイヤルが始まる……といったお話。
現役ライダーと先代ライダーの共演はライダーの冬映画の恒例です。
そこに3代目平成ライダーである仮面ライダー龍騎(一行)も加わるという、ちょっと豪華な布陣です。
ですが……個人的にですが、これまでのライダー映画の中ではずいぶん下の方に位置する作品に思えました。
脚本は原作=テレビシリーズのメインライターを務めた木下半太さん(『~リバイス』)と高橋悠也さん(『~ギーツ』)なので、正統なスタッフのはずなんですが、レギュラーキャラに違和感があるだけでなく(とkにリバイス側)、お話としてもイマイチ熱くなれない。
そもそも、原作の終わり方がキチンとしたおかげか、リバイス側にドラマを付け足すのはチト蛇足だった気がします。ギーツ側に呼ばれての客演程度で良かったと思うんですよ。
あと、これだけは言わせてくれ……一輝の移動手段はバイクじゃなくて自転車だろ!
ゲストが登場する意味も希薄。
ちょうど去年の『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』におけるゲストの扱いが良かっただけに、本作ではガッカリでした。
本作の中心になるゲームマスターのコラスは良いにしても、あれっぱかしの出番しかない轟親子の話なんて、ほぼ空気ですよ(笑)。親と子の確執を描くには中途半端なんですよね。
せっかくのベテラン俳優枠をこんな程度にしか使わないとか、ずいぶん贅沢ができるようになったものだなと。
だったら開き直って、龍騎一行の出番を増やした方が良かったんじゃない?
五十嵐家の新しいドラマとしては、新しい家族=三男の幸四郎を迎えます。
俺ッチは赤ちゃんの可愛らしさというものを感じた事がないのでハッキリ言ってしまいますが……この子、ずいぶんブサメンじゃないですか? 一輝・大二・さくらと、せっかくここまで美男美女に育ってきた五十嵐家の子供たちですが、「5人目はもういいか…」「そうね…」なんて元太&幸実さんの会話が想像できます(笑)。
幸四郎の悪魔(名前はないらしい)も宿主(?)に似て、これもまた可愛くないですね。演じているのがお笑い芸人の長谷川雅紀さんだけあってか、おそらくアドリブであろうセリフに笑わせてもらいました。
『仮面ライダー龍騎』から数人が登場というのがトピックの一つにもなっていましたが、何かこう……モヤッとしますね。
裏真司・蓮・浅倉という『~龍騎』を象徴するダークなメンツなのはさて置いて、この3人が整列して同時変身とか、それはあり得なくない? 他のシリーズ作品のゲストとは言え、あまりにも原作のイメージを逸脱しすぎでしょ…。
まぁ所詮は他作品へのゲストですからね、原作とは色々と違いが生じるのは仕方ありませんが、演じているお三方=須賀貴匡さん・松田悟志さん・荻野崇さんによるオリジナル感を損なわない芝居には拍手です。
20年も経過しているんですから老けるのは当たり前だし、常に『~龍騎』に携わってもいないのに、あの頃のイメージから離れすぎていないんですよ。声を聞いただけで当時との違和を忘れさせてくれます。
この3人のチョイスの意味は?とも感じましたが、今でも俳優力のあるお三方が選ばれたのかなと勝手に解釈しています。弓削さんは他のライダー作品にもよく出てたし…(笑)。
龍騎一行が戦うシーンで、『果てなき希望』が流れる激アツ演出とか欲しかったけどね~。
********************
********************
原作の序盤の戦闘シーンで流れてた♪お~わりのない~、たったかいを~♪ってアレ。
『仮面ライダージオウ』で『BELIEVE YOURSELF』を流せたのは奇跡だったのかな…。
ドラマ的に何の影響もないナントカライダーの云々フォームなんてのはどうでもいいし、2種類くらいで良いんじゃないかと思いますが、こういうのを見慣れてしまうと龍騎一行にパワーアップ形態が全くないのは寂しすぎますね。
こういう時にこそ、仮面ライダークウガのライジングアルティメットフォームよろしく、レジェンドライダーの“もしもフォーム”なんてのを出せばいいのにと思うんです。スピンオフの方では王蛇サバイブなんてのが出るようですが、ネットムービーの時点でスルー。
にしても、20年後も浅倉があんな感じなのはちょっと寒い(笑)。ついでに言えば、変身後を見る限り、かなり着痩せするようにもなったな…。
ところで……もうずいぶん長い間、仮面ライダー(&スーパー戦隊)シリーズの映画を観続けていますが、そろそろいい加減にしませんか?と思う点の一つ。
新しいロケ地を探してくれよ、と。
現代は様々な規制や邪魔が入るせいで、撮影現場探しにふた苦労をしているんでしょうが、またかよ感がもう限界です。
さいたまスーパーアリーナが撮影の協力を拒んだ瞬間こそ、東映ヒーローが終わる時でもあるというのは過言ではありません(笑)。
ライダー&スパ戦、しかも1年間もあるテレビ版なら仕方ないと判官贔屓もできるんですが、せめて劇場版はもう少し特別感を出しましょうよと。
この辺、上堀内佳寿也さんの監督作品では、目新しい背景を目にする事が多いように感じます。
そして、もちろん今回も劇場プログラムを推します。
今回は800円ですが、値段に見合う、もしくはそれ以上に資料性の高い1冊です。
いい歳こいたよい子のみんなは、劇場で観た上で買おう!