『燃えよドラゴン』を観ました。
武術の達人であるリーの元を、ブレイスウェイトという政府筋の男が訪ねてくる。ハンという男が開催する武術大会に参加しつつ、その裏で何やら怪しい動きがあるというハンの島を潜入調査して欲しいというのだ。
リーの師はハンについて語る。かつて少林寺の門下生でありながら教えを背いて悪に手を染めている事、そしてリーの家族を死に追いやった張本人である事を…。リーは復讐を果たすため、ハンの要塞島に向かう。
ローパーやウィリアムスを初め、ハンからの招待を受けた格闘家たちが島に集結する中、さっそくリーは調査を開始するが……といったお話。
俳優でありながら武術の達人と言えば、真っ先に名が挙がるのはブルース・リーさんですよね。
リーさんの出演作が多々ある中、本作は入門者に向けた作品じゃないかな? まずはコレを観とけ的な。
ブルース・リー=アクション俳優という認識はあながち間違いでもないんでしょうが、実際に作品を観てみると、いわゆる一般的な“アクション”というより、“武術”と呼ぶ方がしっくり来ます。
さらに言えば、欧米のアクション俳優と言えば、レスラーのような腕筋肉隆々なシルエットが定番ですが、これに比べるとリーさんは細くて小柄です。
しかし、一切の無駄がないように思えるほどに引き締まった筋肉の付き方は、もはや芸術の域。そこから繰り出す攻撃の素早さにも驚けます。
本作は1973年のアクション映画ですが、令和の今に見ても新鮮、かつ独特な見どころが多い作品です。
そんなリーさんが見せる格闘アクションに、多くの人は期待を寄せて観始めると思います。
なんだけど……どうも見せ方がイマイチで、何でそんなアングルで撮るの?とヤキモキする事が多いんですよねぇ。ローパーやウィリアムスの方が遥かにカッコ良く見えてるじゃん…(笑)。
…というフラストレーションを抱えるのはそこまでにして、クライマックスではリーのド本気アクションが炸裂!
クライマックス、ハンを追い詰める時の、カエルを睨むヘビのごときリーの眼差しは、この先に繰り広げられる修羅場を予感させます。
天下一武道会、ガンダムファイト、キング・オブ・ファイターズ等々、キャラ同士が1対1で対決する理由付けとして、劇中で格闘大会が催される漫画やゲーム作品は少なくありません。
今では特に目新しくも感じませんが、キャラ同士が戦う理由付けとしては単純、かつ合理的なシチュエーションであり、本作はそれらの先駆け的な存在になっているんじゃないかな?
…とは言え、あんま“大会”感はなかったけど(笑)。
お話は単純明快、尺もまぁまぁ短め(102分)。
アクションに重きを置いた作品は、このくらいのボリュームで丁度いいですよね。
ちょっとくらい破綻しそうなストーリーを、畳みかけるアクションで黙らせるみたいな雰囲気は、『女必殺拳』シリーズを思い出します(笑)。リーの妹スーを演じていた人もなかなかでしたが、悦っちゃんも負けてないぜ…?
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↑↑の配信版はディレクターズカット版と謳っていますが、↑のBlu-ray版と共に102分なので、たぶん同じ内容でしょう。
後者は、本編より映像特典の方が長いというパターンで、主にブルース・リーさんを追求するドキュメントがたっぷりです。