「今年も色々あったなぁ…」と言えるほど、抑揚のある1年を過ごす事もなくなったのはオジサンの証ゆえ、大して感傷に浸る事もない当ブログは通常営業です(笑)。
って事で、2021年を締めるのは(よりによって)『サイコ』です。
恋人サムの借金を肩代わりしようと、マリオンは会社の4万ドルを持ち逃げする。
サムの元へ車を飛ばす中、豪雨に遭ったマリオンは道中で見掛けたモーテルに立ち寄る。
ベイツ・モーテルを管理するのはノーマンという繊細そうな青年。母に対し愛憎入り混じった感情を抱きつつも、母の面倒を見ながら暮らしているノーマンと話しているうちに、やはり金を持ち帰る決意をしたマリオンだったが、何者かにより惨殺されてしまう…。
一方、失踪したマリオンと4万ドルの行方を追い、探偵のアーボガストはベイツ・モーテルに向かうが……といったお話。
アルフレッド・ヒッチコックさんの代表作は?と聞かれれば、間違いなく挙がるのが本作です。
ホラーというジャンルは本作より前にも多々ありましたが、それまでの概念をひっくり返した作品であるようにも思えます。
公開当時、観た人は内容を他人に話さないようにお願いしたり、上映途中の入場を禁じたりと、映画会社は意外なオチを容易に知らせないような売り方をしていたようですが、映画が盛り上がっていたいい時代だったんだなと羨ましく感じますね。
まぁ、いわゆるネタバレして喜んじゃうような、映画に接する資格すらない奴は当時にも存在していたと思いますが…。
当ブログでもそれに倣って、多くを言及しないようにしますが……そうすると何も綴れなくなるんですよ(笑)。
豪語できるのは、本作は殺人事件を描いた作品の幅を一気に広げた作品ではないかという点。
今や殺人事件を描いた映画は星の数ほどに増え、犯人像や犯行理由も多岐に渡るようになりました。同時に、誰がどんな理由で人を殺すに至るかが分かりにくくなったという事でもあります。犯行の過程を描く映画(や劇)として進化しているという事でもあるでしょう。
今の目で見ればありふれたお話に思えますが、1960年の作品であるという判官贔屓を抜きにしても、寒気のするお話だと思います。
…とか言いつつも、↑に綴った粗筋は、当時以上のネタバラシをしてしまっているんですよね。
当時、マリオンを演じていたジャネット・リーさんは知名度が高く、この人が本作のヒロインと思い込んで観てみたら、まさかの途中退場に衝撃を受けた人も多かったようです。
現代ではジャネット・リーさんの名を知っている人も少ないであろうし、本作で女の人が殺されるシーンがあるのは有名だからと判断して紹介してみました。
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Blu-ray版は映像特典盛り沢山です。
初見の際は、できればオリジナル音声&字幕で見て欲しいですね。
さらに、見る時間帯は夜でないと!