ま~、クソ暑くなってしまいましたね。とうとう夏到来といった感じで、テレビの週間予報を見ても絶望しか感じません(笑)。
夜もなかなか気温が下がりませんが、個人的に、そんなタイミングで観るのに相応しい作品の一つ、『バートン・フィンク』を観ました。
舞台作家として名を上げてきたバートン・フィンクは、映画の脚本家としてハリウッドへ招聘される。
映画会社の社長ジャックが要求するレスリング物のアイデアが一向に浮かばない中、フィンクはホテルの隣室のチャーリーや、尊敬する作家メイヒューと秘書オードリーと出会う。
アイデアが湧かずに焦り出すフィンクは、ふとしたきっかけでオードリーとベッドを共にする。
そこで目を覚ましたフィンクの隣には、なぜか血まみれになったオードリーの死体があり……といったお話。
手っ取り早く言えば本作は、アイデアが浮かばない脚本家の苦労と災難を描いた作品です。
クソ暑い中、さてやるかと思えば、隣室はうるせぇわ(オッサンのバカ笑い声と女性の喘ぎ声に挟まれてるとか最悪すぎる…)、壁紙は剥がれてくるわ、蚊も出るわと、専心できなくなるための要素が多すぎで気の毒です。
これらを見ている我々も、夏の夜の暑さというものがどれほどイライラするかを分かっているので、一事に集中したいフィンクに同情する事でしょう。
も~ホント、夏よ、早く去れ…!
フィンクと昵懇の仲と呼べる隣室のチャーリーを演じるのは、ジョン・グッドマンさん。
その名の通り“いい人”の役が多く、巨体のわりに柔和な笑顔で、気の良いデブを絵に描いたような俳優です。
本作でもそんな気の良いキャラを演じ、最初はチト恩着せがましい&暑苦しい系な感じがしたものの(笑)、情緒不安定に陥ったフィンクの支えになってくれます。
…が、オードリーの死後、フィンクは、チャーリーが実は殺人鬼であると警察に吹き込まれます。
良い人キャラが多いグッドマンさんが殺人鬼?と、フィンク同様に我々も疑心に苛まれますが……
正解は本編にて! ←バレてますよ~…
余談ながら、ホテルで火事が発生した際、誰も部屋から出て来なかった事を鑑みると、さらにゾッとしますね。
フィンクに渡した箱の中身もおそらく……おっと、この先は『セブン』に任せよう…。
ただ、オードリーへの凶行は直接描かれてはいないので、チャーリーが犯人確定というわけでもなく、フィンクにすらその可能性があるんですよね。ネタに詰まっているとは言え、そこまで乱心しているとは思えませんが…。
ところで、オードリーへの接し方やチャーリーとの会話で察するところ、フィンクは女性に対してずいぶん奥手なように見えます。
にもかかわらず、手慣れていない真似をするから、そんな災難が降りかかってくるんですよ、フィンクさん…。
本作の舞台は1941年のロサンゼルス(のハリウッド)。
この頃と言えば世界的、かつ歴史的に見ても第2次世界大戦の真っ只中です。
現実にもそんな時期に作られたアメリカ映画は多々ありますが、本土が戦場にならない国は悠長でいられて羨ましいですねぇ…。
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