『夕陽のガンマン』を観ました。
手下のおかげで脱獄したインディオは、難攻不落と言われるエル・パソの銀行を襲撃しようと画策。
一方、高額の賞金が掛かったインディオを狙う凄腕の賞金稼ぎ、モンコとモーティマーが出会う。利害が一致した二人は賞金を山分けにする事で手を組む。
モンコはインディオの一味に潜り込むが、モーティマーとグルになっている事がインディオにバレてしまい……といったお話。
冒頭の一文、
人命が軽視された所では時には殺人が金になった。そこで“賞金稼ぎ”が生まれた。
これが本作の、かつ多くの西部劇の世界観の全てです。
法を執行する側の力が及ばないので、気分次第にバンバン撃ち殺したところで裁かれるには至らないものの、仇討ちや復讐の的にはなってしまうシステム(?)は、本作を含めた西部劇の特徴です。
つまり、西部劇には生粋の善人がいないというか、そんな人はさっさと殺されてしまうような世界なのです。
そんな世界ですから、悪役として描かれるインディオはさておき、主人公的なポジションにあるモンコやモーティマーもフツーに悪人寄りです(笑)。
そんな似た者の二人が出会い手を組むに至りますが、その間にあるのは打算だけ。
昨日の敵が今日の友になるような、青臭い友情ごっこめいたものは皆無なのがいいんです。
帽子を撃ち合うシーンは緊張感が漂い(子供の客観的な意見が笑える)、ああまで相手を挑発しておきながら、その直後に同じ部屋で飲んでたりするんだから、色々と飛躍するなぁと(笑)。
緩急の激しいドラマチックな展開はないので、人によっては退屈な作品に思えてしまうかもしれません。
台詞の量も(比較的)少ないので、そんな作風に拍車が掛かります。
特にモーティマーにはインディオを追う理由もあるのに、それをペラペラと喋る事はしない。特に近頃の映画(テレビドラマを含む)を見慣れている人にとっては、これを説明不足に感じるんだろうけど、そんなバックボーンがあるほどキャラへの理解度が高まるのも分かります。
けど、そんなものがなくても成立するドラマもあるんですよ。
モーティマーならまだしも、モンコなんてキャラ説明が皆無に等しいですしねぇ(笑)。
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Blu-ray版は映像特典満載で、吹き替え音声が2種収録されています。
今回は吹替で鑑賞したんですが……初代『ルパン三世』のキャスティングってスゲー豪華だったんだなと、今さらながらつくづく実感しました