観てきた、『シン・ウルトラマン』 | Joon's blog

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もうひと月以上も前の話ながら、『シン・ウルトラマン』を観てきました。

 

近年、頻出する巨大生物、禍威獣[カイジュウ]。

その対策班として組織された禍特対[カトクタイ]は、禍威獣ネロンガが出現した現場で陣頭指揮を執っていた。

街に迫るネロンガに万策が尽きた頃、突如として現れた銀色の巨人。巨人は前代未聞の力でガボラを処理し去って行く。

巨人は禍特対の一員である神永新二と一体化し、地球人の姿を借りて地球に留まる。

言葉巧みに地球を狙う外星人らの目論見を阻止し続ける巨人=ウルトラマンだったが、地球を消滅させられるほどの強敵に対し、一命を賭して戦いに挑むが……といったお話。

 

まぁ、庵野秀明さんが指揮を執る作品ですからね(監督ではないけど)、独自の解釈や細部に至るまでの芸の細かさのみならず、とにかくこだわっているなと感じる作品でした。悪い言い方をすれば、マニア狙いの嫌らしい笑いの取り方というかね。

まぁ、俺ッチはまんまと笑ってましたが(笑)。


俺ッチはまぁまぁ最近に原作(=テレビ版)を観た記憶が残っていたのでニヤリとする場面が多々ありましたが、元ネタを知らない、もしくは上澄み程度の知識しかない人って、どこまで楽しめただろう?という疑問は感じました。
なので、予備知識がある状態で観れば、未見の人より楽しめるのは確実です。
本作に興味を持ちつつも、ネタバレ云々を気にしながらネットを見る時間があるなら、オリジナル版を5話くらい観て予習しておいた方が有意義だと思います。

怪獣、もとい禍威獣(ダサっ!)がなぜ存在し、なぜ現れるのかが語られますが、生態や環境の変化により自然発生した生物ではない(+α)という意味で、この辺の理由付けは超獣に近いものがありますね。

 

科特隊→禍特対も登場しますが、本作の作風ではああいう業務になってしまうのは仕方ないとは言え、隊員がパソコンとにらめっこしてばかりいる画が多いのは実につまらないですね。

本作も本作で面白いですが、状況分析だけでなく戦闘にも参加するようなオリジナル版の隊員の方が、荒唐無稽なヒーロー映画としてはキャラクター性が高いというか、個性を感じます。

ジェットビートルを初めとする乗り物や、チン毛みたいなビーム(笑)が出る銃といった超兵器もあって欲しかったし、作り手側も本音としてはやりたかっただろうな~と推測しています。

にしても、説明等の台詞は難しい言葉の嵐で、半分くらいは聞き流すような感じ(笑)。
中でも有岡大貴くんとか、所詮はジャニーズの小僧とかナメられそうなものですが、よくもあれだけの難しいセリフを覚えた上でスラスラと喋るものだと感心しましたよ。
説明台詞はさておいても、日常会話で論文めいた喋り方をするキャラばかりなので、直感的に刺さるような台詞が少なかったのは残念だったかな。

ウルトラマンと言えばスペシウム光線ですが、敵に到達するまでの距離があんなに長い光線は見た事ない
まぁ、敵の円盤を狙撃する事も度々あったから、本当はそれなりに射程は長いんだろうけど、スペシウム光線ってそこまで射程が長くないという印象を払拭してくれたのが良かったですね。

余談ながら、本作を観に行った時は座席は7~8割くらい埋まっていて、上映終了が23時という遅めの回でした。
にもかかわらず、エンドクレジットが終わるまで誰も席を立たないという珍事に遭遇しました。本編の内容以上に驚きましたよ(笑)。
作品の一部であるはずの“主題”歌に相応しくないような、いわゆるタイアップ楽曲は無粋と感じていますが、これを提供する歌手(の人気度)によっては、こういう現象をも生むんでしょうかね…。

にしても、↑のプログラムのように、配給会社はネタバレ注意の喚起に一生懸命です。
俺ッチも何の情報も仕入れずに鑑賞したら、アッと驚くような場面が続出で、実に新鮮な気分で観終えました。
そんな自分の感動体験を話したがる人は一定数いるもので、百歩譲ったとして、これを観客間の口コミとして捉えるのは仕方ないでしょう。
…が、我々のような観客がいくらマナーを順守しても、オモチャ発売の告知という形で、企業が大っぴらにネタバラしをする無粋にはカチンと来ます

先行されていない情報を作品の中で公開する、いわばサプライズも、映画を盛り上げるための重要な要素だって気付けないんでしょうか? 公開から10日も経っていないうちからそんな調子で、せめて劇場公開終了後→DVDの発売やらネット配信の時まで待てねぇのかよと。

…ほんと、近頃のバンダイという会社のやり方には懐疑的な感情を抱かずにはいられません