観た、『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』 | Joon's blog

Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

テレビ版を観終えた勢いに乗って、『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』を観ました。

 

鳳学園に転校してきたウテナは、白い薔薇から滴り落ちた指輪=薔薇の刻印を手に入れた。

校内を散策しているうちに見つけたバラ園で、ウテナはアンシーに出会う。

そこに現れた西園寺は、薔薇の刻印を持つ者が決闘者=デュエリストの刺客を持ち、決闘の勝者が薔薇の花嫁であるアンシーを自分のものにできると言う。アンシーを決闘の賞品として扱う事に怒るウテナは西園寺を打ち負かし、アンシーを救い出す。

ウテナは次々に挑戦をしてくるデュエリストたちに勝ち続けながら、次第にアンシーとも親密になって行き……といったお話。

 

本作はテレビ版終了後の劇場版として公開されました。

と聞くとテレビ版の総集編、もしくは続編を想像しますが(まぁ、明快な終わり方ではなかったし)、そのどちらでもないリ・イマジネーション作品でした。設定はほぼ同じくした再創造とでもいうんですかね。

劇場版ウテナは普段はショートカットだけど、決闘時に変身(?)すると髪が長くなって本来のあるべき姿になるアイデアは、テレビ版を知っていればさらに納得。

約90分の映画に収めても理解してもらえるようにするためか、その他のキャラも個性や立ち位置が見直されていて、人によってはテレビ版より魅力を感じるキャラもいるかもしれません。

だが……七実のファンは、あれはあれで納得できるのかな…。

 

観終えてみれば、もうポカーン…。えっ、このまま終わっちゃうの?と(笑)。

ウテナ=主人公の行動原理や最終目標は汲み取れるんですよ。ただ、その表現や描写が斬新、かつ前衛的すぎて(テレビ版もそんな感じでしたが)、ビジュアルにばかり目を取られすぎて、お話自体があんま入ってこないんですよ。

もう少し冷静にお話を理解するには、2回以上の鑑賞が必要な作品じゃないかな?

逆を言えば、初めて観る際は(主に)目を楽しませるつもりと開き直った上で見ると良いと思います。

 

ちょっと、否、かなり気になったのは、テレビ版の第3部(?)と同じく、エロに振り気味なのがカチンと来たなぁ。

この頃にもなると、“大人向けアニメ”と銘打っておけばセックス&バイオレンスを強めに出してもいいという暗黙の了解が定着してきているんだよね、まぁ嫌らしい客寄せ作戦ですよ。

それはさておき、女だけど男を気取るウテナは中性的なのがアイデンティティなのに、裸=女としてのセックスアピールを出しまくるのは抵抗がありますね。

アンシーに関しても、薔薇の花嫁システムはテレビ版同様ですが、劇場版ではあまりにも品がない、安っぽいサセ子に成り下がっているんだから、やれやれですよ。

…だいたいアンタたち、中学生ですよね(笑)?

 

鳳暁生[オオトリ・アキオ]のキャストがテレビ版の小杉十郎太さんから及川光博さんに変更してるんだから、現代に公開されるものであれば大炎上確定だったでしょうね。

先にも述べたように、この劇場版ではテレビ版のキャラも登場しますが、役割が変わったキャラもいます。暁生はその代表格で、テレビ版で小杉さんが披露していたダンディーで濃ゆ~い芝居(笑)は、本作での暁生には似合いません。

違和感はあるかもしれませんが、役=キャラの性格が変わったのならキャストが変わっても当然、もしくは仕方ないと思いますし、納得もできます。役と俳優を同一視してしまうアニメバカほど、「小杉さんに失礼だ!」とか言い出しそうです(笑)。失礼の使いどころが、もうね。

確かに、及川さんの芝居には不慣れ感もありますが、ところどころで光るものもあり、鍵がどうこうと云うセリフは、けっこういい感じに思えましたよ。

 

**************************

**************************

**************************

DVDならあるけど、本作=劇場版のBlu-ray版は単品発売されてないんですよねぇ。

まぁ、劇場版は見るけどテレビ版は見ないという人は、限りなくゼロに近いだろうけど。

 

俺ッチが観たBlu-rayはちょっと特殊なのでオススメはしません(非合法なものではありませんよ~)。