観た、『タイタニック』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『タイタニック』を観ました。

 

沈没した豪華客船タイタニック号に眠るダイヤ“碧洋のハート”を探す深海調査隊のリーダー、ブロックに宛てた電話の主はローズ・カルバートという老婦人。タイタニックの乗客だった彼女は、当時の思い出をブロックらに語り始める…。

1912年、史上最大の豪華客船タイタニック号が、イギリスのサウサンプトン港からアメリカに向けて出港した。

上流階級のしきたりに絶望するローズは、自殺を図ろうとしていたところを3等船客のジャックに救われる。これを機に2人は親密な仲になって行くが、ローズの婚約者であるキャルはこれを見過ごせない。

そんな折、氷山の発見が遅れたタイタニック号は回避に失敗。船首からの浸水が始まり、もはや沈没は免れない事態に陥る……といったお話。

 

自分が好きな映画を2度以上観る時って、次のセリフがパッと出てくるほど何回も観るか、名作として心に響きすぎるため生涯に何度かしか観ないか、二つのパターンがあると思います。

本作に関する俺ッチの場合は後者です。

スゲー長い(余裕の3時間越え)し、ある程度の気構えも必要ですが、それでも観始めれば眠くなる事がないまま、イッキに観終える事ができました。

のみならず、初見の際は手放しで褒めたものの、2度目以降の鑑賞では多少客観的に観れるせいか、アラが見えて初見ほどの感動を得られない作品もままありますが、本作に関してはアラどころかスキが見当たらないんですよね。

常々より、世の中には0点と100点は存在しないと考えている俺ッチですが、本作に関しては限りなく100点に近い作品であると思っています。

 

前回は泣いたのに今回の鑑賞では泣けなかった……という事がままあります。瑞々しい感性が失われつつあるのか、歳を取って擦れてしまったのか、何度か観ているあるあるですね。

今回の鑑賞でもそうなるかと思いきや、逆に泣きポイントが増えていて、俺ッチの感受性もそこまで砂漠化していなかったと安心しました(笑)。

楽士隊の皆さんの男意気に乾杯…!

 

本作の印象的なシーンと言えば、ジャックとローズの、タイタニックの舳先=船首でのアレで決まりですよね。

もはや何を言う事もあるまい、『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』(のインストゥルメンタル)が流れた瞬間にウルッと来ます。映画史レベルでの名シーンじゃないですか?

 

今回の鑑賞では、特にローズに感情移入しがちでした。

ローズは借金の山となった家を救うためにホックリー家との縁談を受けざるを得ず、キャルを初めとする俗物連中との関わりにウンザリしている状態。3等船客とネズミを同一視するような差別主義上等な空気にも馴染めず、こんな事が続く未来に絶望しているところに現れたジャックは、ローズにとっては自由の象徴にも思えたんでしょう。

がんじがらめの抑圧からの解放されたい欲求が、ローズがジャックを愛する理由であり、あの絵(のモデル)でもあるんですよね。

ちなみに、本作がテレビ放送された際、あんなに美しいシーンどころか、ジャックが描いた絵にすらボカシを入れていたのを見て、何もそこまでと絶句した覚えがあります(フジテレビだったかな?)。まぁ、地上波テレビで放送する映画なんてバラエティ番組の延長ですから。

 

ロマンス・アクション・サスペンスと、エンターテインメント要素てんこ盛りな本作。

そこにスリルの要素を加えるとしたら、手錠で繋がれたジャックを救い出すシーンですね。弱めの力でコツコツやるのではなく、全力&一発で決めるローズさんの胆力! 

没入しすぎて観ていたので、どんなホラー映画の恐怖シーンよりも息が詰まりましたよ…(笑)。

 

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↑のBlu-ray版は、廉価版(1000円が正当価格)にもかかわらず2枚組で、わざわざ映像特典満載のディスクを付けてくれるんだからサービス精神旺盛です。

廉価版の際には、わざわざ映像特典を削って新規ディスクとして作り直すソニーには見習えないでしょうね。