観た、『美しき獲物たち』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『美しき獲物たち』を観ました。

 

諜報員OO3がソ連から持ち出したICチップを回収したボンド。それは従来のものと違い、核爆発が起きた際に発生する電磁波に影響しないものだった。

チップの製造元であるゾーリン産業にKGBとの関連を気取ったMは、ボンドに調査を命じる。

手始めにボンドは、競馬場にやって来た社長のゾーリンを監視しつつ、ゾーリンの持ち馬であるペガサスの速さを異常に感じる。厩舎を探るボンドは、ペガサスから薬物を投与するためのICを発見する。

そして明らかになる、ICチップの独占を目論むゾーリンの壮大な野望。ボンドは、ゾーリンが引き起こす未曽有の大災害を阻止できるのか……というお話。

 

OO7シリーズの第14作目であり、ジェームズ・ボンドを演じるロジャー・ムーアさんの7作目、そしてムーアさんがボンドを演じる最後の作品です。

この時のムーアさんは、ななんと御年57歳! まぁ、色々と卒業を考えるのも当然ですよね…。

そのせいではないんだろうけど、アクションシーンは眺めではあるけど少なめ。特に乗り物系のアクションは多くこなしてきたムーアさんですが、さすがにそれも減り、吹き替えが多いのがあからさまです(笑)。

 

今作の敵であるマックス・ゾーリンを演じるのはクリストファー・ウォーケンさん。当たり前だけど、ま~若い(笑)。

敵(のボス)役には何かしら身体的特徴があるのがOO7シリーズのお約束ですが、ゾーリンはいわゆる試験管ベビーみたいなもののようです。

その弊害として精神面に問題があるようで、その象徴たるものが坑内を破壊する際の、労働員を虐殺するシーンで、この時の表情の狂気っぷりと言ったら!

“怪優”と呼ばれるに相応しくなるのは本作より後の話ですが、なるほど、ウォーケンさんの起用はこのシーンのためにあったか!と思わせます。

 

蛇足ながら、ゾーリンは他の作品にも関連していて、昔あった『エブリシング・オア・ナッシング』というOO7のテレビゲームでは、敵役ニコラス・ディアボロがゾーリンに目を付けていました。

ゲームとしても面白かったし、ストーリーもそれっぽく練られていたり、映画的な見せ場になりそうなシーンも数々あったしで、かなり好きだったんだよねぇ。

ディアボロを演じているのはウィレム・デフォーさん(!)だったり、伊東美咲さんも出演していたり(笑)と、キャスティングのみならず、主題歌はマイアさんという豪華&それっぽさ。

あれを原作に映画化して欲しかったな…。

 

敵と言えばもう一人、ゾーリンの恋人と用心棒を兼ねたメイ・デイ。

長身で筋肉質な黒人の、独特でカッコ良い髪形(笑)の女性で、一見した時のインパクトはなかなか強烈で、今作でのボンドガールは?と聞かれれば、ステイシーよりもメイ・デイを真っ先に挙げる人が多いと思います

“マッチョな黒人女性”という共通項として、『エイリアン2』のバスクエス=ジェニット・ゴールドスタインさんを思い出しますね。

そんなメイ・デイさん、見た目のインパクト通り、いかにも“THE 用心棒”って感じで、ボンドも散々な目に遭わされます。

この人とタッグを組めば、あるいはボンドを倒せたんじゃないですかね、ジョーズさん?って、こりゃ最恐すぎる…。

 

観終えてひと言……で、美しい獲物って何の事

内容を的確に表してもいないし、原題『A VIEW TO A KILL』の意訳にもなっていないし、テキトー&ヘタクソ&意味不明な邦題です。

ちなみに、原作=小説版の邦題は『バラと拳銃』だそうです。

『ルパン三世(Part-Ⅱ)』のとある一編@は、ここから頂いたのかな…。

 

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Blu-ray版は映像特典が多め。相変わらず、当時の舞台裏の映像を数多く収録してあるのは貴重ですね。

にしても、エッフェル塔からのダイビングは、スタントの人も狂ってたんだな…(笑)。