年が明けて最初に観る作品は、『ゴールデンアイ』。
年の変わり目に心機一転という意味から、ピアース・ブロスナンさんが5代目ジェームズ・ボンドを演じた第1作目という事でチョイスしてみました。
OO7=ボンドは、OO6=アレックと共にソ連の化学兵器工場に潜入する。しかし二人は敵に見つかってしまい、アレックはソ連の将校ウルモフに殺されてしまう。ボンドは工場を爆破し、辛くも脱出に成功する。
それから9年。ボンドはロシアの犯罪組織ヤヌスの一員であるゼニアの動向を探っていたが、将軍となったウルモフと共に試作ヘリを強奪する。
宇宙開発センターにやってきたウルモフとゼニアは、電磁パルスを発する事で広範囲の電子機器を使用不能に陥らせる衛星兵器ゴールデンアイを起動。所員を皆殺しにし、センターを壊滅に追いやる。
センターの生き残りであるナターリャ救出したボンドは、ウルモフらがゴールデンアイの起動キーを奪って行った事、そしてこの事件を操る黒幕の存在を知り……といったお話。
OO7シリーズ第17作。
これまでOO7シリーズは2,3年おきに公開されてきましたが、前作『消されたライセンス』から今作まで6年ものスパンがあったんですよね(『スペクター』から『ノー・タイム・トゥ・ダイ』までの間も6年というスパンがありましたが、コロナ禍による公開延期の影響も重なっているんでしょう)。
このままシリーズがフェードアウトするのか?と思われたところに満を持しての登場という事で、期待値は高まっていたかもしれませんね。
今作からピアース・ブロスナンさんがボンドを演じますが、個人的に一番好きなボンド俳優です。
ショーン・コネリーさんの非情さ、ジョージ・レイゼンビーさんの繊細さ、ロジャー・ムーアさんの軽妙さ、ティモシー・ダルトンさんの真面目(&豪快?)さ、全てを兼ね備えた上にスマートさが加わっているのが良いんですよ。それに引き換え、最後まで好きになれなかった6代目よ…(笑)。
ついでに言うと、007シリーズを必ず映画館で=リアルタイムで観るようになった最初の作品でもあるので、いっそう思い入れのある作品なのです。
OO7シリーズの、映画としての見せ場の一つはアクション。
しかも人間離れした技を見せるような、狂気や執念すら感じさせる生身のスタントも健在です。
その中の一つと言えば、冒頭のバンジージャンプですかね。初めて劇場の大画面で見た時には息を飲んだものです。飛んでる時のフォームもカッコ良い。
距離は210~220メートルくらいだっけ? 距離的な記録はグループ在籍時代の西野七瀬さんに越されてしまいますが(230メートルだったとか)。
好きな要素が多い作品ですが、ガッカリする点は音楽ですね。
ティナ・ターナーさんの主題歌は好きですが、エリック・セラさんによる劇伴はナニコレ感が半端じゃないです。開巻早々のボンドがこちらに向かって銃を撃つ、いわゆるガンバレル・シークエンスの音楽のハズしっぷりとか、ただただ残念の極み。
劇中の音楽もおどろおどろしい感じの曲ばかりだし(笑)、アクションシーンを熱くさせるような曲が一切ないんだから、もうね…(戦車のシーンで流れるOO7のテーマも、なぜかサントラには収録されていない…)。
********************
********************
もう一つのガッカリポイントははボンドカーですね。
“女王陛下の犬”と揶揄されるほど祖国に忠誠を誓っているボンドさんが、どうしてBMW=ドイツ車に乗るんだ!と言いたいけど、ボンドさんは悪くない、悪いのはQ(課)なんだ…。どういう基準で車種を選定しているんだ、Q課よ…。
まぁ序盤の、アストン・マーティンDB5とフェラーリF355のチェイスが良かったものだからヨシとしましょう。
**********************
**********************
**********************
Blu-ray版は映像特典満載。
ただ、メイキングやインタビューは当時のもので、今となってはスタッフ&キャストが当時を振り返るタイプの方が良かったかな。
今作の公開に合わせた、シリーズを振り返るテレビ番組を映像特典として収録していますが、この番組のホストがエリザベス・ハーレーさんってのがイイですね。
この人もボンドガールとして出演して欲しいと思っていたものですがね、パロディ作品の『オースティン・パワーズ』に取られてしまいました…(笑)。